株式投資や投資信託と違い、FXには短期的な投機や危険なギャンブルというイメージが強いと思います。しかし、FXは十分魅力的な投資対象のひとつです。

そこで今回は投資対象としてFXがおすすめな理由を紹介します。また、FXの両面を知るためにFX投資のデメリットや、株などの他の投資対象との違いも紹介していきます。

投資対象としてFXがおすすめな理由

危険な投機対象として思われがちなFXですが、実際には投資対象として多くのメリットがあります。これを見れば、投資対象としてFXがおすすめな理由が分かりますよ。

理論上倒産しない

投資の王道である株式投資の場合、投資対象は民間企業になります。当然、経営がうまくいかなければ倒産してしまうし、民間企業が倒産することはそれほど珍しいことではありません。

一方、FXでは各国通貨が投資対象になります。通貨とは国家の信用そのものだと考えれば、FX投資は国に投資することと同じです。となれば、よほどの新興国通貨でない限り、お金が紙くずになる=倒産することはありません。

この理論上倒産しないということは、投資対象として大きなメリットと言えるでしょう。

レバレッジを抑えれば変動率は少ない

FXが危険なギャンブルだと世間一般に認識されているのは、多くの人がFXで投資した金額のほとんどを失ってしまう大失敗をしたからです。しかし、これはFXが悪いわけではなく、トレーダーのリスク管理が問題です。

ハイレバレッジで取引すれば、致命傷を負うのも仕方がありません。それは自己責任です。FXが投資対象としてどうかという問題とは全く関係がありません。

レバレッジを掛けないか、低レバレッジに抑えて投資をすれば、多くの株式銘柄よりも変動率は比較的穏やかです。1年間米ドルに投資をして、円に対して2倍3倍と強くなることはゼロではありませんが、皆無に等しいでしょう。

 

レバレッジの仕組みについて詳しく知りたい人は、【FXを始める前に知っておくべき証拠金取引とレバレッジの仕組み】をご覧ください。

比較的長期間トレンドが出やすい

四半期に一回の決算発表で大きく流れが変わりやすい株式投資と違い、金融政策やマクロ経済など比較的大きくゆっくりした流れがでやすいのがFXの特徴です。

この大きな流れが出やすいことは、投資対象として大変魅力的です。比較的大きな長期トレンドに乗ることができれば、その大きな流れが変わることだけ注意しつつ、利益を伸ばすことができます。

教養が身につく

どんな投資対象でも、投資をすれば多くの知識を得ることができます。自分のお金がかかっているため、それに関連したニュースを自然と調べますからね。

例えば、A社の株に投資をすれば、その企業のニュースや業界の知識を得ることができます。これでも十分教養は身につきますが、FXなら各国の金融政策や経済指標など、大きな視点での知識を吸収することができます。

FX投資で得た知識は、投資だけでなく多くの場面で応用できるはずです。この点も、投資対象としてFXをおすすめする理由のひとつです。

投資金額に左右されない流動性

FX市場は莫大です。新興株などと違い、流動性に困ることはありません。少額で初めてから、億万長者になっても同じ市場で投資を継続することができます。

しっかりとした流動性が確保されていることは、投資対象として絶対条件です。売りたいときに、すべてのポジションを決済できなければ、安心して投資なんてできませんからね。

 

FX投資のメリット
理論上倒産しない
レバレッジを抑えれば変動率は少ない
比較的長期間トレンドが出やすい
教養が身につく
投資金額に左右されない流動性

FX投資のデメリット

何でも物事には二面性があります。確かにFXは魅力的な投資対象ですが、デメリットがないわけではありません。

ここではFX投資を始める前に知っておくべきデメリットをいくつか紹介します。また、FX投資を始めて大失敗をしてしまう典型例も併せて紹介していきます。

レバレッジの誘惑に勝てるかどうかは自分次第

始めは低レバレッジでFX投資をしていても、思ったほど変動率がなくて、ついついハイレバレッジに手を出す方は非常に多いです。この誘惑に勝てるかどうかは、その人自身の意思の固さに依存します。

誘惑に負ければ、投資から投機に移行することになり、誘惑に勝つにしても一定の心理的負荷がかかります。これは現物株投資にはないデメリットといえるでしょう。

当初の目的を忘れて投資から投機へ

誘惑はハイレバレッジだけではありません。どうしても周りのFXをしている知人や、SNSで発信しているトレーダーの刺激的な情報を得るたびに、自分も短期トレードをしてみたいと思うでしょう。これが我慢できないと、当初の目的が全く違ったものになってしまいます。

投資をするためにFXをしていたはずが、いつの間にかハイレバレッジでスキャルピングトレーダーに…。そして、資産推移が激しくなり、最終的には大きく資産を減らす…。当初のルールを守り続けないと、思わぬ結末が待っていることを肝に銘じてください。

株式投資と損益通算できない

FXは株式投資と損益通算できません。そのため、株式投資で負けていても、FXで勝った分だけ納税する必要があります。(損益を合算できない)これはFX投資のデメリットと言えるでしょう。

株式投資と同時並行でFX投資を行う場合は、この点を考量して運用しなければいけません。ただ、先物やCFDとは損益通算可能です。

自ら危険に飛び込むFX投資の典型的な失敗例

最後にFX投資の典型的な失敗例を反面教師として知っておきましょう。

FX投資を始めて徐々に利益が出ても、他のトレーダーが派手に資産を増やしているのを見てしまい、どうしてもつまらなく感じる…。そこで、すでに行っているFX投資とは別に、新たに運用資金を入金して短期トレードスタート。

しばらくするとFX投資分の利益より、短期トレードの損失が上回り、これではいけないとレバレッジを高めて短期トレードを繰り返す…。最後は、FX投資の運用資金にまで手を出し、半年後には大幅に資産減少…。

これがFX投資を始めて大失敗してしまう典型例のひとつです。多くの場合、本来やらなくてもいいことをして、やらなくてはいけないことができなくなってしまいます。反面教師として覚えておきましょう。

 

FX投資のデメリット
レバレッジの誘惑に負けていつの間にかハイリスク投資になる
当初の目的を忘れて投資から投機へ
株式投資と損益通算できない

FXと他の投資対象との種類別比較

FX投資が、他の投資対象と比べてどんな違いがあるのか知っておくことも大切です。ここでは投資対象の種類別に簡単に比較していきます。

FXと株式投資の違い

先ほど言った通り、倒産して紙くずになってしまうリスクのある株式投資と違い、FXで扱う通貨が無価値になるリスクは小さいです。

また、個別企業というミクロの分析が必要となる株式投資と違い、FX投資はマクロ的な観点が求められます。

その他にも、何千銘柄から投資対象を選ぶ株式投資と違い、FXの通貨ペアは非常にシンプルです。取引時間にも大きな差があり、平日の日中しか取引されない株式と違い、FXは土日以外はほぼ24時間取引されています。この点、サラリーマン投資家には嬉しいですね。

FXと投資信託との違い

プロが投資対象を選定してパッケージ化していること以外は、投資信託と株式投資に大きな違いはありません。FXとの違いも株式投資と同じだと思って差し支えないでしょう。

あえて言うなら、1日1回しか取引できない投資信託と、深夜でもリアルタイムに取引できるFX投資では、取引時間の違いが一番大きいです。

 

投資信託について知りたい人は、【初心者でもわかる投資信託の基本的な仕組みと始め方】をご覧ください。

FXと先物取引との違い

そもそも比較的短い期限のものを取引しなければいけない先物取引は、長期的な投資対象として不向きです。あえて投資対象としてFXと比べるまでもありません。

ただ、先物取引とFXは損益通算ができます。その点だけは覚えておきましょう。

意外にFXは投資対象としておすすめ

投機対象としてイメージの強いFXですが、扱い方次第では魅力的な投資対象になります。特に倒産しないことや、大きな長期トレンドのチャンスがあることはFX投資のメリットでしょう。

ただ、FX投資をする際には、絶対にハイレバレッジに手を出さないでください。それが守れないと、自分は投資をしているつもりでも、実際には投機をしているだけだった…なんてことになりますよ。


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FXトレーディングカレッジ 編集部

<アドバイザー:鈴木 拓也> 東京工業大学大学院卒。メガバンクの国内・海外支店にて為替ディーラー業務を経験後、独立。現在は、自己資金で投資を行う傍ら、FXを中心とした投資スクールを運営。日本証券アナリスト検定協会会員(CMA)。