エントリーをする前にストップロス(損切り)の水準を事前に決めて、ポジションを作ったと同時にそのオーダーを入れることの重要性は言うまでもありません。

しかし、一度置いたストップロスの水準を安易に変えてしまうことは望ましくありません。

新規でトレードをする際には、リスク・リワード・レシオ*を最初に想定し、エントリーをすると思います。
*リスク・リワード・レシオとは、リスク(損失)とリワード(利益)の想定割合で、例えば10pipsで損切り、20pipsで利確とすれば、リスク・リワード・レシオは1:2となります。
ストップロス水準を変えてしまうと、このリスク・リワード・レシオが変わってしまうため、当初に決めてトレード計画が狂ってしまうのです。

 

ストップロスを変えてしまい失敗する例

では、ストップロスの水準を変えて失敗した例を見ていきましょう。

A君はトレードチャンスを見つけ、ドル円を110円30銭で10万通貨買いました。トレード計画はリスク=30銭、リワード=60銭で、リスク・リワード・レシオは1:2にし、ストップロスオーダーを110円丁度に置きました。

しかし、買った直後からドル円は予想に反してジリジリと110円15銭程度まで下落し、このまま更に下がってしまうと思ったA君はストップロスオーダー前の110円15銭で損切りをしました。その後、ドル円は110円10銭まで下がりましたがそれ以上は下がらず、間も無くして反転し、110円80銭まで上昇してしまいました。

結局、A君はそのまま何もしなかったら6万円の利益(10万通貨x60銭)を手にしていたはずですが、110円15銭で損切りをしたために、1万5千円の損失が発生することになりました。

これは損失に対する恐怖から、将来手にするはずの利益をみすみす逃してしまった結果であり、当初の計画したリスク・リワード・レシオを安易に変えてしまっった失敗例の一つです。

逆に、ストップロスオーダーも遠ざける行為も、リスク:リワードのリスクを大きくすることになりますので、それに見合うリワード(利益)が期待出来ない場合は絶対に避けましょう。
どんどん資金を減らすことにつながるリスクが高まります。

例外としては、すでに当初のターゲット(利食い)水準を超えて含み益が出ており、更に利幅を拡大させるためには、利食いのストップロスオーダーを置く戦略が有効になります。

相場で生き残るためには、慎重にトレード計画を練り、一度決めた方針を貫き通すべきです。安易にコロコロ計画を変えていては、相場に振り回されて最終的には退場させられてしまいます。


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鈴木 拓也

東京工業大学大学院卒。メガバンクの国内・海外支店にて為替ディーラー業務を経験後、独立。現在は、自己資金で投資を行う傍ら、FXを中心とした投資スクールを運営。日本証券アナリスト検定協会会員(CMA)。