労働することなく、資産や自分の作ったコンテンツが代わりにお金を稼いでくれるのであれば助かりますね。これを「不労所得」と呼びます。

株式の配当金や、不動産の家賃収入、インターネットのアフィリエイトビジネスなどが有名ですが、FX(外国為替証拠金取引)でも不労所得を得ることが可能です。FXには「スワップポイント」という仕組みがあるからです。

しかし、FXのスワップポイントだけで生活しているという話はあまり耳にしません。FXのスワップポイントの不労所得だけで、自由な人生を送る方法はあるのでしょうか?

今回はFXのスワップポイントの仕組みや、ハイリターンを狙う方法、その注意点についてお伝えしていきます。

キャピタルゲインとインカムゲインについて

それではまずは、FX投資で得られるキャピタルゲインとインカムゲインについてみていきましょう。

キャピタルゲインとは

FXでは二種類の方法で利益を獲得することができます。それが「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」です。

キャピタルゲインとは、「為替差益」のことになります。1米ドルを110円で買ったとして、その後の変動で円安となり、1米ドルが111円になったところで売れば利益が出るのです。

FXの基本はこの為替差益を狙うものです。しかし、そのためには常にチャートを分析したり、世界の経済情勢について確認していく必要があります。かなり忙しい状態で、労働しているのとほとんど変わりがありません。

ネガティブサプライズなどで、急落の兆しがあれば、リスク回避で損失が小さなうちに決済し、ポジションを手放す必要があります。そうしなければ大きな損失に繋がる危険性もあるからです。

取引業者によっては、自動売買を繰り返してくれるツールもありますので、そちらを利用するとキャピタルゲインも不労所得の要素が強くなります。

インカムゲインとは

トレードによって為替差益を生み出さなくても利益を出す方法があります。それがインカムゲインです。高金利の国の通貨に投資することによって、利息を利益として受け取ることができるのです。

これはポジションを保有していればいいだけで、トレードなど何もする必要がありません。毎日、スワップポイント分の収入があります。まさに不労所得です。

つまり今後も上昇が見込める通貨を買えば、キャピタルゲインで利益を出しつつ、インカムゲインの収入も期待できるということになります。とてもお得です。

今回のポイントは、このインカムゲイン、つまりスワップポイントだけで生活できるほどの利益を出すことが可能なのかどうかということになります。

キャピタルゲインとインカムゲイン
・キャピタルゲインは為替差益
・インカムゲインはスワップ収益

 

スワップポイント以外の不労所得について知りたい方は以下の記事もご参考下さい。

記事:【元銀行員が教える】不労所得の全種類とメリット・デメリットとは?

スワップポイントとは

それではスワップポイントについておさらいをしつつ、どのような時にスワップの利息を受け取れるのかを押さえましょう。

金利差から生まれるスワップポイント

スワップポイントの利息は、国の政策金利の差によって生まれます。政策金利の高い国の通貨を買えば、毎日利息分が利益となりますが、政策金利の低い国の通貨を買えば、逆に利子を払うことになり損失となるのです。

現在の日本は10年間ほど超低金利である0.10%が継続されています。近年のアメリカが急激に政策金利を上げているのとは対照的です。日本の金利が低いため、ユーロを除くほとんどの通貨を買うとスワップポイントの恩恵を受けることができます。

例えばアメリカは、2015年12月に0.50%に上がって以降、2016年12月には0.75%、2017年3月には1.00%、6月には1.25%、12月には1.50%、2018年3月には1.75%、6月には2.00%、9月には2.25%まで順当に上がってきており、米ドルに投資する傾向が強まっています。

逆に新興国である南アフリカの政策金利は7.00%まで上がったものの、2017年7月には6.75%、2018年3月には6.50%と下がってきている状態です。それでも日本の政策金利と比較すると大きな差があります。ですから、新興国の通貨はスワップポイント狙いのトレーダーに人気なのです。

スワップポイントはどのような状況か

それでは、実際に他国の通貨を買ってポジションを保有していると、どのくらいのスワップポイントが期待できるのか確認してみましょう。

これは取引業者によってかなりの差があります。米ドルに強い業者もあれば、トルコリラに強い業者もあります。自分の扱いたい通貨が一番有利な業者を選ぶ必要があるでしょう。

例えば米ドルであれば、1万通貨を買うと、1日に40円~66円のスワップポイントの収入があります。もちろん40円の業者よりも、66円の業者を選んだ方がお得です。

66円の業者であれば、10万通貨で1日660円の利益、30日で19,800円の利益となります。およそ2万円ですね。ちなみに必要となる資金は、1米ドル112円だとすると、10万通貨で1,120万円になります。リスクは高まりますが、レバレッチを最大の25倍とすると、およそ45万円の資金で取引が可能です。

仮に月に20万円のスワップポイントの収入を見込むのであれば、レバレッチ25倍でも450万円の資金は最低限必要だということになります。リスクを抑えてレバレッチ1倍でしたら、1億円以上の資金が必要です。

スワップポイントのまとめ
・各通貨の金利差から発生し、受け払いされる利息のこと
・スワップポイントは業者間でばらつきがあるため、高いポイントのFX会社を使うようにする

FXスワップポイントで不労所得を得る方法

高金利の通貨ペアに投資

上記で説明した資金額を考慮すると、FX初心者にとって、米ドルへの投資で、不労所得だけで生活していくことは現実的ではないでしょう。

では、もっと政策金利の高い国の通貨に投資した場合はどうなるでしょうか?

扱っている業者は限られていますが、新興国のトルコリラのスワップポイントはかなり高く設定されています。政策金利は、8.00%だったのが2018年5月には16.50%まで上がり、9月には24.00%となっているからです。

トルコリラを扱っている業者で、最も有利なスワップポイントだとトルコリラ1万通貨で、1日126円です。10万通貨、30日間で計算してみると37,800円です。変動の激しいトルコリラですが、1トルコリラ19.85円だとすると、およそ200万円の資金が必要です。レバレッチを25倍にすると、およそ8万円となります。このレバレッチであれば、月に20万円のスワップポイントを稼ぐのにおよそ42万円の資金があれば可能ということになります。

 

ちなみに、新興国通貨でスワップポイントが高い傾向にあるFX会社はトレイダーズ証券のみんなのFXです。

トレイダーズ証券[みんなのFX]

高金利通貨に投資する際の注意点

日本の投資家中心に、トルコリラに注目が集まっているのはこのためです。

しかし新興国の通貨は政治情勢や経済情勢が不安定になると、大きく変動します。スワップポイントを狙ってレバレッチを高く設定していると、さらにリスクが高まることになります。

トルコリラは2015年には1トルコリラ51円ほどをつけていました。それが2018年には1トルコリラ16円を下回るところまで値を下げています。コツコツとスワップポイントで利益を出しても、大きな為替差損で一瞬にしてその利益は消え、強制ロスカットになってしまいます。特にレバレッチを高く設定して、余剰資金がほとんど無い状態だと、ロスカットはあっと言う間です。

 

損失が広がり、ロスカットを避けるために追証をしても、2015年以降トルコリラは下降する一方なので、損失はさらに膨らむばかりになります。

このように、高金利の通貨を取り扱う際にはリスクマネジメントが重要になるのです。

スワップポイントで不労所得を得るポイント
・トルコリラなどの高金利通貨に投資をする
・強制ロスカットに合わないように低レバレッジで運用をする

 

トルコリラの状況について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考下さい。

記事:トルコリラ円はどこまで下がるのか?急落の原因と今後の見通し【2018年】

まとめ

FXのスワップポイントだけで生活していくことは不可能ではありませんが、そのためには豊富な資金が必要だということがいえます。まずは現実的なところで、毎月2万円、3万円の不労所得を狙っていくのがいいのではないでしょうか。

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鈴木 拓也

東京工業大学大学院卒。メガバンクの国内・海外支店にて為替ディーラー業務を経験後、独立。現在は、自己資金で投資を行う傍ら、FXを中心とした投資スクールを運営。日本証券アナリスト検定協会会員(CMA)。