FX(外国為替証拠金取引)には、利益の出し方が2種類あります。

ひとつは、為替レートの上がり、下がりによって利益を生み出す為替差益(キャピタルゲイン)です。

例えば、ドル/円(USD/JPY)だと、1ドル105円のときにエントリーして、ドルを買い(ロングポジションを持つ)、1ドル106円まで上がった時にドルを売ってエグジットすれば、1円分の利益が出ます。1万通貨分だとすれば、1万円の利益です。

FXのメインは、このキャピタルゲインでいかに利益を出すかということになりますが、実はもうひとつ、別のやり方で利益を出すことができます。

それが、低い金利の国の通貨を売って、高い金利の国の通貨を買うことで利息を得ることのできるインカムゲインです。「スワップ金利」と呼ばれています。

1日に換算すると微々たる金額なのですが、レバレッジを利かせれば、スワップ金利にも反映されます。大量の通貨を購入することで、大きなインカムゲインが期待できるのです。これを「スワップポイント」と呼びます。

スワップポイントは、安定して利益を得ることができるため、チャートを眺めながらトレードする必要がなく、まさにほったらかしで金利不労所得を得ることができます。

スワップポイントを目的とする「スワップトレーダー」もいるほどです。

しかし、ここには重大な落とし穴がありますので、注意が必要になります。

今回は、マイナー通貨である「トルコリラ」に注目し、ほったらかしで金利不労所得を得る方法と注意点についてお伝えしていきます。

トルコリラの特徴について

それではまずは、トルコリラの特徴について見ていきましょう。投資の大原則ですが、投資先がそもそもどんなものかをしっかりと理解することは必要不可欠です。

高いスワップ金利

新興経済国トルコの通貨が「トルコリラ」(TRY)になります。

トルコの2017年の経済成長率は「7%」を超えており、高い経済成長率を誇っています。同じようにマイナー通貨であるニュージーランドは3%ほど、南アフリカは1.3%ほどです。ちなみに米国は2.2%ほど、日本は1.7%になります。

魅力的なのは経済成長率だけではありません。その高い政策金利にも多くの投資家が注目しています。

2018年4月時点では、トルコの政策金利は「8%」です。南アフリカの6.5%、ニュージーランドの1.75%よりも高い金利になっています。日本は0.1%ですね。米国は徐々に上がっており、1.75%となっています。

日本は超低金利状態ですから、日本円(JPY)を売って、トルコリラ(TRY)を買うと、金利差分だけスワップポイントで利益を出すことができるのです。

日本のFX取引業者で、最も高いスワップポイントが付くところだと、1日あたり「100円」の設定になっています。他の業者でも80円台が多く見られます。スワップポイントを最も期待できる通貨が、トルコリラなのです。

勘違いしてはいけないのは、あくまでも1万通貨の想定だということです。千通貨からトルコリラを買うことができる取引業者もありますが、千通貨で100円のスワップポイントを毎日得られるわけではありません。

狭くなってきたスプレッド

2018年5月の段階としては、「トルコリラ/円」(TRY/JPY)はどんどん史上最安値を更新しており、5月27日ではやや持ち直して23.18円となっています。リスクの低いレバレッチ1倍で1万通貨を買っても、約23万円です。

仮にスワップポイントが89円だとして、1万通貨のロングポジションを1年間保有すれば約3万3千円になります。何もせずにただポジションを持ち続けるだけで、年間に3万3千円も利益を出すことができるのです。

もし10倍の230万円ほどの資金で、10万通貨買っておけば、年間で約33万円ものスワップポイントになります。

日本の銀行に預けておくよりも、はるかに多くの利息を得ることができてお得ですね。

スプレッドは、メジャー通貨のペアと比較すると広いのは仕方がないですが、それでもどんどん狭くなってきています。最もスプレッドの狭い取引業者だと1.9銭(原則固定)です。2銭~5銭あたりの取引業者が多いでしょう。それ以上に広く設定している取引業者もあります。

以上の点を考慮していくと、スワップポイント狙いでトルコリラを買うことは、とても魅力的な状況といえるでしょう。

為替差損で金利以上に損失を被る危険性がある

と、トルコリラの良い面ばかりを強調してきましたが、そんな簡単にお金を稼ぐことができるのでしょうか? トルコリラを買うリスクはないのでしょうか?ここからはトルコリラ投資をする上で、絶対に押さえておきたい注意点ついて見ていきましょう。

2007年から2009年の出来事から勉強

ここでお伝えしておきたいのは、やはり2007年の「サブプライムローン問題」、それに伴う2008年の「リーマンショック」で何が起こったかということです。

ちょうどニュージーランドが今のトルコと同じような政策金利でした。ニュージーランドはその頃は8%を超えていたのに、今では1.75%です。基本的にインフレ率が高まれば政策金利は上がりますが、経済が低迷すると金融緩和のために政策金利は下がります。

金利のアップダウン以上に、はるかに大きな問題だったのは、急激に円高が進行したことです。

例えば、サブプライムローン問題が表面化するまでは、ニュージーランドドル/円(NZD/JPY)は、1ドル95.5円でした。これが2ヶ月で1ドル80.8円まで急落したのです。

この頃の日本ではスワップポイントを目的にしてFXの取引をする人がほとんどでしたので、かなりのロングポジションを保有していたと考えらえます。

もし10万通貨だったとしたら、2ヶ月で約150万円の損失になります。

しかし、損切りできた人は少なかったでしょう。当時は、為替レートはいずれ戻るというのが基本的な考え方だったからです。

追い打ちをかけるように、2008年にはリーマンショックが襲い掛かります。

ニュージーランドドル/円(NZD/JPY)は、1ドル77円ほどから半年で45円ほどまで超急落したのです。10万通貨であれば、この半年で320万円の損失になります。

もし2007年から10万通貨でポジションを持ち続けていたら、トータルすると約500万円の損失です。100万通貨であれば5,000万円を超える損失となります。

ここで90%の投資家が資産を失ったといわれています。強制ロスカットされ、退場していったのです。

つまり、スワップポイント目的にしてFXを行い、利益を出しても、それ以上に為替差損が発生したら、トータルでは負けるということです。

スワップポイントはおまけだという割り切り方

スワップポイントで大きな利益を出したいがために、レバレッチを最大限に活用して大きなポジションを保有するということは、とてつもないリスクを伴うのです。

実際にトルコリラも2015年以降は完全に下落トレンドに入っています。

「トルコリラ/円」(TRY/JPY)は、2015年には51円台だったのが、2018年5月には22円台まで下落しているのです。

もし100万通貨のポジションで、毎日8,900円の利息を得ることができたとしても、2,900万円の為替差損など到底埋めることはできません。

なので、スワップポイントはあくまでもおまけだとして考え、しっかりリスク管理をすべきなのです。

スワップポイントで利益を出すことではなく、為替差益を柱にしてトレードしていく必要があります。

 

トルコリラの今後について整理したい人は、以下の記事もご覧ください。

記事:トルコリラ円はどこまで下がるのか?急落の原因と今後の見通し【2018年】

まとめ

FX初心者でもわかりやすいように、pipsの単位ではなく、円の単位でお伝えしてきました。どちらにせよ内容は同じことです。

為替レートの変動というリスクに対して、金利収益はまったく見合っていないのです。

FXのトレードをする際には、このことには充分に注意していただきたいと思います。

スワップポイントやリスク管理について基本から勉強していきたい方は、無料学習コンテンツ「FXトレーディングカレッジ」をぜひ活用してください。

 

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