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トルコリラが史上最安値を更新し続けていますが、どこまで下がるのでしょうか・・・

鈴木(T-ya)鈴木(T-ya)

では今後の注目イベント等も含めて今後の展開を考えていきましょう。

FX(外国為替証拠金取引)は、様々な国の通貨を扱うことができます。

FXの取引業者によって、扱える通貨は異なりますが、およそ20種類の通貨があります。

日本円(JPY)、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)といった「メジャー通貨」と、南アフリカランド(ZAR)、メキシコペソ(MXN)、トルコリラ(TRY)といった「マイナー通貨」に分けられます。

今回は、このマイナー通貨から、トルコリラに注目していきましょう。

高金利政策のトルコは、「スワップ金利」で魅力を集めている新興経済国です。G20にも参加しており、2018年の「魅力ある新興市場ランキング」では、メキシコに次いで第2位の高評価となっています。

しかし、2018年3月下旬にトルコ/円は、史上最安値の25.96円を記録して以降も、どんどん最安値を更新している状態です。

はたしてこのトルコリラ下落の原因はなんなのでしょうか?

そしてこの最安値更新はいつまで続くのでしょうか?

これまでのチャート状況を確認しながら、景気動向や政策金利などの分析による「ファンダメンタルズ分析」を柱にして、トルコリラについて詳しくお伝えしていきます。

トルコリラ/円(TRY/JPY)のリアルタイムチャート

こちらがトルコリラ/円(TRY/JPY)の直近のチャートの値動きです。

ドル/トルコリラ(USD/TRY)のリアルタイムチャート

上のチャートは、ドル/トルコリラ(USD/TRY)のチャートの値動きです。

トルコリラ/円のレートは、「TRY/JPY = USD/JPY ÷ USD/TRY」の計算式で作られている合成通貨(合成通貨の意味は下記参照)です。

トルコリラ下落の原因を整理

それではまずは、トルコリラが下落している原因を整理していきましょう。

トルコリラ/円(TRY/JPY)為替レートの推移

 

2018年5月25日9:20現在、トルコリラ/円は、22.97円をつけています。今週に入って、22.50円まで下げていますから、わずかに戻している状態です。

この為替レートだけ見ても、トルコリラ/円の状況はよくわかりませんね。過去の為替レートと比較してみましょう。

 

かなり以前の話にはなりますが、2007年から2008年にはトルコリラ/円は90円台でした。もちろんこの直後にリーマンショックが起こって、急落するのですが、当時の価値の25%ほどになっているのが現状です。

問題は、リーマンショック以降も「下落トレンド」が続いているということです。

2015年の頃のトルコリラ/円は51円ほどです。ここからさらに下落は続きます。2017年には31円台に突入し、同年10月9日には急激に下落し、史上最安値の27.98円を記録しています。

前週の終値が31.10円ほどでしたが、トルコと米国が揉めて、ビザ発給相互停止の事態に陥ったため、週明けの日本は体育の日で祝日でしたが、早朝からトルコリラは大暴落を始めました。

2018年になってもトルコリラの回復は見られず、25円台を割り込み、5月23日には22.50円までさらに下げています。日々、史上最安値を更新する勢いです。

トルコリラ/円(TRY/JPY)とドル/トルコリラ(USD/TRY)の関係

 

ちなみに、細かい話になりますが、マーケットでは、トルコリラ/円なんていう通貨ペアはが存在して、金融機関がその通貨ペアを売買している訳ではありません。

トルコリラ円は、ドル円(USD/JPY)とドルトリコリラ(USD/TRY)の二つの通貨ペアのレートを使って算出された合成通貨ペアです。

計算式は、TRY/JPY = USD/JPY ÷ USD/TRY ですね。

なので、ドル円が下落(ドル安円高)すれば、トルコリラ円も円高になりますし、ドルトリコリラが上昇(ドル高トルコリラ安)になれば、トルコリラ円も円高の方向に進みます。

 

ドル円は、3月末以降、円安トレンドがは発生し、104円台から111円台まで円安が進みました。それにもかかわらず、トルコリラ円は円高に推移しているので、以下にトルコリラが売られている(上図)かが分かりますね。

 

合成通貨ペアについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考下さい。

記事:クロス円とドルストレートの違いは?合成通貨であること知らずトレードは危険!

高いインフレ率と米国との関係悪化

トルコはインフレ率が高止まりしており、2017年には12~13%、2018年でも11%ほどです。

トルコ中央銀行としては、インフレ上昇に伴い、2017年前半に政策金利を7.5%から8.0%に引き上げました。トルコリラの下落や、インフレ率を抑えるためには、政策金利を引き上げる必要があったためです。

しかし、2017年12月には政策金利を8.0%で据え置くことが決まり、投資機関は一様に落胆しています。

トルコ中央銀行にエルドアン大統領が圧力をかけていたのです。

エルドアンス大統領は2018年5月の経済政策説明会で、「景気刺激のために金利引き下げを目指しつつ、物価上昇と通貨安に歯止めをかける」という矛盾した計画を発表し、さらに投資機関を失望させています。

これに対して格付け会社の大手であるフィッチ・レーティングスは、「金融政策の独立性が一段と損なわれており、トルコの国家としての信用力にさらに圧力が加わる」と警告を発表しています。

さらにシリア情勢を巡ってトルコと米国の関係は悪化の一途です。

米国はISISをアフリンから掃討するために、クルド人民兵組織YPG(人民防衛隊)に協力しましたが、YPGは、トルコからの分離独立を唱えテロを頻繁に行ってきた反政府組織PKK(クルド労働者党)と深い繋がりがあります。

2016年7月にトルコ国内でクーデター未遂事件が起こりましたが、その首謀者とされるイスラム教指導者ギュレン師を米国は保護しています。トルコは引き渡しを求めましたが拒否されました。

トルコと米国の関係は悪化。ビザの発給相互停止の他、2018年5月に入って、トランプ政権が課した鉄鋼・アルミニウムへの追加関税に対して報復措置をとるという報道も流れ、さらにトルコリラは下落することになります。

トルコリラの今後の見通し

下落する要因(トルコリラ安)

2015年から長期の下落トレンドにあるため、トルコリラの底値がどこなのか想定しにくい状況です。22円台が底という見方もありますが、ここまでトレンドが続いているだけに見極めは難しいでしょう。まだまだ下落していく可能性もあります。

中東情勢を安定化するためには、米国とトルコの歩み寄りが必要不可欠なのですが、トルコはシリアで伸張するロシアやイランと友好関係を深めており、解決の糸口は見えません。

米国は利上げを続けており、経済情勢が不安視される新興経済国から、リスクの低い米国に資金を移す投資家も多くなっており、ドル高トルコリラ安はしばらく続くのではないでしょうか。

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でもどこかで、いつかは上昇に転じますよね?今が買いのチャンスではないでしょうか?

鈴木(T-ya)鈴木(T-ya)

その考えは非常に危険だよ!ここが底だと買いで入って、結局損切りを余儀なくされた人たちが、トルコリラでは続出しているんだ。今後も同じような悲劇が繰り返されるよ。

上昇する要因(トルコリラ高)

2018年5月23日にトルコ中央銀行は、トルコリラ防衛のために、緊急利上げを実施しました。

エルドアン大統領が金利引き上げに反対のため、トルコ中央銀行は2017年より1週間レポレートによる資金供給を停止し、後期流動性貸出金利に一本化し始めています。今回はこの後期流動性貸出金利を13.5%から16.5%に引き上げたのです。

この処置に対して市場は敏感に反応し、トルコリラ/円は、22.50円から24.20円まで急上昇しました。しかし影響はやや限定的で、その後は売りが強くなり、また22円台に値を戻しています。

ただし、トルコ中央銀行の対応次第で、トルコリラはここから上昇していく可能性もあるということを示しています。

2017年4月に国民投票があり、権限が大統領に集中する憲法改正案が承認されました。トルコは議院内閣制から大統領制に移行することになります。

当初は2019年11月に実施する予定だった大統領選挙ですが、シリア情勢などを理由に、急きょ、2018年6月24日に前倒しとなっています。

はたしてエルドアン大統領の再選はあるのか、選挙結果によっても、トルコリラが上昇する可能性があるのでしょう。

もちろんスワップ金利がとても高い通貨なので、値頃感からの買い注文も多く見込まれます。

上昇するのであれば、為替差益(キャピタルゲイン)、金利利息(インカムゲイン)の両方の利益を得ることができるため、多くの投資家たちがそのチャンスをうかがっているのは間違いないでしょう。

投資初心者投資初心者

買うタイミングはいつがいいでしょうか?

鈴木(T-ya)鈴木(T-ya)

まだまだ不安定要素が大きいので、政局の動向を見極めていきましょう!ここから更に下がれば、個人投資家のロスカットで更に下がる可能性もあるので、慎重に見ていきましょう。

まとめ

トルコ自体はテロの危険性は低下しています。しかし2年間続いている非常事態宣言は7回目の延長が発表されました。隣国シリアへの戦闘も継続中です。さらに米国との通商摩擦が警戒されるようになり、トルコリラは苦しい状態です。

以前からトルコリラ/円でロングポジションを抱えている投資家にとっては、頭の痛い状況が続いています。

ポジションを保有していない投資家にとっても、そろそろ上昇するのではないかと期待しているでしょうし、反面、まだまだ下落の可能性があり、リスクが高いと感じているのではないでしょうか。

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鈴木 拓也

東京工業大学大学院卒。メガバンクの国内・海外支店にて為替ディーラー業務を経験後、独立。現在は、自己資金で投資を行う傍ら、FXを中心とした投資スクールを運営。日本証券アナリスト検定協会会員(CMA)。