
南アフリカランド円のFXスワップ積立はどうでしょうか?

では、南アフリカランド円のスワップ積立を単利と複利に分けて、実際にシミュレーションしてみよう!
FX(外国為替証拠金取引)では為替差益を予測して取り引きするだけでなく、高金利の新興国通貨を買い、その利息を狙っていく「スワップ投資」があります。
今回はBRICSのひとつに数えられる「南アフリカ共和国」の通貨、「南アフリカランド」(ZAR)に注目し、「毎月一定額の積立」を行うことで、どのくらいの利益が期待できるのかをご紹介していきましょう。
・単利と複利でどれくらいの差になるかシミュレーションで分かる
南アフリカランド円の積立のメリット
南アフリカランドを扱うメリットには、メキシコペソ同様、通貨価格が安いという点が挙げられます。
レバレッジ25倍を効かせても米ドルであれば1万通貨で44,000円ほど必要になりますが、南アフリカランドだと1万通貨で3,100円ほどです。南アフリカランドであれば、少額からスワップ投資ができるのです。
実際の南アフリカランドのスワップポイントや為替レートはどのようになっているのでしょうか?
南アフリカの政策金利とスワップポイント
まずは南アフリカの政策金利から確認していきましょう。
2012年7月に5.00%まで引き下げられた後、2014年から段階的な利上げが実施されました。同年1月には5.50%、7月には5.75%、2015年7月には6.00%、11月には6.25%、2016年1月に6.75%、3月には7.00%まで引き上げられています。
しかし、2017年7月には6.75%、2018年3月には6.50%と引き下げられ、2018年11月に6.75%に再び引き上げられて以降は現状維持の状態です。0.10%という超低金利政策を続ける日本よりははるかに高金利であることには変わりはありません。
つまり日本円を売って、南アフリカランドを買えば確実に利息はプラスになるということです。
現時点の各FX会社のスワップポイントを比較していくと、ヒロセ通商、FXプライムby GMO、みんなのFX、LIGHT FXが、「10万通貨で150円」で並んでいます。10万通貨のポジションを保有していると毎日150円の利息を得られるということです。1ヶ月間で4,500円の不労所得になります。
・10万通貨で150円のスワップポイント
最新の南アフリカランド円のスワップポイントについては以下をご覧ください。
記事:南アフリカランド円スワップポイントFX会社比較ランキング
南アフリカランド円の為替相場の動向
続いて南アフリカランド/日本円(ZAR/JPY)の為替相場の動向を確認していきましょう。
南アフリカランドでスワップポイントをプラスにするためには、ロングポジションでなければなりません。ショートポジションだとスワップポイントはマイナスになるので注意してください。
以下は、南アフリカランド円の為替チャートです。
アベノミクス効果もあり2014年11月に1ランド10.7円まで上昇していますが、ここからおよそ2年間下落トレンドが続きました。南アフリカの貿易相手で1位を占める中国の経済が先行き不安に襲われたことが要因に挙げられるでしょう。2016年8月には7.0円まで下落しました。これがここ5年間の高値と安値です。
2017年にアフリカ民族会議(ANC)議長選でラマポーザ氏が勝利したこともあり、経済効果も期待され、2018年1月にかけて9.2円台まで回復しました。しかしボラティリティが高い新興国通貨らしく、9月には7.2円台まで急落します。これはトルコリラの暴落の余波を受けたものでした。12月には8.3円台まで戻しており、大きく上下を繰り返しています。
ただしレンジはだんだんと狭くなってきており、2019年1月に7.3円台まで下落した後は、8.2円台から7.5円台のレンジでの推移です。
このまましばらくもみ合いが続くのか、円高円安のどちらに転じるのか気になるところです。目安のひとつとなるGDP成長率は、2018年が169位の0.78%と低迷。トルコの117位2.56%、メキシコの141位1.99%と比較しても低い状態です。ただし、IMFの予測では2019年のGDP成長率は1.2%と上昇、2020年も1.4%とさらに上昇となっています。
ラマポーザ大統領は500億ランドの経済投資を行っており、IMFの予測通りに経済が健全化されていけば、円安ランド高になり、為替差益も大きく期待できるスワップ投資になるでしょう。
南アフリカランド円の積立のシミュレーション
それでは南アフリカランド/日本円(ZAR/JPY)の積立のシミュレーションを単利投資と複利投資に分けてご紹介していきます。
為替レートは「1ランド7.8円」で固定しました。スワップポイントは「1万通貨で15円」の設定です。
1万通貨の積立だとスワップポイントがあまりに少ないので、10万通貨を毎月買い足していきます。10万通貨だとレバレッジ1倍であれば78万円必要になりますが、レバレッジ25倍を効かせると31,200円です。つまり「毎月31,200円を積立」していくことになります。
・1年間の合計積立金額は374,400円
今回、実際に使用するFX会社は以下です。
単利の場合のシミュレーション
まずは単利運用の場合のシミュレーション結果です。
期間 | ポジション量 | スワップポイント計算 | 年間スワップ総額 |
---|---|---|---|
1ヶ月目 | 10万通貨 | 15円×10Lot×30 | ¥4,500 |
2ヶ月目 | 20万通貨 | 15円×20Lot×30 | ¥9,000 |
3ヶ月目 | 30万通貨 | 15円×30Lot×30 | ¥13,500 |
4ヶ月目 | 40万通貨 | 15円×40Lot×30 | ¥18,000 |
5ヶ月目 | 50万通貨 | 15円×50Lot×30 | ¥22,500 |
6ヶ月目 | 60万通貨 | 15円×60Lot×30 | ¥27,000 |
7ヶ月目 | 70万通貨 | 15円×70Lot×30 | ¥31,500 |
8ヶ月目 | 80万通貨 | 15円×80Lot×30 | ¥36,000 |
9ヶ月目 | 90万通貨 | 15円×90Lot×30 | ¥40,500 |
10ヶ月目 | 100万通貨 | 15円×100Lot×30 | ¥45,000 |
11ヶ月目 | 110万通貨 | 15円×110Lot×30 | ¥49,500 |
12ヶ月目 | 120万通貨 | 15円×120Lot×30 | ¥54,000 |
360日間 | – | 合計スワップポイント | ¥351,000 |
こちらは31,200円を積立して、最初の月のスワップポイントは4,500円ですが、半年もすると60万通貨を保有していることになりますので、1ヶ月で27,000円もスワップポイントを受け取ることができます。
1年後には120万通貨を保有していますから、スワップポイントは54,000円です。さすがに生活費を全額負担できる金額にはなりませんが、54,000円の不労所得があるのとないのでは大きな違いでしょう。
1年間で374,400円を積立したことになり、合計で351,000円のスワップポイントを受け取ることができます。仮に日本の銀行に40万円を定期預金しても、金利が0.01%だと1年間の利息は40円ほどですから、かなり大きな利益といえます。
・1年間のスワップポイント利益合計は351.000円
複利の場合のシミュレーション
一方で複利運用です。こちらも単利投資と同じく毎月10万通貨、31,200円を積立していくのですが、スワップポイントの利益で買えるだけポジションを買い足していきます。南アフリカランドは1万通貨からしか取り扱っていないFX会社もありますし、千通貨のスワップポイントは切り捨てというFX会社もありますので注意してください。
千通貨から取り扱っている「FXプライムby GMO」がおすすめです。今回の設定だと千通貨は312円で購入できます。
以下は、複利の場合のシミュレーション結果です。
期間 | ポジション量 | スワップポイント計算 | 年間スワップ総額 | スワップポイントによる追加分 |
---|---|---|---|---|
1ヶ月目 | 10万通貨 | 15円×10Lot×30 | ¥4,500 | 1.4万通貨 |
2ヶ月目 | 21.4万通貨 | 15円×21.4Lot×30 | ¥9,630 | 3.1万通貨 |
3ヶ月目 | 34.5万通貨 | 15円×34.5Lot×30 | ¥15,525 | 5万通貨 |
4ヶ月目 | 49.5万通貨 | 15円×49.5Lot×30 | ¥22,275 | 7.1万通貨 |
5ヶ月目 | 66.6万通貨 | 15円×66.6Lot×30 | ¥29,970 | 9.6万通貨 |
6ヶ月目 | 86.2万通貨 | 15円×86.2Lot×30 | ¥38,790 | 12.4万通貨 |
7ヶ月目 | 108.6万通貨 | 15円×108.6Lot×30 | ¥48,870 | 15.7万通貨 |
8ヶ月目 | 134.3万通貨 | 15円×134.3Lot×30 | ¥60,435 | 19.4万通貨 |
9ヶ月目 | 163.7万通貨 | 15円×163.7Lot×30 | ¥73,665 | 23.6万通貨 |
10ヶ月目 | 197.3万通貨 | 15円×197.3Lot×30 | ¥88,785 | 28.4万通貨 |
11ヶ月目 | 235.7万通貨 | 15円×235.7Lot×30 | ¥106,065 | 34万通貨 |
12ヶ月目 | 279.7万通貨 | 15円×279.7Lot×30 | ¥125,865 | - |
360日間 | - | 合計スワップポイント | ¥624,621 | - |
最初の月のスワップポイントは4,500円と単利投資と同じですが、この4500円で1.4万通貨を購入し、毎月分の10万通貨と合せて11.4万通貨をこれまでのポジション量に加算します。こうしていくと半年後には、86.2万通貨のポジション量になっており、1ヶ月のスワップポイントは38,790円です。
1年後には279.7万通貨ですから、1ヶ月に125,865円ものスワップポイントを受け取ることができます。こうなるとちょっとしたお小遣いという額ではありません。年間の合計スワップポイントは624,621円です。しかも南アフリカの景気が良くなり、1ランド7円台から9円台に2円ほど円安ランド高になると、およそ550万円の為替利益も期待できます。
・1年間のスワップポイント利益合計は624,621円
※もちろん逆に円高になると含み損を抱えることになりますので、実際の運用はリスク管理を徹底して行い、適度なロット数で実施していく必要があります。
南アフリカランド円のFX積立のまとめ
毎月3万円ほどの積立によって、ここまで高額なスワップポイントを安定して受け取ることができるのには驚きです。
もちろんポジション量が増えるということは、それだけ為替差損のリスクも大きくなりますので注意してください。政治情勢や経済状況にはアンテナを高くしておく必要があるでしょう。
ただしFX積立は投資信託の外貨積立とは違い、途中で雲行きが怪しくなったら簡単にポジションを整理することができます。投資信託のように解約金は発生しません。手数料もかかりませんので、気軽に投資運用ができるのです。
1ランド7円台をつけている今が、南アフリカランド円のFX積立のチャンスかもしれません。南アフリカランド円のFX積立で、ぜひ大切な資産を効率よく増やしていってください。
その他、同じ新興国通貨のトルコリラやメキシコペソのスワップ積立に関しては、以下をご覧ください。



複利運用について
‘スワップポイントの利益で買えるだけポジションを買い足していきます‘
のやり方が分かりません。
ヒロセ通商等に聞いても、「積み立ての様な買い方はありません」と言われてしまいます。
詳しく教えて下さい。
‘スワップポイントの利益で買えるだけポジションを買い足していきます‘
上記は、自分でスワップポイントの利益を確認し、利益分で買える分の建玉を計算し、手動で買いを入れることを意味します。
計算などは、通常のロットの計算と同じなので、以下の記事をご覧ください。
https://fx-megabank.com/high-interest-rates/how/