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豪ドル建て保険は実際どうでしょうか?

鈴木(T-ya)鈴木(T-ya)

それでは、豪ドル建て保険の特徴と、メリット・デメリットを解説していくよ!

将来のことを考えていくと、起こり得るリスクは様々想定されます。ですから、そんなリスクを軽減・回避するための「リスクマネジメント」は大切です。

リスクマネジメントは、リスクの可能性そのものを変える「リスクコントロール」と、リスクが発生した際に経済的損失の影響を軽減させる「リスクファイナンシング」に分けられます。

死亡、病気、怪我に対しての保障を備える「生命保険」や、老後に備える「個人年金保険」は、リスクファイナンシングの柱です。

最近では「外貨建ての保険」が人気ですが、はたして「豪ドル建て保険」のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

<今回の記事で分かること>
・豪ドル建て保険とは何か?
・実際、お得なのか?
・メリットとデメリットは?

 

豪ドル建て保険のメリット

外貨建ての保険といえば、米ドル建て、豪ドル建て、ユーロ建ての3種類ありましたが、EUが低金利の政策を続けているため、現在では米ドル建て、豪ドル建てが主流です。

国内の保険商品と豪ドル建ての保険商品では、何が違うのでしょうか?

日本円建てでは予定利率が低い

保険商品のニーズには、「保証性」と共に「貯蓄性」が挙げられます。

国内の保険商品も以前は高い予定利率(保険会社が約束する運用利回り)を誇り、貯蓄性の面でも優れていました。しかし、運用する国の利率が適用されるため、金融緩和で超低金利が続く日本では、魅力のある貯蓄型保険を提供できなくなってしまったのです。

日本の政策金利が0.10%であるのに対し、オーストラリアの政策金利は1.50%です。長期金利の目安とされる10年国債利回りも、2019年2月24時点で日本がマイナス0.04%に対して、オーストラリアは2.08%と大きな開きがあります。

豪ドルと円の政策金利

つまり予定利率が高い保険商品を提供するためには、豪ドル建てにする必要があるわけです。予定利率が高いために、保険会社は積極的に、力を入れて売り込むことができます。

保険商品において予定利率が高いと、その分だけ割引率も高くなり、保険料は安くなります。予定利率が高くなるほど、解約返戻金も高くなるのでメリットは大きくなるのです。ただし表示される予定利率は商品設計の基礎となる利率で、実際の年利回りは幾分低くなります。

運用目的にも利用できる

保険会社は預かった保険料を安全に運用しなければ、死亡時や満期の際に支払いができなくなってしまいます。ですから確実な資産運用として、その80%近くは国債を選択しているのです。

日本は2016年からマイナス金利に突入しているので、どうしても予定利率は低くなり、保険料は高く、解約返戻金も安くなってしまいます。

つまり豪ドル建ての保険は、貯蓄性の高さから日本円建ての保険商品よりも効率的な運用を期待できるということです。

例えば大手生命保険会社のM生命には、外貨建ての終身保険である「こだわり外貨終身」や、外貨積立の確定年金保険・終身年金保険である「こだわり個人年金(外貨建て)」というプランが用意されています。

積立利率は市場の動向に沿って変動していきますが、最低保証の積立利率は1.50%となっており、2019年3月1日の受付で2.10%の設定になっています。どちらも安定して高い積立利率になることをアピールした保険商品です。

積立の開始当初は、保険会社の人件費や広告費などを含めた保険関係費の割合が高く、初年度だと50%にも及びます。2年目以降は10%ほどに抑えられますが、積立を始めてすぐに解約すると、積立の原資が少ないために解約返戻金は少なくなってしまうので、外貨建てで積立利率が高いといっても注意が必要です。

 

豪ドル建て保険のメリット
・予定利率(保険会社が約束する運用利回り)が通常の保険よりも高い

 

高金利通貨の豪ドル定期預金に興味がある方は、以下の記事もご参考下さい。

記事:豪ドルの外貨定期預金をするならFXの方がお得な3つの理由とは?

豪ドル建て保険のデメリット

保険会社が熱心に勧めてくる豪ドル建ての保険商品ですが、デメリットはないのでしょうか?

豪ドル建ての保険で、注意すべきポイントをお伝えしていきます。

為替差損による元本割れの危険性

やはり一番知っておかなければならないことは、「豪ドル建て保険のメリットは、オーストラリアの金利の高さと円安に支えられている」ということでしょう。

逆に言うと、「オーストラリアの金利が下がり、円高が進むと豪ドル建てのメリットは簡単に吹き飛ぶ」ということです。

日本の金融緩和はしばらく続く様子なので、金融政策によって円高になることはあまり考えられません。問題はオーストラリアの経済状況です。オーストラリアの10年国債利回りは、2016年に一時1.85%まで下落しましたが、その後上昇し、2.95%を突破しています。ただし、2018年11月に2.75%を記録して以降は急落し続けている状況です。再び2.00%を割り込むところまで近づいてきました。

豪ドル/日本円(AUD/JPY)も2018年は1豪ドル83円台をつける時期もありましたが、2019年に入ってからは80円台を割り込んだラインで推移しています。

豪ドル円のチャート

大きな影響を与えているのは、アメリカと中国の貿易紛争が解決していないことですが、このようなリスクオフの状況になると、豪ドル建て保険では期待しているような運用はできません。さらに、この状況下で資金が必要になって途中で解約するようなことがあると、元本割れしてしまう危険性もあります。満期まで期間が長いほど途中解約の損失額は大きくなります。

利益を出すために10年、15年と動かせないということも、豪ドル建て保険のデメリットです。仮に円高が進んでしまい、日本円に替えた際に為替差損で元本割れするのでしたら、豪ドルのまま受け取ることも可能です(保険商品によりますので確認が必要です)。円安に転じた際に日本円に替えるという方法もあります。

保証目的としては弱い

豪ドルで保険料を支払うことになるため、円高が進めば支払額は安くなります。ただし、その状況が続くと、受取額も少なくなってしまいます。もちろん円安が進めば期待以上の運用も可能です。

そう考えてみると、豪ドル建て保険は保険商品としては、ややハイリスク・ハイリターンということが言えるでしょう。もしもの時や、満期の際に安心して保険金を受け取りたいということであれば、豪ドル建て保険はニーズに合っていません。

為替レートによっては元本割れを起こしているリスクがあるからです。つまり保証という面では、豪ドル建て保険は弱いと言えるでしょう。

資金形成がすでにされており、余剰金を分散投資したいということであれば、豪ドル建て保険はピッタリです。年金や子供の学費など決まった額が絶対に必要になる場合は、予定利率が低くても国内の保険商品にするべきです。

なお、外貨建て保険には為替手数料も必要となります。こちらは保険会社によって大きく異なるので、確認すべきです。保険料の支払い時には1豪ドルにつき50銭という保険会社もあれば、半分の25銭という保険会社もあります。また保険金受け取り時にも為替手数料がかかりますが、こちらは50銭という保険会社もあれば、1銭という保険会社もあります。

例えば毎月1万豪ドルの保険料を支払うとして、1豪ドル78円だとすると78,000円の保険料になりますが、手数料が1豪ドル50銭だと、5,000円もかかります。1豪ドル25銭であれば、2,500円で済みます。トータルで大きな違いになりますので、注意してください。

 

豪ドル建て保険のデメリット
・豪ドルの金利低下や為替レートの変動により、運用利回りが大きく変化する
・豪ドルで保険料を支払うことや、為替手数料も発生し、慎重な見極めが必要

豪ドル建て保険も有効に活用しよう

保険制度は、生命保険料控除の対象にもなりますから、節税や資産運用といった面で有効活用したいところですが、保険は何かあった際のリスクマネジメントです。出来る限りリスクは最小限に抑えたいものです。

外貨建て保険は確かにメリットが魅力的ですが、将来のことを考え、「何が目的なのか」「どこまでのリスクにならば耐えられるのか」、よく検討してから保険商品を選ぶべきでしょう。



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