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来年2018年のドル円はどうなるのかな~・・・?

鈴木(T-ya)鈴木(T-ya)

では初心者でも分かりやすく、メガバンク出身のFXトレーダーの目線からドル円の2018年の見通しを説明するよ!

2017年も残すところ残りわずかとなり、投資家・トレーダーの方は2017年の振り返りや反省と、来年2018年に向けての目標を整理されている頃ではないでしょうか。

2017年の為替相場を振り返ると、ドル円の年間変動率は10%未満と、極めて狭いレンジでの推移が続きました。トレーダーの方であれば、大きな値幅を取れず稼げなかった人もいれば、逆に狭いレンジで上手くトレードし利益を出せた方もいるでしょう。

今回の記事では、ドル円を中心に、2017年の振り返りと、来年2018年の見通しについて、メガバンク為替ディーラー出身で、現在は個人FXトレーダーとして活躍する筆者の目線から解説をしていきたいと思います。ドル円に絡み、米金融政策の動向や日銀の金融政策についても取り上げます。

 

2017年ドル円の振り返り

2017年のドル円は、最高値が118円60銭、最安値が107円32銭と、上下11円程度のレンジとなり、2016年の半分程度の値動きにとどまりました。

2016年後半、トランプ大統領勝利後に、ドル円はトランプ政権が掲げた政策への期待から一気に103円から118円台半ばまで上昇しました。しかし、2017年に入ると、トランプ大統領の『保護主義』に対する懸念が今度は高まり、ドルが売られる展開に。そして、仏大統領選挙などの欧州政治リスク不安や、トランプ大統領のロシアゲート問題などからドル売り・円買いの展開となり、ドル円は4月に110円を割り、108円まで下落。

その後、何度か114円台には上昇しましたが、度重なる北朝鮮による地政学的リスクや、トランプ政権運営に対する疑念などから、115円台の壁は突破出来ず、107~114円のレンジでの推移が続きました。

以下、2017年のドル円を上昇させた要因と下落させた要因を簡単に整理しています。

 

ドル円を上昇させた要因(ドル高・円安)
① 米FRBの利上げ(3、6、12月)とB/Sの縮小
② 日銀の金融緩和継続
③ 米国の税制改革への期待
④ 世界的な景気拡大による株高、などなど

 

ドル円を下落させた要因(ドル安・円高)
① 北朝鮮を巡る地政学的リスク
② トランプ政権の政策実施期待の後退
③ ロシアゲート問題に絡む政治不安
④ 世界的な低インフレ、などなど

2018年ドル円の見通し・予想【考察編】

では、2018年のドル円の見通しですが、それを予測する上で、特に重要と思われる以下のポイントをまずはそれぞれ見ていきたいと思います。

<2018年のドル円に影響を与える主なポイント>
① 米FRB金融政策の影響
② 日銀の金融政策の影響
③ 円ショートポジションの積み上がり

① 米FRBの利上げとB/S縮小はドル円の上昇に寄与するか?

皆さんご存知の通り、米国は2015年12月に利上げを開始し、2017年12月までに合計5回の利上げ(他、2016年12月、2017年3月、6月、12月)を実施してきました。

教科書的に見れば、利上げをすれば自国通貨の金利が上昇し、その国の通貨の価値が上がるので、米利上げによりドル円は上昇すると思われるかもしれません。

しかし、実際の為替レートを見ると、必ずしもそうなるとは限らず、2015年以降ではむしろ米国が利上げをすれば、ドル安・円高になっているのが確認出来ます(下図)。

そして、過去の利上げ局面においても、『米利上げ=ドル円の上昇』にはなっていないことが分かります。

では、それはなぜか?これにはマーケットならではの、明確な理由があります。

マーケットは期待を先取りして動く

基本的に、マーケットは常に何かイベントがあれば、その結果を予測し、事前に先取りして動くという習性があります。そして、結果が分かり、予想通りであれば、事前に仕込んだポジションを解消していきます。

なので、米利上げで一番マーケットが動くのは、『FRBが利上げをする前』であり、利上げをした際には、反応はあまりなく、むしろ反動でその逆に相場が動くケースがよく見られます。

実際に、上図のチャートを見ると、ドル円が一番上昇しているのはFRBが利上げを開始してからではなく、利上げを開始する前であったことが分かります。

そして、直近2017年12月のFOMCでも、予想通りFRBは利上げをしましたが、ドル円はドル安円高の展開になりました。

(※もちろん例外もあり、例えばドットチャートの上方修正やタカ派的なコメントが議長から出た場合には、ドル円は上昇します。)

今後の米金融政策の動向は?

 

2017年12月に米FRBは5回目の利上げを実施し、FF金利は1.25~1.50%のレンジで目標設定されました。

また、FOMCメンバーの政策スタンスも、上図『ドットチャート(FOMCメンバーの政策金利見通し)』に示すように、今後も段階的に利上げが実施されていくことが想定されます。

しかし、マーケットはこの利上げサイクルに疑心暗鬼であり、実際に市場の利上げ織り込みもFOMCメンバーの見通しと比べて低い水準になっています。

この一番の大きな要因としては、インフレ率の低迷があります。

 

 

現在、米国の景気は好調であり、失業率も過去最低水準を推移しています。通常であれば、金融緩和により失業率が下がれば、賃金が上昇し、インフレ率が上昇して、それを食い止めるために、FRBは利上げを実施するというのが自然な流れです。

しかし、このインフレ率がどういう訳か中々上昇していないのが、マーケットがFRBの利上げに疑心暗鬼になっている一番の要因です。インフレ系の指標であるコアPCEデフレーターは、2016年10月の1.9%を境に低下基調が続いています。また、コアCPIも1.7%程度で低迷が続いています。

このような中、これ以上利上げをする必要は無いのではないかと言う声が、FOMCメンバーから出ても不思議ではありません。

インフレが低迷している要因には、技術革新などの構造的な背景があるとエコノミスト達の間で言われていますが、原因ははっきりと分かっておらず、FRB自体もこの原因は把握出来ていないようです。

 

米FRBの利上げがドル円に与える影響は?

では、以上を踏まえ、米金融政策がドル円に与える影響についてまとめてみます。

今後も米FRBは利上げを段階的に行っていくことが想定されます。そして、バランスシート(B/S)の縮小が今年より開始されました。

しかし、『米利上げだけを取って、ドル円が上昇する』と予想するのは無理やり感があります。

むしろ、過去の利上げ局面でも、利上げサイクルに入ってしまえばドル高になっていないことや、逆にインフレ低迷から利上げが出来なくなるリスクもあり、そうなると、ドル安からドル円の下落につながる可能性の方が高いのではないかと予想しています。加えて、B/Sの縮小も、場合にはよっては株価の下落に影響を与え、リスクオフから円が買われるケースもあるでしょう。

例外(ドル高なる場合)はどんな時か?

ただし、どんな予想にも例外はあります。

今後、インフレが急激に進んだ場合、米FRBは利上げぺースを拡大する必要がありますので、そうなればマーケットの利上げ織り込みが進んで、ドル円は上昇する可能性が考えられます。

また、短期的には、近くのFOMC前後で、経済指標の内容等により、利上げ期待が高まったり、逆に剥がれたりで、ドル円の上下に影響を与えることはあるでしょう。しかし、ドル円の上昇トレンドにつながる材料になるためには、『インフレの上昇と利上げペースの加速』の条件が必要です。

② 日銀の金融政策のドル円への影響はあるのか?

アベノミクス以降、日銀は異次元金融緩和を実施し、また、2016年にはマイナス金利を導入するなど、ドル円の動向に大きな影響を与えてきました。

しかし、2017年の日銀は沈黙を守り、12月20日・21日の政策会合で何もしなければ、現状維持を貫いた1年となります。

ただ、2018年以降は、日銀にも大きな動きが出る可能性があり、ドル円への影響もありそうです。

注目材料としては以下のポイントが挙げられます。

<2018年に注目すべき日銀のポイント>
(1) 日銀総裁の人事:黒田日銀総裁は続投・交代?
(2)出口に向けて、国債買い入れペースを変更するか?
(3)ETFの購入額を変更するか?

(1)黒田日銀総裁は続投か・交代か?

最初の注目材料は、日銀総裁の人事がどうなるかです。

黒田総裁の任期は2018年4月で終わりますので、そのまま続投するのか、他の方が新しい日銀総裁になるのかが注目されています。

ちなみに、過去50年の日銀総裁(10名)は、全員1期で交代しており、まだどうなるか分かりませんが、新しい総裁が決まるのではないかと見られています。

その際、2018年の2月頃には新しい人事の発表がされるとみられていますので、国債の利回り変動を通じて、ドル円へも一定の影響が考えられます。

(2)国債買い入れペースを変更するか?

そして、FXトレーダーにとって一番の関心事は、今後日銀は今の異次元緩和をいつ止める出口に向かうのかということでしょう。

現在、日銀は国債を年間80兆円程度のペースで買入れを続けており(実際はもっと少ない)、いつかは買入れ額を減らし、金融緩和からの脱却を目指さなければいけません。その際に考えられるドル円への影響は、円金利の上昇に伴う円高(ドル円の下落)です。

一向に上がらない日本のインフレ率ですが、このまま金融緩和を続け、低金利を維持するのは、金融機関の収益を逼迫させむしろ経済に悪影響であることや、リーマンショック級のイベントが起きた時に策がないことになってしまうので、日銀は早い段階で出口を模索しなければいけません。

その手掛かりになるタイミングが、2018年にも分かる可能性があるのです。

(3)ETFの購入額を変更するか?

そして、もう一つの注目ポイントはETFの買入れ額を変更するかどうかです。

ドル円の値動きには直接関係はないかもしれませんが、現在日銀が行っているEFT6兆円の買入れは、マーケット規模に対して大きすぎます。

このまま続けてしまうと、日銀の株式保有率がどんどん高まってしまうので、いずれかのタイミングで減らさないといけません。

その際に、マーケットは株価下落、そして、リスクオフから円が買われる可能性があります。

③ 円ショートポジションの積み上がり

最後の注目材料は、円ショートポジションの積み上がりです。

実は、結構マーケットでは注目されているのですが、CMEの円ポジションを見ると、正味でショートのポジションが過去最高水準まで積み上がっている状況が続いています。

つまり、投資家が将来の円安を望んで、円売りを仕掛けていることが分かります。

しかし注目するべきは、投資家が一斉に円売りを行っているにも関わらず、ドル円が115円台の壁に阻まれ、一向に上昇出来ていないことです。普通であれば、投資家の円売りポジションが溜まれば、為替も円安に動くのが一般的です。

これには様々な要因が考えられますが、2018年に意識しなければいけないのは、このポジションの巻き戻しです。つまり、何らかの材料でドル安・円高トレンドが発生すれば、投資家がポジションの解消に走り、円高圧力が強まる展開が想定されます。

もちろん、このまま更に円ショートが積み上がって、ドル円が上昇していく展開も考えられますが、一旦はポジション解消による円高をリスクとして押さえておきたいところです。

2018年ドル円の見通し・予想【結論】

以上を踏まえた2018年のドル円の見通しですが、ドル円が115円台を抜けて117、118円を突き抜けていくには、米政権の税制改革や財政政策などによる景気急回復など、新しい材料が必要であるため、ドル円はドル安・円高地合いを想定しております。

ドル円は上昇しても、116円程度で、むしろ、①米FRB金融政策やインフレ率の状況、②日銀の金融政策の影響、③円ショートポジションの積み上がり、などから、円高のリスクが高く、トランプラリーが始まる前の105円程度まで円高が進むかもしれません。

2018年のドル円予想レンジ(※1/14時点)

 105円~116円 年後半にかけて上値を切り下げていく展開を予想

※注)現時点での予想であり、今後新たな材料が出たり、環境が変われば、予想は変更いたします。

2018年、FXで稼ぐため必要なことは?

初心者初心者

なるほど~ 確かに、こうやって見ると、円高のリスクが高そうですよね。北朝鮮問題も解決してないですし、ロシア問題もありますし。。。ちなみに、2018年はどのようにトレードしていけばFXで稼げますか?2017年は難しかったです(涙)

鈴木(T-ya)鈴木(T-ya)

2017年も値幅は狭かったけど、正しいトレードスキルがしっかりとあれば、サクサク稼げる相場だったと思うよ。例えばだけど、下図チャートのように、ゾーンでレンジ帯が上手く見えて適切な手法を使ってトレードすれば、狭いレンジでも利益がとれちゃう。ただ、アベノミクスの時みたいに大きなトレンドが出ていなかったから、初心者の方には難しかったかもしれないね。

 

初心者初心者

FXで稼げる力を身に付けたいんですけど、おすすめの学習方法はありますか?

鈴木(T-ya)鈴木(T-ya)

もし本格的にFXで稼ぐスキル・知識を身に付けたければ、『FXトレーディングカレッジ(完全無料)』がおススメだよ!多くの人が、このプログラムでトレードスキルを磨いていますよ!

ちなみに、個人的には来年の注目はEUR(ユーロ)!今年も強かったけど、来年以降も色々イベントがあるし、今から仕込んでいるところだよ!ユーロやポンドなどについては、また別の機会に時間があったら説明するよ!







 

最後に

以上、いかがだったでしょうか。

本当は、この何倍もドル円の見通しを考える上で考察しなければいけないのですが、全てを説明すると長編のレポートになってしまうので、ポイントだけをしぼって説明をしています。

あと、注意したいのは、私たちトレーダーにとって大切なのは『FXで利益を上げる』ことであり、そのためにはいくら大きな流れの予想・見通しがあっても、それを日々のトレーディングに上手く落とし込めなければ意味がありません。

特にスキャル、デイトレ、スイング主体のトレードを行う場合には、予想・見通しはあくまでコンパスのようなもので、それとは別の視点で、日々のトレードを行っていくようにしましょう。

 

筆者プロフィール

・FXトレーダー T-ya
・国立大学大学院を修了後、大手メガバンクに就職
・本店、海外支店にて為替ディーラー業務を担当し、数百億規模のディールを執行
・公益社団法人 日本証券アナリスト検定協会会員
・国内No1のFX無料学習コンテンツ『FXトレーディングカレッジ』を運営

 

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鈴木 拓也

東京工業大学大学院卒。メガバンクの国内・海外支店にて為替ディーラー業務を経験後、独立。現在は、自己資金で投資を行う傍ら、FXを中心とした投資スクールを運営。日本証券アナリスト検定協会会員(CMA)。