こんな疑問を解決!
- ローソク足とは?
- ローソク足のパターンや種類は?
- ローソク足のシグナルとは?
ローソク足は全ての投資家の思惑が反映された最高のツールです。
ローソク足の形やパターンを読み解くことで、今後の値動きの予想が可能となります。
今回の記事では、現役プロがローソク足の見方やパターン・組み合わせの種類、売買シグナルについて徹底解説します。
この記事を最後まで読むことで、初心者の方でもローソク足について理解でき、面白いくらいにチャートを分析して利益を上げることが出来るようになります。
なお、当サイトで説明している内容は、FXだけではなく、株や仮想通貨など、あらゆる投資で有効です。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
ローソク足パターンを動画で学ぶ
ローソク足の見方やパターンについて動画(約22分)で解説していますので、視聴できる方はご覧ください。
動画が見れない方はスキップして、文章でも学んでいくことができますよ。
ローソク足とは
ローソク足とは、一定期間内の価格の推移を1本のローソクの形で示したもので、1本で4つの意味を表現します。
一定期間内で、はじめてついた価格が「始値(はじめね)」、最も安い価格が「安値(やすね)」、最も高い価格が「高値(たかね)」、最後についた価格が「終値(おわりね)」です。
なお、ローソクのパーツの名称についてはローソクの太い部分を実体、実体の上や下に伸びている細い線をヒゲと呼びます。
ローソク足の見方
始値より終値の方が高い場合を陽線(ようせん)、始値より終値の方が低い場合を陰線(いんせん)と呼びます。
陽線と陰線
- 陽線:始値が終値よりも低い形
- 陰線:終値が始値よりも低い形
陽線の作られ方を例にしてその構造を見てみましょう。
始値が100円のレートからスタートしてから、一度下落して99円の安値をつけて、その後上昇して103円の高値をつけ、終値は102円だと下図のような陽線になります。為替レートは上昇したことを示しています。
一方で陰線はどのような構造になっているのでしょうか。
始値が102円、一端上昇して103円の高値をつけてから下落し、一時99円という安値をつけて最後にやや回復し終値が100円となったのが下図の陰線です。為替レートは下落したことを示しています。
ローソク足の期間
ローソク足1本の期間の種類には、1分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、8時間足、日足、週足、月足と様々な期間があります。
FX初心者であれば、種類が多くて、どの期間のローソク足を参考にすればいいのか悩むところではないでしょうか?
結論から言えば、ローソク足の見るべき時間足は、あなたがどのトレードスタイルを採用するかによって変わります。
トレードスタイル | 上位足 | 下位足 |
---|---|---|
スキャルピング | 1時間足、30分足 | 5分足、1分足 |
デイトレード | 日足・4時間足・1時間足 | 15分足、5分足 |
スイングトレード | 週足、日足 | 4時間足、1時間足 |
長期トレード | 月足、週足 | 日足 |
どのトレードスタイルにしても、上位足で全体のトレンド状況を確認し、下位足でエントリータイミングをはかるのが定石となります。
記事:FXでローソク足チャートは何分足・何時間足の期間がおすすめ?
記事:マルチタイムフレーム分析とは?FXで複数の時間足を分析するやり方
ローソク足の単体パターン一覧
ローソク足には単体のパターンと、複数のローソク足からなる組み合わせのパターンがあります。
まずは、ローソク足単体のパターンの種類について解説します。
ローソク足のパターン種類
- ①大陽線
- ②大陰線
- ③小陽線
- ④小陰線
- ⑤上影陽線
- ⑥上影陰線
- ⑦下影陽線
- ⑧下影陰線
大陽線
大陽線は実体が長い陽線のことで、買いの勢いが強く、上昇トレンド継続や、安値圏で発生すると下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示すポイントになります。
大陽線となるとかなり強い上昇トレンドが発生していると認識してください。
大陰線
大陰線は実体が長い陰線のことで、大陽線の反対ですから売りの勢いが強く、下降トレンドの継続や、高値圏で発生すると上昇トレンドから下落トレンドへ転換を示しています。
かなり強い下落トレンドが発生しているのです。
大陽線と大陰線のチャート
実際のチャートで確認してみると、下落トレンドの後に、直前の大陰線を打ち消すほどの大陽線が発生し、トレンドは転換期を迎えています。
底値での反転パターンですから、買いと売りのどちらが勝てる可能性が高いかというと、買いです。
その先を見てみると、2箇所で大陰線が発生しています。
やはり直前の陽線を打ち消すほどの長い大陰線ですので、反転パターンになります。
1回目の大陰線で下落トレンドに転じ、2回目の大陰線は継続のシグナルになりますから、下落トレンドがより強まったというわけです。このようにローソク足を見ていくだけでも現在の投資家らの思惑が、上昇なのか下落なのか予測することができます。
小陽線
小陽線は実体もヒゲも短い陽線のことで、コマとも呼ばれます。
小陽線はもみ合いとなっているレンジ相場によく登場し、買いか売りか相場の迷いを示しています。
ですから小陽線がたくさん登場しているような場合は、この先上昇するのか下落するのが予測することが難しくなります。
つまり、取引を控えるのが無難ということです。
小陰線
小陰線は実体もヒゲも短い陰線で、小陽線と同じように相場の迷いを示しているシグナルです。
こちらもコマと呼ばれており、小陰線が多く確認できる際はトレンドが無いので、取引を控えて様子見するのがお勧めです。
小陽線と小陰線のチャート
上のチャートを確認すると、小陽線と小陰線が多数発生しており、買いと売りが拮抗してレンジ相場になっているのが分かります。
こういうケースで一番避けたいのは、レンジ相場でエントリーを繰り返し、損切りが続くというものです。
予測が立てにくいので負けやすいですから、取引を控えて様子見に徹するのが得策なのです。
そして明確なトレンドが発生してからエントリーするようにすると、無駄な負けを減らし、勝率の高い取引を多くすることができます。
上影陽線
上影陽線は上にヒゲが長い陽線のことで、相場の動きとしては、上昇トレンドだったものの、それを打ち消すほどの大きな売りが最終的に発生していることを示しています。
高値圏で上影陽線を発見した場合は、下落トレンドへの転換のシグナルとなるのです。
上影陰線
上影陰線も上にヒゲが長い陰線のことで、長い上ヒゲから強い売り圧力がかかっていることを示しています。
上影陰線が高値圏で発生した場合は、上影陽線と同様に下落トレンドへの転換のシグナルとなります。
上影陽線と上影陰線には類似形がありますが、意味することはどれも同じで、強い売り圧力がかかっているため、下落トレンドへのシグナルです。
下影陽線
下影陽線は下ヒゲが長い陽線で、相場の動きとしては、一端下落したものの、それを打ち消すほどの強い買い圧力がかかって上昇していることを示しています。
下影陰線が安値圏で発生した場合には、上昇トレンドへの転換のシグナルとなります。
下影陰線
下影陰線も下ヒゲが長い陰線で、下影陽線と同様に下落幅が大きいにもかかわらず、それを打ち消す買い圧力が起きていることを示しています。
やはり安値圏で発生した場合は、上昇トレンドへの転換シグナルとなるわけです。
上影陽線や上影陰線と同じように類似形があり、どれも同じ相場の動きを示しています。強い買い圧力のため、上昇トレンド発生のシグナルです。
ローソク足の組み合わせパターン一覧
ここまではローソク足単独で相場の動きを予測してきましたが、ここから先は、複数のローソク足を組み合わせたパターンとシグナルを確認していきましょう。
ローソク足の組み合わせ一覧
- ⑨スパイクハイ
- ⑩スパイクロー
- ⑪包み足(陽線)
- ⑫包み足(陰線)
- ⑬スラストアップ
- ⑭スラストダウン
スパイクハイ
スパイクハイとは上昇トレンドの最終局面で、長い上ヒゲが発生すると下落トレンドへの転換を示すシグナルになります。
長い上ヒゲであればどのようなローソク足でも同じ意味です。
スパイクロー
スパイクローとはスパイクハイの真逆で、下落トレンドの最終局面にて長い下ヒゲが発生すると上昇トレンドへの転換シグナルとなります。
こちらも長い下ヒゲにはいくつか種類がありますが、どれも同じ意味になります。
スパイクハイとスパイクローのチャート
実際のチャートで確認していくと、真ん中の山にスパイクハイが見つかります。
長い上ヒゲは売り圧力が強まったことを示していて、その後、しばらく下落トレンドが継続します。
次に、谷底にスパイクローが発生しており、下ヒゲが長くなっているのは買い圧力が強まっていることを示し、トレンド転換して上昇しています。
スラストアップ
スラストアップとは、陽線があり、その高値を次の陽線が越えて確定した状態です。
こちらはこれまで上昇トレンドだったのが、買いの圧力がさらに強まり、まだまだ上昇していく可能性を示しています。
スラストダウン
スラストダウンは、逆に最初は陰線で、その安値を次の陰線が更新して確定した状態です。
売りの圧力がさらに強まっているため、下落トレンドが続き、まだまだ下落していく可能性を示しています。
スラストアップとスラストダウンのチャート
実際のチャートで確認してみましょう。右側にスラストアップが発生しています。
一本目のローソク足の高値を越えて、次のローソク足の陽線を越えている状態です。
高値を結んだレジスタンスラインが確認でき、ここで強い売り圧力が発生していたのですが、スラストアップでブレイクスルーしたため、とても強い上昇トレンドとなっていることがわかります。
包み足(陽線)
包み足(陽線)は、まず陰線が登場し、次の陽線がその陰線の高値と安値を包み込んだ形です。
条件としてはひとつ前のローソク足の始値を実体で超えている必要があり、ヒゲで超えていても包み足とは言えません。
あくまでもローソク足の実体で判断してください。
こちらの包み足の状態になった場合は、1本目の陰線の下落分を打ち消すほどの強い買い圧力がかかっていることから、下落トレンドから反転し、上昇トレンドが発生したことを示しています。
包み足(陰線)
包み足(陰線)は、もともと上昇トレンドにあり、まずは陽線が登場して、次の陰線がその陽線の高値と安値を包み込んだ形になります。
包み足(陽線)と同じ条件が必要で、次のローソク足の実体が陽線の始値を超えていなければなりませんので、ヒゲで包み込んでいても包み足とは呼びません。
こちらは上昇トレンドから下落トレンドへの転換を示すシグナルです。
包み足のチャート
では、実際のチャートで見てみると、真ん中に包み足(陰線)が発見できます。
この長い陰線は、ひとつ前だけでなく、ふたつ前のローソク足まで包み込んでいます。
上昇トレンドが一端上値を伸ばしたものの、かなり強い売り圧力がかかって下落トレンドに転換しています。
その先には、包み足(陽線)があります。
こちらの長い陽線は3本分のローソク足を包み込んでいる状態で、安値を更新したものの、そこからかなり強い買い圧力がかかって上昇トレンドに転換しています。
ローソク足パターンのまとめ
ここまでご紹介してきたように、ローソク足は時間ごとの売買・値動きの様子を視覚的に表示したものです。
全投資家の思惑が反映された最高のツールで、ローソク足を分析するだけでも値動きの予測が可能となっています。
ただし、ローソク足だけを分析するよりもさらに確率を高めるため、他のテクニカルインジケーターと組み合わせていくのがお勧めです。
そうすることでこれまで以上の勝率アップを可能します。
記事:【鉄板】FXチャートパターン全16種類の一覧とトレード戦略
記事:FXプライスアクション一覧!シグナルの意味とトレード手法
宜しくお願い致します。
お世話になります。
スラストアップは、前のローソク足を次のローソク足が高値・安値を上まわって、上にある
状態ですか?
それとも、例示のスラストアップの様に、前のローソク足に下髭がない場合を特別にスラストアップと言うのですか?
次のロウソク足の実体が前のロウソク足の高値を上回って確定していればいいのでは?