こんな疑問を解決!
- 海外FX口座はどこがおすすめ?
- 海外FXのリスクやデメリットは?
- 海外FXの税金はどうなっているの?
「FXを始めるなら海外FXがおすすめ!」
ネットやSNSなどでこのような情報を得て、海外FXで口座開設を検討している方も多いのではないでしょうか?
結論から申し上げると、海外FX業者は一部の優良先を除いて詐欺や出金できないなどのトラブルも多く、全くおすすめできません。
海外在住などの何か特別な理由がない限り、わざわざ海外口座を利用するメリットはないどころか、デメリットの方が多いぐらいです。
そこで今回は、海外FX口座で取引するデメリットや、海外より国内口座をおすすめする理由を紹介します。
メガバンク出身の現役プロトレーダーの目線で解説しますので、正確な情報を得るようにしましょう。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
海外FXによくある勘違い
海外FXによくある勘違いを動画で解説していますので、ご覧ください。
もし動画が見れない方も、記事にて文章でも解説しています。
海外FX口座のデメリット6つ
口座を開設するだけで特典がもらえるからと、安易に海外口座に手を出すことはおすすめできません。
海外FX業者の口座を使うリスクを見ていきましょう。
海外FX業者のデメリット6つ
- スプレッド(手数料)が広い
- 税率が最大55%と高い
- 金融庁から注意喚起がされている
- 口座への出金・入金方法が複雑
- 企業倒産による返金されないリスク
- 日本語サポートが不十分
スプレッド(手数料)が広い
海外のFX業者は国内のFX業者に比べて、基本的にスプレッドが広いです。
スプレッドは買値と売値のレート差で、実質的な売買手数料です。スプレッドが広いということは、取引手数料が高いということになり、これは海外FX業者の大きなデメリットです。
どれくらい差があるかというと、米ドル円で比較した時に、国内FX業者では0.1~0.2銭が主流ですが、海外FX業者では1.4〜1.6銭の会社が多いです。
仮に1万通貨(1万米ドル)で取引した場合、国内FX業者の手数料は10~20円ですが、海外FX業者では140円~160円と十倍近い差があります。
国内FX | 海外FX | |
---|---|---|
スプレッド | 0.1~0.2銭(米ドル円) | 1.4~1.6銭(米ドル円) |
1万通貨のコスト | 10~20円 | 140~160円 |
10万通貨のコスト | 100~200円 | 1,400~1,600円 |
100万通貨のコスト | 1,000~2,000円 | 14,000~16,000円 |
塵も積もれば山となりますので、わざわざ手数料の安い国内業者を選ばずに、手数料の高い海外業者を選ぶ必要はないでしょう。
国内FX会社のスプレッド比較表は以下をご覧ください。
税率が最大55%と高い
税金面を比較すると、国内FXではどんなに稼いでも一律約20%と非常に低いですが、海外FXは累進課税制度なので最大55%と利益の半分以上が税金で消えます。
例えば、1億円の利益がFXで出た場合、国内FXであれば2,000万円の税金ですが、海外FXでは5,500万円の税金となります。
利益に応じた海外FXの税率は以下の通りです。
課税所得金額 | 税率 | 税率内訳 |
---|---|---|
195万円以下 | 15% | 所得税5%+住民税10% |
195万円超~330万円以下 | 20% | 所得税10%+住民税10% |
330万円超~695万円以下 | 30% | 所得税20%+住民税10% |
695万円超~900万円以下 | 33% | 所得税23%+住民税10% |
900万円超~1,800万円以下 | 43% | 所得税33%+住民税10% |
1,800万円超~4,000万円以下 | 50% | 所得税40%+住民税10% |
4,000万円超~ | 55% | 所得税45%+住民税10% |
もしあなたが将来、FXで資産1億円以上を本気で目指すのであれば、国内FXを使った方が圧倒的に近道というわけです。
また、細かいところでは、海外口座で得た利益は総合課税で計算するため、給与所得などと合算しなければいけません。
なので、給与が高い会社員の方ほど、FXの利益と合算されて税率も高くなってしまいます。
また、国内業者なら3年間損失を繰り越せるため、損した翌年の税金を低く抑えることができます。一方、海外業者で取引した場合は、損失を繰り越すことはできません。
脱税は必ずばれる
ちなみに海外FXであれば、「税金を払わなくてもバレないのでは?」と考えた方もいるでしょう。
結論から言えば、海外FX口座であろうと、脱税は必ずバレますので、絶対に止めた方が良いです。
国税庁の調査能力は、国内だけではなく、海外の徴税機関とも連携して調査を行うことができますので、利益を完全に隠すことは不可能と考えて下さい。
さらに、脱税がバレれば、最初に税金を払った時よりも、はるかに多い懲罰税などが課されてしまいますので、利益はほぼ消えてしまいます。
金融庁から注意喚起がされている
また、そもそもの話ですが、金融庁に登録せずに国内営業している海外FXは違法となります。
優良な海外FXももちろんありますが、中には入金したのに出金できない事件や連絡がつかなくなる悪質なケースも起きているので注意が必要です。
金融商品取引法に基づく登録を受けていない海外所在業者が、インターネットに日本語ホームページを開設する等により、外国為替証拠金取引(FX取引)や有価証券投資等の勧誘を行っている例が見受けられます。
また最近、海外所在の無登録業者とバイナリーオプション取引を行い、出金に応じてもらえないなどのトラブルになっている例も見られます。
日本で登録を受けずに金融商品取引業を行うことは違法です。取引を行う前に取引の相手が登録を受けているかこちらで確認して、無登録の海外所在業者との取引は行わないよう、注意してください。
引用元:金融庁ホームページ
口座への出金・入金方法が複雑
普通に日本のFX業者を利用していれば、入出金の際に悩むことも不便に思うこともありません。
一方、海外のFX口座への入出金は非常に複雑です。
また、手数料も無視できません。
各海外FX業者が対応できる出金・入金方法や、それに伴う手数料の詳細は省きますが、一覧で詳しくまとめて入出金方法の説明をしないと理解できない複雑さです。
万が一パソコンに慣れていない方が送金してしまうと、資金を回収できなくなるなどもリスクも発生します。
企業倒産による返金されないリスク
顧客から預かった資産をどのように管理しているのか?
国内FXであれば後ほど説明しますが、顧客資産は信託銀行などで別管理されていますので、万が一国内FXが倒産しても顧客資産は全額保護されています。
しかし、海外のFX業者は企業により様々です。
そのため、万が一資金を預けているFX業者が倒産してしまうと、資金が返還されない可能性があります。
すべての海外FX業者が該当するわけではありませんが、わざわざこんなリスクを背負って海外口座で取引する必要はありません。
日本語サポートが不十分
海外FX業者を利用する際に、最も不安なことは言語の問題ではないでしょうか。
日本語サポートが不十分な海外業者にストレスを感じて、口座を開設しただけで放置したり、そもそも口座開設中に断念してしまう人もいるかもしれません。
日本語サポートが不十分なことも、海外FX業者を利用する際の大きなデメリットでしょう。当然、国内の業者なら、こんなことに悩まされることはありません。
海外FX口座のメリット3つ
ただ、海外FX口座にも少なからずメリットはあります。
それは、以下の3つです。
海外FX口座の良い点
- 海外居住者は日本の税率は関係なし
- 利益額が少ない場合、税率が国内FXより低くなる
- ゼロカット(借金を背負わない)がある
海外居住者は日本の税率は関係なし
海外FXは税率が最大55%と説明しましたが、もちろん日本に済んでいない海外居住者であればこの点は関係ありません。
また、海外居住者の場合は、国内FX口座が開設できないなどの問題もあるため、必然的に海外FXを使うことになります。
利益額が少ない場合、税率が国内FXより低くなる
また、海外FXの税率は利益が大きくなればそれに応じて増えますが、利益が少ない場合は税率も低いです。
なので、給与等も含めた課税所得が195万円以下の方であれば、海外FXの方が有利になります。
ゼロカット(借金を背負わない)がある
海外FX業者の中には、相場が急変動してロスカットが間に合わない場合、証拠金以上の損を取り消す「ゼロカット」という制度を用意している会社もあります。
ただ、リスクを抑えて健全な運用をしている限り、この制度を使う事はほぼ無いと言えます。
記事:ゼロカットシステムに潜むデメリット!追証との違いや国内FXに無い理由
FXなら国内口座をおすすめする理由
海外FX業者を利用するリスクを見ただけで、すでに海外口座への興味が薄れていることでしょう。
さらに今から紹介する国内FX業者をおすすめする理由を見れば、わざわざ複雑な海外FX口座を選択することもなくなるはずです。
国内FXのおすすめ理由
- スプレッドが狭く有利
- 基本的なサービスが明快で安心
- 顧客資産は完全別管理で保証
スプレッドが狭く有利
先ほど紹介したように、海外FX業者よりも、国内FX業者の方がスプレッドが狭いです。
要するに取引手数料が安いということですね。
このスプレッドが狭い環境が整っているからこそ、デイトレードやスキャルピングで利益を得ることができるのです。
海外口座でスキャルピングをするメリットなんて一つもありませんからね。
基本的なサービスが明快で安心
国内FX業者を利用すれば、基本的なサービスを利用してストレスを感じることはほとんどありません。
入金や出金方法に悩むことなく、手数料無料でスピーディーに実行されます。
トレードシステムも当然日本語対応されているし、問い合わせも日本語対応です。
何かのバグがあったとしても、多くの人が利用しているため、SNSで検索すれば速やかに状況を把握できます。
日本に住んでいて、多くの日本居住者のために考えられた品質の高いサービスを利用できるのに、わざわざ複雑な海外口座を選んでストレスをためる必要はありません。
顧客資産は完全別管理で保証
顧客から預かった資産管理の方法がバラバラな海外FX業者と違い、国内FX業者は信託保全が義務化されています。これに反する業者は国内で営業できません。
顧客から預かった資産は、信託銀行などに保管されているため、国内FX業者が破綻したとしても資産は守られます。
万が一の時の絶対的な安心感こそが、国内FX業者をおすすめする最大の理由です。
トレードで資産を失うのは受け入れることができても、全く自分に非がないことで、ある日突然運用資金が消えてしまうなんて、到底受け入れられませんからね。
素直に安心の国内FX口座で取引しよう
入出金などの基本的なサービスや倒産リスク、どれだけ稼いでも一律約20%の税金に、万が一損を出しても3年間繰り越せる…。
ここまで読んで分かる通り、FX取引をするのにわざわざ海外口座を利用するメリットはありません。
口座開設の特典欲しさに安易に海外FX口座に手を出すと、高い確率で後悔することになるでしょう。
素直に安心の国内FX口座で取引することをおすすめします。
おすすめの国内FX会社は【FX口座・会社おすすめはここ!】をご覧ください。