こんな疑問を解決!

  • 海外FX業者のゼロカットシステムとは?
  • 追証とゼロカットシステムの違いは?
  • ゼロカットシステムのデメリットは?

「海外FX会社にはゼロカットシステムがあるから安心!」

このような質問や意見を多々頂きます。

本当にゼロカットシステムは安心・安全で、裏にデメリットはないのでしょうか?

結論から言えば、ゼロカットシステムにはほとんど意味が無く、むしろデメリットの方が大きいと言えます。

今回の記事では、メガバンク出身の現役プロがゼロカットシステムの仕組みとデメリットを解説していきます。

ゼロカットシステムに頼った時点でFXで成功するのは難しいと言えますので、FX初心者の方は誤った情報に惑わされないようにしましょう。

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也

  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
  • 東京工業大学大学院修士課程修了
  • 三井住友銀行の本店・香港支店にて為替ディーラー業務に従事し、投資家/経営者に転身
  • FXや米株インデックス、高配当株などで運用する億投資家
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など

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海外FXのゼロカットシステムとは

ゼロカットシステムとは、証拠金以上の損失が発生して口座残高がマイナスになった場合、超過したマイナス分を取り消してゼロにしてくれる仕組みのことです。

例えば、100万円をFX会社に預けて取引を行い、-130万円の損失が発生した場合、―30万円の部分は帳消しとなります。

損失自体が無しになるわけではないので、預けた資金の100万円は溶けて0円になります。

ゼロカットシステムは海外FX会社で採用されており、国内のFX会社にはありません。

なので、国内FXで証拠金以上の損が出た場合、借金返済としてマイナスの金額をFX会社に支払う必要があります。

記事:FXでなぜ借金をするか?3つの仕組みと借金地獄をしない対策

 

これだけ聞くとゼロカットシステムはかなり有利なように感じます。

しかし、後で解説する通り、そもそもゼロカットシステムの前にロスカットが発動しますし、ロスカット前に自分で損切りはFXの基本中の基本なので、ほとんど意味の無いものと言えます。

追証とゼロカットシステムの違い

似たような制度に「追証(おいしょう)」(マージンコール)がありますが、ゼロカットシステムとは意味が異なります。

追証とは、含み損が一定の割合になると、追加の証拠金の入金が必要になる制度のことです。

追証が発動してから定められた期日までに入金をしないと、含み損を抱えた建玉が強制的に決済になります。

例えば、100万円の証拠金で含み損が-55万円になり追証が発動すると、期日までに追加で入金をしなければ建玉が強制的に決済になります。(※厳密には追証の判定は証拠金維持率でなされ、判定水準はFX会社により異なります)。

決済後は損が確定するので、証拠金は100万円→45万円と減ります。

なので、追加の入金は建玉を維持するためのものなので、借金を返済するものではありません。

ちなみに、海外FX会社には追証はありませんが、次に説明するロスカットがあります。

 

追証(おいしょう)や証拠金維持率について詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。

記事:FXのロスカットとマージンコール、証拠金維持率とは?を解説

ロスカットとゼロカットシステムの違い

ロスカットとは含み損が一定の水準を超えると、有無を言わせず建玉が強制的に決済になる仕組みのことです。

国内FX会社の場合は、追証が最初に発動しますので、追証を無視して入金しなかった場合や、期日前に含み損が更に膨らんで一定の水準を超えた場合にロスカットが発動します。

ロスカットが発動すると、元の証拠金はほとんど無くなりますが、ゼロやマイナスになることはありません。

下図の具体例のように、追証発動後に更に含み損が膨らむと、強制ロスカットで-80万円の損が確定し、証拠金20万円が残ります。

海外FX会社の場合は、追証がありませんので、含み損が膨らんで証拠金が減るといきなりロスカットが発動して損が確定します。

こちらも同じように、証拠金が80万円減って、残りが20万円となります。

ここまで説明してもうお気づきだと思いますが、証拠金がマイナスになる前に追証やロスカットが発動し、FX会社は証拠金がマイナスにならないようにしているので、ゼロカットシステムの恩恵を受けることはほとんどありません。

また、そもそもですが、為替レートが予想した方向に動き根拠が崩れた時点で、自分で損切りをするのはFXの資金管理の基本中の基本と言えます。

「ゼロカットシステムがあるから安心」ではなく、自分で損切りをしないで資金管理ができない人は、FXで稼いでいくことは難しいと言えます。

ゼロカットシステムが発動するケース

ゼロカットシステムの前にロスカットがあるので証拠金は0円以下にはならないと説明しましたが、例外もあります。

それは、為替レートが一瞬で大きく急激に動き、ロスカットが間に合わないケースです。

マーケットが予想もしていなかった戦争や自然災害、中央銀行の政策決定などがなされた場合、為替レートが急変動する可能性はゼロではありません。

ゼロカットシステムが発動するケース

  • 中央銀行のサプライズ的な政策決定
  • 戦争などの地政学的リスク
  • 自然災害 など

 

その場合、ロスカットが間に合わずに証拠金がマイナスになる可能性はあります。

ただ、上記はそうそう起こることではありませんし、資金管理を徹底してこまめに損切りをしていれば心配する必要はありません。

また、後で解説する通り、滅多に起きないゼロカットシステムで受けられる恩恵よりも、ゼロカットシステムを受けるために投資家が払う代償の方が大きいのです。

ゼロカットシステムが海外FXにしかない理由

ゼロカットシステムは国内FX会社には存在しなく、海外FX会社にしかありません。

その理由は、国内の法律でゼロカットシステムが禁止されているためです。

第三十八条の二 金融商品取引業者等は、その行う投資助言・代理業又は投資運用業に関して、次に掲げる行為をしてはならない。

二 顧客を勧誘するに際し、顧客に対して、損失の全部又は一部を補てんする旨を約束する行為(損失補塡等の禁止)

国内FX会社は金融庁に登録し、国内の法令を遵守しているので、ゼロカットシステムを設けることは出来ません。

また、レバレッジも国内FX会社は最大25倍までの制限がありますが、海外FX会社は国内の法令を守っていないので、最大100倍などハイレバレッジで投機的な取引をすることができます。

ちなみに、税金面でもデメリットが多いので、日本に住んでいる人であれば海外FXはおすすめしません。

記事:海外FXをプロが絶対おすすめしない理由と注意点やデメリット

ゼロカットシステムのデメリット3つ

既に解説した通り、ゼロカットシステムの前に基本的にはロスカットが発動するので、証拠金がマイナスになることはほとんどありません。

なので、ゼロカットシステムの恩恵を受けることはほとんど無いのですが、海外FXを使うと以下のゼロカットシステムに関するデメリットがあります。

ゼロカットシステムのデメリット

  • 海外FXはスプレッド(手数料)が高い
  • ギャンブルトレードになる
  • 海外FX業者の倒産リスク

海外FXはスプレッド(手数料)が高い

ゼロカットシステムは口座残高のマイナス分を、FX会社が投資家の代わりに負担するサービスです。

そのため、当然ながら、海外FX業者はその負担分の手数料を投資家から常に取っています。

それが、FXの手数料に該当する「スプレッド」です。

スプレッドは国内FX会社に比べて、海外FX会社は10倍以上高いところがかなりあります。

<国内FXと海外FXの比較>
国内FX海外FX
レバレッジ25倍100~888倍
スプレッド0.1~0.2銭(米ドル円)1.4~1.6銭(米ドル円)
各種手数料無料無料
税金20.315%(一律)15~55%
ゼロカットなしあり

 

なので、ほとんど起きないゼロカットシステムにも関わらず、海外FXを使用すると常に余計な取引コストが発生していることになります。

ギャンブルトレードになる

また、「ハイレバレッジならゼロカットシステムがあれば安心」という意見を耳にしますが、そもそも証拠金がゼロかマイナスになるようなハイリスクトレードは、投資ではなくもはやギャンブルです。

ゼロカットシステムが発動しても、資金がゼロになればその時点で投資は失敗に終わります。

資金管理が出来ていないFXトレードはバルサラの破産確率からも確実に破産の道を歩むことになります。

安定して稼ぐには、常に損小利大のリスクリワードの取引を意識していく必要があり、その限りゼロカットシステムに頼ることはありません。

海外FX業者の倒産リスク

ゼロカットシステムも100%安全でリスクが無いわけではありません。

FX会社が投資家の損失を保証することで、資金が底をついてしまえば、倒産してしまう可能性があります。

そうなると、他の関係の無い投資家も海外FX会社と連絡がつかなくなり、「資金を出金できない!」なんて事態も起こり得ます。

金融庁に登録している信頼性がある国内FX会社であれば、例えば、三井住友銀行などのメガバンクへ顧客資産を別管理しているので、万が一FX会社が倒産しても資金は銀行から返金されます。

しかし、信託保全の無い海外FX会社を使ってしまうと、FX会社が倒産した時に返金がなされない場合もあります。

このように、「ゼロカットシステムがあるから安心!」というのは完全に勘違いなので、注意するようにしましょう。

ゼロカットシステムのまとめ

ゼロカットシステムとは、証拠金以上の損が出て口座残高がマイナスになった時に、マイナス分をFX会社が負担してゼロにしてくれる仕組みのことです。

海外FX会社のみに用意されているサービスで、国内FX会社にはありません。

ゼロカットシステムの前にロスカットが発動しますので、基本的に口座がマイナスになることはありませんが、相場が急変動してロスカットが間に合わない時に、恩恵を受けることができます。

ただし、海外FXにはゼロカットシステムがある代わりにスプレッド(手数料)が高く、顧客資産が別管理されていなければ出金できないなどのリスクもあります。

FXで稼ぐためには、ゼロカットシステムに頼るのではなく、損切りを徹底していく資金管理が最重要となります。



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