こんな疑問を解決!
- DD方式とNDD方式の違いは?
- DD方式のFX会社はノミ行為をしているの?
- 投資家に有利なFX会社はどっち?
FXを始めて間もない人は、DD方式とNDD方式の情報を知り、どっちが有利なのか不利なのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
多くの個人投資家と話をしていると、このDD方式とNDD方式を誤って解釈している方が非常に多いと感じております。
特に頂く質問に、「DD方式は投資家の損がFX会社の利益になる(ノミ行為をしている)から不利ですよね?」というもの。
結論から言うと、この考えは完全に本質からずれており誤っています。
そこで今回の記事では、DD方式とNDD方式の違いは何か?どちらが投資家にとって有利なのか?を明らかにしていきたいと思います。

鈴木 拓也
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
- 東京工業大学大学院修士課程修了(工学修士)
- メガバンクの本店・香港支店で為替ディーラー業務を経て投資家/実業家に転身
- 株式会社フィンテラス代表取締役
DD方式とNDD方式の違い
FXの世界には、個人投資家、FX会社、インターバンクの金融機関の3つの存在があります。
そして、私たち個人投資家はFX会社に口座開設して取引をしますが、FX会社と取引した後、そのFX会社はインターバンクの金融機関とカバー取引をします。
DD方式(Dealing Desk、相対取引)は、FX会社にディーラーデスクがあり、個人投資家の取引をインターバンクでカバーするかどうかをディーラーが決定します。
DD方式は、主に国内FX会社が採用している方式になります。
一方、NDD方式(Non-Dealing Deskやインターバンク直結)というのは、FX会社の為替ディーラーがおらず、個人投資家と成約した取引をすぐにインターバンクに流してカバーを取る方式のことを指します。
NDD方式は、主に海外FX会社に多い方式になります。
ちなみに後で詳しく解説しますが、個人投資家はあくまでFX会社と取引をするので、その後のインターバンクでの取引の直接的な影響はありません。
DD方式とNDD方式
- DD方式:個人投資家とインターバンクの間にディーラーが介在
- NDD方式:インターバンクに取引が直結
インターバンクや為替マーケットの仕組みは以下の記事をご覧ください。
記事:【FX入門】FXとは?を基礎から全8記事で銀行員が解説するよ!
DD方式とNDD方式について動画で解説
以下の動画の前半では、DD方式とNDD方式の違いについて説明しています。
動画で解説していますので分かりやすいと思いますよ。

動画をご覧になった方も、以下記事を読めば理解が深まりますよ。
DD方式とNDD方式はどちらが投資家に有利?
よく、DD方式はFX会社の為替ディーラーがいて、取引のノミ行為(※インターバンクに流さない)が行われているので、個人投資家にとって不利になるという議論を耳にします。
しかし、これは明らかに完全に本質からずれた考えであり、誤っていると言えます。
ではなぜそんなことが言えるのでしょうか?
それは以下のフローやFX会社のビジネスモデルを知っていれば、自明となるのです。
まず、個人投資家が買うか売るかの判断は、個人投資家次第です。
上がると思えば買いますし、下がると思えば売りますが、そこにFX会社がどこだろうが、DD方式だろうがNDD方式だろうが全く関係はありません。
そして、FX会社と個人投資家の取引が成約した後、NDD方式はすぐにインターバンクにカバーを取り、DD方式はFX会社の為替ディーラーの判断になります。
ここで、FX会社がカバーを取ろうが取らなかろうが、個人投資家の利益には全く影響は出ないです。
それはそうですよね。
買うか売るかの判断は個人投資家次第ですし、利益が出るか出ないかは、その人の相場分析次第なので。
利益が出たら投資家の分析が正しかったことを意味し、逆に、損が出たら読みが外れただけなので、FX会社の原因が一切関係はないです。
以上の理論がしっかりと理解出来ていれば、「DD方式のFX会社はノミ行為をするので、投資家は不利だ」という議論が全くの誤りであることに気が付くでしょう。
DD方式とNDD方式の特徴
ではこれまでの説明を読んで、「結局、DD方式とNDD方式のどっちがいいの?」と思われた方もいるでしょう。
そんな方のために、ここからDD方式とNDD方式の特徴を説明していきます。
DD方式とNDD方式の特徴ループイフダンの特徴
- NDD方式は約定力が高い
- DD方式はコスト(手数料)が安い
約定力はNDD方式が有利
まず、DD方式のメリットとして、約定力が高いことが挙げられます。
約定力とは、例えば、成り行き注文を出した際に表示されている為替レートで成約しやすかったり、注文を出してもなかなか注文が通らなかったりする約定拒否が起きにくいということです。
これは、NDD方式はインターバンク直結型なので、イメージしやすいかと思います。
約定力が低い会社の具体例ですが、例えば、以下のドル円のレートで110.603だと思って成行き注文したら、約定下レートが110.643になればスリッページ(約定レートがスリップして悪化すること)が起きているので、約定力が低いFX会社であると言えます。
コストはDD方式が有利
一方、「スプレッド」や「レートの安定性」に関して言えば、DD方式の方が有利です。
例えば、DD方式が採用されている国内FX会社の多くは、ドル円でスプレッド0.3銭(原則固定)ですが、海外FX会社の場合は、スプレッドが1.5銭~2.0銭以上となります。
そして、各FX会社ごとによっても変わってきますが、レートの安定性(スプレッドの広がり具合)に関して言えば、元々のスプレッドが狭いDD方式の会社の方が有利と言えます。
初心者はDD方式の会社を選ぶといい
以上、説明してきた通り、約定力はNDD方式の会社、コスト(手数料)はNDD方式の会社の方が有利であることが分かりました。
では、どのような観点からNDD方式とDD方式を選んでいけばいいのでしょうか?
一つの基準に、取引する金額が挙げられるでしょう。
金額が100万通貨(1億円超)であれば、FX会社の約定力に気を使わないといけないので、NDD方式を検討してもいいでしょう。
ただ、それ以下の金額であれば、わざわざ手数料が高いNDD方式を使う必要性はありません。
手数料は安いに越したことはないので、初心者の方であれば「DD方式」のFX会社を選んで全く問題ないと言えるでしょう。
DD方式のFX会社でおすすめな先を知りたい人は、【FX口座・会社おすすめ7社!比較サイトに初心者はダマされるな!】をご覧ください。


