こんな疑問を解決!
- メガバンクの年収は実際いくらなの?
- 新卒から30代、40代の年収推移は?
- 銀行総合職に限定した年収は?
これからメガバンクへ就職を考えている方で、「実際のところ年収はいくらなの?」と気になっている方もいるでしょう。
ネット上で「銀行はオワコン」と言われていますが、メガバンク出身の私から言わせれば、全くそんなことはありません。
ちなみに、私は大学院を卒業後、2012年から2017年までメガバンクで勤務しており、退職前は20代後半で年収は2,000万円(※海外駐在時)くらいでした。
今では会社経営や投資により1~2か月で当時の年収以上を稼げるようになりましたが、もう一度就活をやり直すとしても将来的な投資家や起業家へのキャリアを見据えて間違いなくメガバンクに行くと思います。
この記事では、私の知っている限りの情報をまとめて、メガバンクの年収について徹底解説していきます。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
メガバンクの年収比較
まずは、2024年度の有価証券報告書で公表されているメガバンクの平均年収を比較しましょう。
メガバンク3行を平均すると、平均年齢が約40歳で「年収は約830万円」となります。
銀行名 | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 |
---|---|---|---|
平均年収 | 812万3千円 | 864万9千円 | 811万7千円 |
平均年齢 | 39.6歳 | 40.3歳 | 39.9歳 |
従業員数 | 31,756人 | 27,808人 | 24,784人 |
「830万円は少ない!」と感じた方もいるでしょう?
しかし、上記データは年収の低い一般職も含まれており、あまり参考になりません。
後で解説する通り、総合職(基幹職)だけを見た場合には、全く違う結果となります。
三菱UFJ銀行の年収
三菱UFJ銀行は三菱フィナンシャルグループ傘下の国内最大級となる銀行です。
就活でも人気が高く、東大からも毎年数十数が就職しています。
そんな三菱UFJ銀行の平均年収は812万円で、意外にもメガバンクの中では2番目の水準となっています。
三菱UFJ銀行
- 平均年収:812万3千円
- 従業員数:31,756人
- 平均年齢::39.6歳
- 平均勤続年数:15.7年
三井住友銀行の年収
三井住友銀行は三井住友フィナンシャルグループ傘下の銀行で、国内2番目の規模となります。
しかし、公表されている年収で比較すると、三井住友銀行の平均年収は864万円でメガバンクではトップの金額となります。
三井住友銀行
- 平均年収:864万9千円
- 従業員数:27,808人
- 平均年齢:40.3歳
- 平均勤続年数:16年10か月
みずほ銀行の年収
みずほ銀行はみずほフィナンシャルグループ傘下の銀行で、当初は国内2番手でしたが、三井住友銀行に追い越され、3番手の規模となります。
また、最近はシステムの障害が何度も発生しており、メガバンクとしての地位が揺らいでいます。
みずほ銀行の平均年収は811万円で、メガバンクの中では一番低い水準となります。
みずほ銀行
- 平均年収:811万7千円
- 従業員数:24,784人
- 平均年齢:39.9歳
- 平均勤続年数:15.7年
メガバンク総合職の年収推移
上記はメガバンクの平均年収ですが、年収が低い一般職や契約社員の年収も含まれていますので、総合職に限定するとこの限りではありません。
総合職だけの年収データは公開されていませんが、私の経験から30歳で年収1,000万円、40歳で1,200~1,500万円と思われます。
また、総合職には海外勤務もありますので、海外に赴任した場合には日本での給与の1.5倍~2倍程度になります。
それでは、新卒から30代、40代、支店長までの年収推移を見ていきたいと思います。
メガバンク新卒の年収
メガバンクの新卒の年収は300-350万円前後です。
以前の初任給は約20万円ほどでしたが、2023年に三井住友銀行などが新卒の初任給を5万円ほど引き上げる方針を固めており、25万5千~26万円程度となるそうです。
外資系金融などは1年目から700万円以上の場合もあり、比べると一見少なく見えますが、メガバンクの福利厚生はかなり良く、寮が完備されていて費用もかなり安いです。
なので、給与はそのまま自由に使えるので、少ないと感じることはあまり無いでしょう。
メガバンク30代の年収
メガバンクは年功序列の年収体系であり、年々基本給は増えていきます。
そして、30代前半ではほぼ全員が年収1,000万円の大台に到達します。
しかし、30代に入ると出世競争も激しさを増し、実績や役職がつくかどうかで年収に差がでるので、同期間でも年収格差が広がっていくのがこの頃です。
メガバンク40代の年収
メガバンクで40代になると、出世に成功した人は課長やグループ長などの役職が与えられます。
そうなると、年収は1,200万円~1,500万円くらいとなります。
管理職として部下やチームを引っ張っていく立場なので、求められる仕事の責任も重くなります。
しかし、ここから先の副支店長や支店長への出世はポジションも限られるため、この頃になると自分が出世コースに乗っているかどうか強く意識するようになります。
メガバンク支店長の年収
メガバンクでは早い人で40代後半くらいに支店のトップである支店長や部長になります。
支店の規模や実績にもよりますが、支店長は年収1,500万円~2,000万円くらいと言われています。
年収2,000円近くもらえる支店長は、都心の大型店の支店長で、小型店の支店長とはかなりの差があります。
また、支店長から先は執行役員などのポジションであり、支店長まで出世した人の中でも、そこから先に進められる人は一握りだけです。
メガバンク50代(執行役員)の年収
メガバンクでは50代になると、出世できた人は銀行に残り、出世できなかった人は片道切符で他の企業に出向となります。
執行役員や専務、常務などになることができれば、年収は3,000万円~5,000万円はいくでしょう。
また、銀行のトップである頭取の年収は公開されていますが、年収は1億5千~2億円となります。
ただ、役員になるためには激しい出世競争に勝ち抜かねばなれず、運も左右されるので大変難しいと言えます。
メガバンクの海外勤務は別次元
上記はあくまで国内での年収体系ですが、海外に転勤になった場合には、国にもよりますが国内年収の1.5倍~2倍くらいの金額となります。
私は20代後半で香港に赴任していましたが、年収は1,800万円~2,000万円(※)くらいでした。
また、その他にも住居手当が凄まじく、社宅として利用していたタワーマンションの家賃は35万円くらいだったと思いますが、会社負担で住むことができました。
※海外では現地通貨建てのため、国内で税引き前の額面に換算した場合の年収です。
ちなみに、私のメガバンクでの職務は為替ディーラーでした。
参考記事:為替ディーラーになるには?年収や学歴、銀行での仕事内容
メガバンクの年収まとめ
メガバンクの年収は40歳で平均して830万円くらいですが、総合職に限定すれば1,000万~1,500万円くらいとなります。
巷では「メガバンクはオワコン」などと言った意見を耳にしますが、IT化が進めば、事務職などの人員削減はあるかもしれませんが、更に銀行の収益力は上がるのではないかと予想しています。
つまり、総合職で色々な事にチャンレジしたい人にとっては、まだまだ魅力のある就職先です。
また、銀行はグローバルにビジネスを展開していますので、今後、海外で活躍するチャンスもたくさんあるでしょう。