こんな疑問を解決!

  • 為替ディーラーとはどんな職業?
  • 為替ディーラーの年収は?
  • 為替ディーラーになるには?必要な学歴は?
  • 為替ディーラーが使う手法とは?

今回はこんな疑問を解決していきます。

現在学生で金融機関への就職を考えている方で「為替ディーラーはどんな仕事だろう?」と調べてこのサイトにお越しになった方も多いのではないでしょうか。

また、個人投資家で為替ディーラーへの転職を目指している方もいるかもしれません。

そこで今回は、メガバンクで為替ディーラー業務を経験したことがある私が、為替ディーラーについて徹底解説していきたいと思います。

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役

  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
  • 東京工業大学大学院修士課程修了
  • 三井住友銀行の本店・香港支店にて為替ディーラー業務に従事し、投資家/経営者に転身
  • FXや米株インデックス、高配当株などで運用する億投資家
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など

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為替ディーラーとは

為替ディーラーとは、銀行などの金融機関で円やドルなどの通貨の売買をする職業のことです。

為替ディーラーと聞くと、何枚ものモニターでチャートを分析して取引する「デイトレーダー」のようなイメージを思い浮かべる方も多いかもしれません。

ですが、通貨を売ったり買ったりして利益を上げる仕事以外に、金融機関の為替ディーラーには様々な仕事があります。

銀行の外国為替業務について

為替ディーラーの説明に入る前に、まずは銀行の外国為替業務について触れてみたいと思います。

銀行では法人(大企業や中小企業)から日々の通貨の両替(外国為替)の取引が持ち込まれ、それらの取引を処理しています。

例えば、企業が海外で受け取った米ドルを円に両替したいときは、銀行へ電話もしくは銀行の専用システム上にてドル売り、円買いの為替取引を実施します。

その後、両替が行われて、企業の法人口座の米ドルが円に代わります。

そして、それらの外国為替の取引を顧客と執行したり、裏側の銀行間市場(インターバンク市場)において他行と売買をしたりするのが、為替ディーラーの仕事です。

外国為替市場には、銀行同士の取引が行われるインターバンク市場と、銀行が事業会社などと取引を行う対顧客市場の2つに分けられます。

そして、次で解説する通り、為替ディーラーもインターバンク市場を担当する人と、対顧客市場を担当する人に分かれます。

インターバンクディーラーとカスタマーディーラー

金融機関の為替ディーラーは、カスタマーディーラーとインターバンクディーラーの2種類に分けられます。

為替ディーラーの種類

  • カスタマーディーラー:対顧客市場で取引
  • インターバンクディーラー:銀行間市場で取引

カスタマーディーラーとは、銀行と顧客との間で為替取引を締結する職種のことです。

カスタマーディーラーは顧客と取引を締結させる以外にも、顧客訪問をして相場の話をしたり、為替ヘッジの提案をしたりなど、セールス側の業務を行います。

一方、インターバンクディーラーとは、EBS(電子ブローキングシステム)やブローカーを通じてインターバンク市場で為替取引を締結する職種です。

自己ポジションで為替の売買をするプロップトレーダーもこのインターバンクディーラーに含まれます。

どのディーラーの仕事もそうですが、為替相場は1分、1秒でレートが瞬時に動きますので、為替のディーリングルームはまさに戦場そのものです。

何百億円という金額を瞬時に動かすディーラーにはとてつもない重圧と緊張がかかり、まさに一瞬も気を抜くことが許されない世界なのです。

為替ディーラーの年収はいくら?

為替ディーラーの年収は「日系金融機関」か、「外資系金融機関」かで大きく異なります。

日系大手のメガバンクや証券会社では、30代前半で年収1,000万円を突破し、40代1,500万円、50代で2,000万円くらいになります。

その後は、役員になれるかどうかで分かれ、役員になれば年収3,000~5,000万円以上の待遇になりますが、競争もかなり熾烈です。

一方で、外資系金融機関では20代で1,000万円以上になり、その後は実力次第で5,000万円~1億円以上も可能です。

私の知り合いでは、30代前半くらいで年収5,000万円くらいの方もいました。

ただし、外資系は労働条件も過酷であり、成果が出せないとすぐにクビになるリスクもあります。

また、日系企業もメリットはかなりあり、為替ディーラーの仕事は海外駐在のチャンスが多々あります。

そして、海外駐在すると年収も跳ね上がると、外資系並みの収入を得ることも可能です。

ちなみに、私は20代後半で海外に駐在していましたが、海外手当てが豊富だったので年収は額面で2,000万円程度だったと思います。

為替ディーラーになる方法

為替ディーラーになるためにはどうすればいいのでしょうか?

これは大手金融機関(日系・非日系)か、または中堅の小規模な金融機関かで分かれます。

まず大手の場合、転職での中途採用も募集していますが、そのほとんどが「経験者」となるため、為替ディーラーになるためには新卒で金融機関に入社するしかありません。

銀行や証券会社ではトレードスキル以外にも、総合的に高いビジネススキルも要求されるため、就職を経験していない個人投資家が転職で挑戦するのはまず不可能と言えます。

なので、まずは「新卒」で入社し、その後の部署移動の中でディーラーの部門への希望を出して進むか、採用時に特別コース(市場部門)として採用されるかのどちらかの方法が一般的と言えます。

一方で、中堅のFX会社やファンドでは、中途採用も行われているようなので、チャンスがあれば転職の可能性はあります。

ただ、やはり中途と言っても即戦力が求められるので、全くの未経験から為替ディーラーになるのは難しいと言えます。

為替ディーラーに必要な学歴

為替ディーラーに必要な学歴は、基本的には大学卒以上の学位が求められます。

特に、メガバンクや外資系金融などの大手金融機関では、東大・京大・早稲田・慶応などの高学歴出身が多いです。

その一方で、為替ディーラーは分析力などの頭脳に加えて、24時間相場と戦う体力もかなり必要なので、MARCHや関関同立などの体育会系の人材も多く活躍しています。

なお、中堅の証券会社などはこの限りではないので、基本的に大学卒業か、またはそれに相当する知識・経験があれば、為替ディーラーになるチャンスはあると言えます。

これから就職活動で為替ディーラーを目指したい学生の方は、「証券アナリスト」などの投資関連の資格を取っておくと有利になります。

記事:証券アナリストの勉強法や勉強時間、難易度、テキスト(1次&2次)

為替ディーラーが使う手法

金融機関の為替ディーラーが使う手法は、主にファンダメンタルズ分析が中心です。

ファンダメンタルズ分析とは、経済や金融政策などの幅広い動向を分析し、為替がどうなるのかを予想する手法です。

それ以外では、チャートを使ったテクニカル分析もあります。

テクニカル分析は人によって様々な手法がありますので、一概にこれが良いというのは言えません。

ただ、特に代表的でおすすめな手法はチャートにラインを引く「ライン分析」です。

これは、日本だけではなく、海外のトレーダーも使っている手法です。

記事:ライントレードの実践手法!FX・株・バイナリーに適用

為替ディーラーのまとめ

為替ディーラーとは、銀行などの金融機関で、米ドルや円などの通貨を売買する職業の事を言います。

銀行間市場で取引をするインターバンクディーラーと、顧客と銀行の間の取引を締結するカスタマーディーラーの2つがあります。

非常に人気の高い花形の職業ですので、大手金融機関で為替ディーラーになるためには、相応の学歴や、部活などの実績があった方が有利です。



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