こんな疑問を解決!

  • 日銀の指値オペとは?
  • 指値オペをする目的は?
  • 指値オペの株や為替への影響は?

今回はこんな疑問を解決していきます。

日経新聞などでも大きく報道されておりますが、日銀は2022年3月28日に国債の金利抑制策である「指値オペ」を実施すると発表しました。

過去には、2017年7月7日や、2018年においても、米金利の上昇を受けて、日本の国債利回り(円金利)も上昇し、日銀が金利上昇を抑えるために、国債買い入れのオペ(指値オペ)を実施し、金利抑制の政策を行っています。

これを受けて、国債市場だけでなく、為替マーケットも大きな影響を受けております。

今回の記事では、日銀の指値オペとは?為替や株に与える影響はどうか?について説明したいと思います。

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役

  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
  • 東京工業大学大学院修士課程修了
  • 三井住友銀行の本店・香港支店にて為替ディーラー業務に従事し、投資家/経営者に転身
  • FXや米株インデックス、高配当株などで運用する億投資家
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など

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日銀の指値オペとは何か?その目的は?

指値オペとは、日銀が事前に決めた価格(国債利回り)で金融機関から国債を無制限に買い入れるオペレーションのことです。

日本銀行があらかじめ決まった利回りで金融機関から国債を無制限に買い入れる公開市場操作(オペレーション)のこと。

2016年9月の金融政策決定会合で、金融政策の新たな手段として導入されたもので、長短金利の操作によって急速な金利上昇を抑え、10年物国債利回りを日銀が目標とする「0%程度」に誘導するために実施される。

 

2016年9月に新しく導入した「長短金利操作付量的質的金融緩和」にて、10年債利回りを0%程度に安定させるよう金融政策を行うよう決めました。

また、2021年3月には0%から多少の許容範囲を「±0.25%」と定めました。

しかし、国債の10年債利回りが上限となる0.25%近くまで上昇してしまったことを受けて、金利の上昇に歯止めをかけるために、日銀の指値オペの措置に踏み切っております。

国債価格と利回りは正反対の動きをしますので、利回りの上昇(価格の低下)を抑えるためには、ある最低価格(最高利回り)で日銀が国債を市場から買うという政策を行えば、価格が下げ止まり(利回り上昇は抑えられる)ます。

日銀の指値オペとは

  • 日銀が事前に決めた価格で金融機関から国債を無制限に買い入れる施策

指値オペの為替(ドル円)や株への影響

では日銀の指値オペが実施されると、為替や株のマーケットにどのような影響を与えるのでしょうか?

結論から申し上げますと、ドル円には円安材料となります。また、株は、金融緩和の継続期待から買い材料となります。

基本的に、金利が高い通貨は買われて、金利が低い通貨は売られる法則があります。

今回の日銀の買い入れオペは、日本の国債利回り(金利)の上昇を抑えて下げようという試みです。

よって、日本の国債利回り(金利)が下がることにより、円安圧力が加わります。

実際に、2022年3月28日に指値オペが実施され、約7年振りとなるドル円は125円台まで上昇しています。

今後の注目ポイントは?

今後のポイントですが、現在、米国に続いて、ECB、BOEなど各国の中央銀行がタカ派(利上げに積極的)な姿勢を示しており、各国の国債利回りが上昇して、日本の国債利回りも上昇しやすい環境になっています。

日銀としても、10年債利回りを低位に安定推移させるのが目標ですので、金利が上昇したらまた同じような指値オペや国債買い入れの増額を行なって、なんとか金利上昇を抑えようとしますが、日銀の買い入れにも限界があるのは事実。

出口戦略等を考えると、日銀は引き続き非常に難しい舵取りを迫られそうですね。

 

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