こんな疑問を解決!
- 高値・安値は実際どうやって決めればいいの?
- スイングハイ・スイングローとは?
FXや株などのチャートの勉強を進めていく中で、「高値と安値ってどう決めればいいの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか?
よく「高値の更新(切り上げ)」「高値と高値を結ぶ」と書籍などで解説されていますが、その『高値』は具体的にどうやって決めるのかを解説されているものは少ないです。
高値と安値に一貫性のある決め方が無ければ、ダウ理論のトレンド判断や、相場環境認識にも一貫性が出ません。
そんな問題を解説するのが、この記事で解説するスイングハイ・スイングローなのです。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
ダウ理論の高値・安値の決め方
ダウ理論では、上昇トレンドは高値と安値がそれぞれ切り上がる、下降トレンドは高値と安値がそれぞれ切り下げると定義されます。
しかし、その「高値と安値はどう決めればいいの?」とほとんど方が疑問に思うかと思います。
そんな時に登場するのが、今回解説する「スイングハイ・スイングロー」というテクニックです。
動画で詳しく学びたい方は、以下をご覧ください(記事でもしっかり解説していますので動画をスキップしても大丈夫です。)。
スイングハイ・スイングローとは?
スイングハイ・スイングローの定義は以下の通りです。
- 高値の左右にそれぞれ高値が低いローソク足がn本存在してはじめて高値と認識
- 安値の左右にそれぞれ安値が高いローソク足がn本存在してはじめて安値と認識
言葉だけだとイメージが湧かないと思いますので、図を使って解説します。
スイングハイのしくみ
スイングハイは高値の左右にそれぞれ高値が低いローソク足がn本存在してはじめて高値と認識します。
例えば、「n=5」と決めた時、下図左側では左右に高値を超えない低いローソク足が5本ずつ存在するので、スイングハイにより高値と認識できます。
一方、下図右側では、高値のあとに低いローソク足が3本しか存在せず、4本目のローソク足が高値を更新してしまっています。
よって、「高値の両側に高値より低いローソク足が5本」という条件を満たさず、スイングハイにより高値とはみなしません。
スイングローのしくみ
スイングローも同様に、安値の左右にそれぞれ安値が高いローソク足がn本存在してはじめて安値と認識します。
こちらも同様にn=5と決めた時、下図左側では安値の左右に安値が高いローソク足が5本存在するのでスイングローにより安値と認識できます。
一方、下図右側では、安値のあとに3本しか高いローソク足が存在せず、4本目のローソク足で安値を更新しているので安値と決めることができません。
※なお、当記事で使用している画像や情報は、当サイト監修者「鈴木拓也」の執筆書籍から引用しています。
参考書籍:クイズを解いて勝率アップ!FXチャート&資金管理実践トレーニング
「n=6本」が有名だが実際は4本以上が望ましい
n本のnは、「6本」が代表的な数値となりますが、これは米国の有名投資家であるラリー・ウィリアムズが本数を「6本」と定義しているためです。
しかし、実践では6本だとやや広すぎるケースがあるので、「4本または5本」を目安となります。
n本の数を増やせば高値と安値は広がり、長期のゆったりとしたトレンドをとらえることができます。
逆にn本の数を減らせば高値と安値の間隔が狭くなり、短期の細かなトレンドをとらえることができます。
スイングハイ・ローが必要な理由
スイングハイとスイングローが理解出来れば、もう高値と安値の決め方に迷うことはありません。
すると、ダウ理論による相場環境認識や、マルチタイムフレーム分析などの精度も一気に向上します。
記事:ダウ理論とは?FXで稼ぐ手法や使い方を分かりやすく解説
記事:相場環境認識とは?FXの勝率を劇的に上げるコツを完全解説
記事:マルチタイムフレーム分析とは?FXで複数の時間足を分析するやり方
相場環境認識は3つしかない
基本的なところですが、相場環境には上昇トレンド、下降トレンド、レンジ(横ばい)の3つしかありません。
上昇トレンド | 下降トレンド | 横ばい | |
---|---|---|---|
相場環境 | |||
取引 | 買い | 売り | 様子見 |
そして、投資家は、「上昇トレンドなら買い」「下降トレンドなら売り」「レンジなら様子見」の選択を淡々と取ることで、投資で利益をあげることができます。
ダウ理論の高値安値の決め方でトレンド判断が異なる
ダウ理論では、上昇トレンドは高値と安値がそれぞれ切り上げる、下降トレンドは高値と安値がそれぞれ切り下げると定義されます。
しかし、その「高値」と「安値」の決め方が曖昧であれば、相場環境認識もなんとなくになってしまいます。
例えば、下図のように間隔を狭く高値と安値を決めた場合と、広く決めた場合とで、ダウ理論のトレンドの解釈は全くことなります。
ここで、スイングハイ・スイングローを導入すれば、もう高値と安値の決め方に迷うことはありません。
スイングハイ・ローのメリットとデメリット
最後に、スイングハイ・スイングローのメリットとデメリットを整理しましょう。
スイングハイ・ローのメリット
スイングハイ・ローのメリットは以下の通りです。
スイングハイ・ローのメリット
- 一貫性を持ってチャート分析できる
例えば、せっかく勝てる売買手法を身に付けても、その時々でなんとなく高値と安値を決めていては、根拠が曖昧になってしまいます。
そして、再現性も乏しく、なんで勝てたのか、負けたのかの分析も出来ません。
スイングハイ・ローのデメリット
一方で、スイングハイ・ローのデメリットは以下の通りです。
スイングハイ・ローのデメリット
- n本の世界統一のルールはない
- 裁量的な余地がなく柔軟性に欠ける
まず、スイングハイ・ローの「n本」に最適解はありません。
ラリー・ウィリアムズは「n=6本」と定義していますが、これが唯一無二の正解ではないため、n=4本、n=5本の方が有効な場合があります。
また、スイングハイ・ローで高値と安値を決めると、形式的にとらえることは出来ますが、逆に裁量的な余地が無くなり、柔軟性に欠けるなどのデメリットもあります。
なので、その点は注意しつつ、スイングハイ・ローを使っていくのがいいのではないでしょうか。
スイングハイ・ローメリットのまとめ
スイングハイ・スイングローは、一貫性を持って高値と安値を決めるテクニックです。
ダウ理論で相場環境認識をする際に、高値と安値をなんとなく決めていた方も、スイングハイ・スイングローを導入することで、判断に迷いがなくなり、より正確な分析ができるようになりますよ。
お世話になります。
スイングハイ、スイングロー(n=5本)で高値、安値を決めていく場合、
高→安→高→安とジグザグになる場合とそうならずに、例えば、高→安→高→(高)とか
なる場合もありますが、どこか考え方が間違っているのでしょうか?
お世話になります。
高値安値をスイングバイ・ローで決める場合の波形の幅は個人の裁量でしょうか??
左右5本で決めるようにしていますが5本出来た時点で高値安値を捉えると幅が凄く狭くなります。どれくらいの幅が適しているのか教えていただければ助かります。
期間6をラリーウィリアムズ氏が定義したとの事ですが、参考になる書籍かウェブサイトなどありましたら教えて頂けませんでしょうか?