こんな疑問を解決!

  • ドル円の今後の為替見通しは?
  • ドル円の円高の原因は何?
  • 2024年のドル円長期予想は?

2024年7月にドル円は一時161円台まで円安が進みましたが、8月に入り141円台まで円高が急激に進みました。

まさに歴史的な大相場であり、個人のFXトレーダーで巨額の利益を得た方も多いのではないでしょうか。

では、今後のドル円見通しはどうなのか?

結論から言えば、今後のドル円は円高トレンドが続く可能性が高いと予想しています。

今回は、メガバンク出身の現役プロ投資家が、ドル円の見通しや、上昇・下落材料、おすすめFX会社について徹底解説していきます。

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役

  • 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
  • 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト

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ドル円の現在の為替レートとチャート


ドル円は2024年初に140円台で始まり、2024年7月3日には一時162円丁度付近まで上昇しています。

その後、日銀の利上げ観測が意識されると、円安トレンドが終焉し、2024年8月5日には141円台後半まで一時下落しました。

今後の見通しを分析する上で、過去の値動きを整理したいと思いますが、2024年に入り8月まで急激にドル高円安が進んだ主な要因は以下の2点です。

ドル高円安の理由

  • 日米の金融政策の方向性の違い(日米の金利差拡大)
  • 資源価格高騰による日本の貿易赤字拡大

米国では物価高騰が続いており、インフレを抑えるために米国の中央銀行であるFRB(連邦準備銀行)が政策金利を引き上げております。

一方で、日本では物価上昇は緩やかである他、日銀が望んでいる需要主導の物価上昇ではなく、原材料費上昇のコストプッシュ型であるため、日銀は低金利政策を継続しています。

これにより、日米の金利差がどんどん拡大し、ドル買い・円売りが急激に進みました。

また、ウクライナとロシアの地政学的リスクにより資源価格が上昇しており、資源を輸入に頼る日本の貿易赤字が拡大していることも円安の促進に関係しています。

 

円安による資産の目減りを防ぐには、円建て資産だけではなく、外貨建て資産を持っておくことが有効です。

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ドル円の上昇材料(ドル高・円安)

ドル円の今後の見通しを考える上で、ドル円が上昇する材料と、下落する材料をそれぞれ整理していくことが有効です。

まず、ドル円の上昇する材料(ドル高・円安材料)は以下の3つです。

ドル円の上昇する材料

  • 米国の高い政策金利
  • 日本の金融緩和継続
  • 日本の貿易赤字拡大

米国の金融引き締め

1つ目のドル円上昇材料は、米国の高金利政策です。

米国の消費者物価指数(CPI)は以前よりもだいぶ落ち着いてきましたが、政策金利は5.25~5.50%と高水準を維持しています。

米国消費者物価指数/CPI:米国国内の物価の上昇・下降などの変動を表す経済指数で、「CPI(Consumer Price Index)」とも呼ばれ、米労働省が毎月中旬に公表しています。衣料や食料品など約200項目の品目の価格の変化を調査して指数化したもので、米国国民の生活水準を示す指標のひとつです。

インフレが再び加速すると大衆の生活が苦しくなるため、FRBは物価高を抑制するために高い政策金利の維持を実施しています。

すると、米ドルの預金金利なども上昇し、金利が高くなればその通貨の魅力が上がるので、ドルが買われているのです。

日本の金融緩和継続

2つ目のドル円上昇材料は、日本の金融緩和継続です。

利上げを実施している米国に対して、日本は低金利政策を実施しており、これにより日米の金利差からドル買い・円売り地合いが強まります。

植田日銀総裁は、2024年7月31日の日銀会合で追加利上げを実施しましたが、それでも政策金利は0.25%と米国と比べればかなり低いと言えます。

日本の貿易赤字拡大

3つ目のドル円上昇材料は、日本の貿易赤字拡大です。

貿易赤字とは、輸出額より輸入額の方が大きい状態のことであり、ウクライナ危機により原油などの資源価格の高騰が関係しています。

日本はエネルギー資源や食料の多くを輸入に頼っていますが、輸入する際には円で支払うわけではなく、ドルなどの外貨で支払いを行います。

ドル建ての資源価格が高くなれば、その分だけたくさんの円をドルに両替する必要があり、円安が促進されるわけです。

また、金利差拡大などから円安が進めば進むほど、ドルに両替する為替レートが不利になりますので、ますます円売り・ドル買いの為替取引が発生するという負のループです。

ドル円の下落材料(ドル安・円高)

ここまでドル円の上昇材料を取り上げて来ましたが、逆にドル円が下落する材料はあるのでしょうか?

ドル円の下落材料(ドル安・円高材料)は以下の4つです。

ドル円の下落材料

  • 景気悪化による米国の利下げ転換
  • 日本の利上げ継続
  • 日本の貿易赤字縮小
  • 日本のドル売り為替介入

景気悪化による米国の利下げ転換

1つ目のドル円下落材料は、景気悪化による米国の利上げ抑制です。

物価高騰を抑制するため金利の引き上げを行っている米国ですが、金利上昇は経済に大きな打撃を与えます。

金利が上がると、住宅ローンを組んでいる国民や、銀行からお金を借りている企業の利息支払いが増加するためです。

実際に、2024年8月2日に発表された最新の米雇用統計では、失業率4.3%(予想4.1%)と市場予想と比べてかなり悪化しました。

米国の景気が極端に悪化した場合、FRBは利下げをどんどん行う可能性があります。

そうなると、現在の状況とは変わって、日米金利差が縮小していきますので、ドル円はドル安・円高になります。

日本の利上げ継続

2つ目のドル円下落材料は、日本の利下げ継続です。

2024年7月31日に、日銀は利上げを実施して政策金利を0.25%としました。

そして、今後もインフレや好景気が続くようなら、利上げを継続すると断言しています。

そうなると、円が買われやすくなりますので、ドル円は下落する可能性が高まります。

日本の貿易赤字縮小

3つ目のドル円下落材料は、日本の貿易赤字縮小です。

日本の貿易赤字が膨らんでいる要因は、ウクライナ問題で欧米が対ロシアに制裁を科し、資源価格が高騰していることが背景にあります。

ただ、原油価格の上昇のピークはすでに過ぎており、今後は資源価格がもとの水準に戻っていくことが予想されます。

すると、日本の貿易赤字額も減少し、円安圧力も和らいでいくことが考えられます。

日本のドル売り為替介入

4つ目のドル円下落材料は、日本のドル売り為替介入です。

行き過ぎた円安を防ぐため、日本政府は2024年7月にドル売り円買いの為替介入を実施し、ドル円レートは160円台から一気に157円台まで一気に下落しました。

これにより、ドル買い円売りを仕掛けていた短期筋は、為替介入による損失を警戒しなければならず、積極的な円売りがしにくくなりました。

 

以上がドル円の上昇材料と下落材料となります。

それでは次は、これらの材料を俯瞰し、ドル円の今後の見通しについて考えていきたいと思います。

ドル円の今後の見通し・予想

ドル円の今後の見通しですが、結論から言えば円高が強まるが過去のような1ドル=100円など極端な円高にはならないと予想します。

このドル円予想の理由は主に以下の2つです。

ドル円予想の理由

  • 米国の利下げ観測が高まる
  • 日銀は利上げを追加で実施する可能性がある

米国の利下げ観測が高まる

米国ではインフレが収まっていることや景気後退懸念が強まっていることから、米FRBは利下げへ転換すると予想されます。

そうなると、今までは米国の利上げで米ドルが買われていましたが、日米金利差が縮小して、ドル安になっていくと言えます。

つまり、米ドルは今がピークの可能性があります。

日銀は利上げを追加で実施する可能性がある

日銀は2024年3月に、マイナス金利解除を決定しました。

更に、2024年7月31日の金融政策決定会合で、追加利上げを決定し、政策金利を0.25%に引き上げました。

これらはいずれも円が買われる材料であり、実際に、7月の会合を経て、ドル円は急激に円高が進みました。

そして、植田日銀総裁は、「今後も経済や物価見通しが変わらなければ利上げを続ける」と明言しており、今後も日銀の利上げによりドル円は円高になる可能性があります。

ただし、その場合においても、構造的に貿易赤字になっていることなどから、以前のような1ドル=100円など極端な円高にはならないと予想します。

ドル円の取引でおすすめFX会社

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ドル円の為替予想・見通しのまとめ

ドル円は2024年に一時160円台まで円安が進みましたが、今後は円高が進んでいくと考えています。

その理由は、①米国の利下げ観測が高まる、②日銀は利上げを追加で実施する可能性がある、などからです。

しかし、その場合においても、構造的に貿易赤字になっていることなどから、以前のような1ドル=100円など極端な円高にはならないと予想します。

FXであれば買いからも売りからもドル円を売買して利益を上げられますので、日々の情報収集を欠かさず、変化に対応していくことが大切です。

※本記事は情報提供を目的としたものであって、投資行動の勧誘・助言を目的として記載しているものではありません。ユーザーの投資行動においては、ご自身の判断と責任において行うようにお願いいたします。



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