こんな疑問を解決!

  • ドル円の今後の為替見通しは?
  • ドル円の円安の原因は何?
  • 2024年のドル円長期予想は?

2022年に入ってドル円の為替相場では、近年経験したことが無いような急激な円安が進んでいます。

ドル円は年初の115円台から約30年振りとなる150円台まで一時手上昇しました。

まさにアベノミクス以来の大相場であり、個人のFXトレーダーで巨額の利益を得た方も多いのではないでしょうか。

では、今度2024年以降のドル円見通しはどうなのか?

結論から言えば、2024年以降のドル円は円高トレンドに転じる可能性が高いと予想しています。

今回は、メガバンク出身の現役プロ投資家が、ドル円の見通しや、上昇・下落材料、おすすめFX会社について徹底解説していきます。

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役

  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
  • 東京工業大学大学院修士課程修了
  • 三井住友銀行の本店・香港支店にて為替ディーラー業務に従事し、投資家/経営者に転身
  • FXや米株インデックス、高配当株などで運用する億投資家
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など

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ドル円の現在の為替レートとチャート


ドル円は2022年初に115円台で始まり、10月20日に150円目前まで一時上昇。その後、2023年に入って円高が進んでいます。

2022年初から約30%も円安が進み、当時は連日のようにメディアで報道されていました。

今後の見通しを分析する上で、過去の値動きを整理したいと思いますが、2022年に入り急激にドル高円安が進んだ主な要因は以下の2点です。

ドル高円安の理由

  • 日米の金融政策の方向性の違い(日米の金利差拡大)
  • 資源価格高騰による日本の貿易赤字拡大

米国では物価高騰が続いており、インフレを抑えるために米国の中央銀行であるFRB(連邦準備銀行)が政策金利を引き上げております。

一方で、日本では物価上昇は緩やかである他、日銀が望んでいる需要主導の物価上昇ではなく、原材料費上昇のコストプッシュ型であるため、日銀はマイナス金利政策を継続しています。

これにより、日米の金利差がどんどん拡大し、ドル買い・円売りが急激に進んでいるのです。

また、ウクライナとロシアの地政学的リスクにより資源価格が上昇しており、資源を輸入に頼る日本の貿易赤字が拡大していることも円安の促進に関係しています。

 

円安による資産の目減りを防ぐには、円建て資産だけではなく、外貨建て資産を持っておくことが有効です。

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ドル円取引でおすすめは松井証券です。

ドル円の上昇材料(ドル高・円安)

ドル円の今後の見通しを考える上で、ドル円が上昇する材料と、下落する材料をそれぞれ整理していくことが有効です。

まず、ドル円の上昇する材料(ドル高・円安材料)は以下の3つです。

ドル円の上昇する材料

  • 米国の金融引き締め
  • 日本の金融緩和継続
  • 日本の貿易赤字拡大

米国の金融引き締め

1つ目のドル円上昇材料は、米国の金融引き締めです。

米国の消費者物価指数(CPI)は8%台の上昇と、40年ぶりとなる高水準となっており、物価の高騰が止まっていません。

米国消費者物価指数/CPI:米国国内の物価の上昇・下降などの変動を表す経済指数で、「CPI(Consumer Price Index)」とも呼ばれ、米労働省が毎月中旬に公表しています。衣料や食料品など約200項目の品目の価格の変化を調査して指数化したもので、米国国民の生活水準を示す指標のひとつです。

インフレが加速すると大衆の生活が苦しくなるため、FRBは物価高を抑制するために政策金利の引き上げを実施しています。

すると、米ドルの預金金利なども上昇し、金利が高くなればその通貨の魅力が上がるので、ドルが買われているのです。

日本の金融緩和継続

2つ目のドル円上昇材料は、日本の金融緩和継続です。

利上げを実施している米国に対して、日本はマイナス金利政策を実施しており、これにより日米の金利差はどんどん拡大しています。

代表的な金利指標である10年物金利(10年債利回り)を見ると、米国の10年物金利は4.0%台まで上昇していますが、日本の10年物金利は日銀の金融緩和政策により0.25%に抑えられているので、金利差は開く一方です。

黒田日銀総裁は相変わらず「金融緩和を継続する必要がある」と、従来の姿勢を保っていますので、2023年4月の任期までは現在の金融緩和が維持される可能性が高いでしょう。

日本の貿易赤字拡大

3つ目のドル円上昇材料は、日本の貿易赤字拡大です。

貿易赤字とは、輸出額より輸入額の方が大きい状態のことであり、ウクライナ危機により原油などの資源価格の高騰が関係しています。

日本はエネルギー資源や食料の多くを輸入に頼っていますが、輸入する際には円で支払うわけではなく、ドルなどの外貨で支払いを行います。

ドル建ての資源価格が高くなれば、その分だけたくさんの円をドルに両替する必要があり、円安が促進されるわけです。

また、金利差拡大などから円安が進めば進むほど、ドルに両替する為替レートが不利になりますので、ますます円売り・ドル買いの為替取引が発生するという負のループです。

ドル円の下落材料(ドル安・円高)

ここまでドル円の上昇材料を取り上げて来ましたが、逆にドル円が下落する材料はあるのでしょうか?

ドル円の下落材料(ドル安・円高材料)は以下の4つです。

ドル円の下落材料

  • 景気悪化による米国の利上げ抑制
  • 日本の金融緩和策からの転換
  • 日本の貿易赤字縮小
  • 日本のドル売り為替介入

景気悪化による米国の利上げ抑制

1つ目のドル円下落材料は、景気悪化による米国の利上げ抑制です。

物価高騰を抑制するため金利の引き上げを行っている米国ですが、金利上昇は経済に大きな打撃を与えます。

金利が上がると、住宅ローンを組んでいる国民や、銀行からお金を借りている企業の利息支払いが増加するためです。

米国の景気が極端に悪化した場合、FRBがハイペースな利上げを続けることが難しくなるため、利上げを一旦停止するか、利上げペースを鈍化させる可能性があります。

ドル円は将来の利上げをレートにすでに織り込んでいますので、利上げ抑制が現実となれば、織り込みが剥がれてドル安になります。

日本の金融緩和策からの転換

2つ目のドル円下落材料は、日本の金融緩和策からの転換です。

先進国で唯一、金融緩和政策を維持している日本ですが、このまま永遠に今の緩和政策を続けるわけにはいきません。

日米の金利差拡大で、円安が160円、170円と進んでしまうと、輸入品目の価格が高騰し、国民の生活が苦しくなります。

岸田政権も物価高対策を実施していますが、円安の根本的な原因ともいえる日銀の金融政策が変わらない限り、その場限りの対策で解決とはなりません。

黒田総裁の次の新総裁は「植田和男」氏と報道されていますが、国民や政府から不満が高まり、日銀が金融緩和から引き締めに舵を切れば、ドル円は円高が急激に進むと予想されます。

日本の貿易赤字縮小

3つ目のドル円下落材料は、日本の貿易赤字縮小です。

日本の貿易赤字が膨らんでいる要因は、ウクライナ問題で欧米が対ロシアに制裁を科し、資源価格が高騰していることが背景にあります。

ただ、原油価格の上昇のピークはすでに過ぎており、今後は資源価格がもとの水準に戻っていくことが予想されます。

すると、日本の貿易赤字額も減少し、円安圧力も和らいでいくことが考えられます。

日本のドル売り為替介入

4つ目のドル円下落材料は、日本のドル売り為替介入です。

行き過ぎた円安を防ぐため、日本政府は2022年9月22日にドル売り円買いの為替介入を実施し、ドル円レートは145円台から一気に140円台まで一気に下落しました。

これにより、ドル買い円売りを仕掛けていた短期筋は、為替介入による損失を警戒しなければならず、積極的な円売りがしにくくなりました。

また、2022年10月に入ってからも、為替介入と思われる急激な下落の値動きが発生しております。

ただし、為替介入はあくまで一時的に為替レートを押し下げる効果しかなく、円高トレンドに転換させられるわけではありません。

実際に、9月22日に140円台まで下落したドル円は、数日で元の水準まで上昇しています。

 

以上がドル円の上昇材料と下落材料となります。

それでは次は、これらの材料を俯瞰し、ドル円の今後の見通しについて考えていきたいと思います。

ドル円の今後の見通し・予想

ドル円の今後の見通しですが、結論から言えば2022年の間は上昇トレンドが継続し、2023年以降は下降トレンドに転換して、円高になっていくと予想します。

このドル円予想の理由は主に以下の2つです。

ドル円予想の理由

  • 日米の金融政策の方向性の違い
  • 2023年に黒田日銀総裁の任期満了

日米の金融政策の方向性の違い

米国では物価高が続いており、米FRBは利上げを引き続き行うと予想されます。

一方で、日本は日銀総裁が緩和姿勢を明確しており、少なくとも2023年前半の間は今の金融緩和政策が維持されると予想されます。

すると、日米の金融政策の方向性の違いから金利差がどんどん拡大し、マネーが円からドルに流れるので、ドル高円安が続きます。

仮に他の外部要因が発生せず、今の金利差要因だけを見れば、ドル円は150円台、160円台まで上昇することもあり得ると言えます。

ただし、2023年にこの関係が崩れるきっかけが1つあります。

それが、黒田日銀総裁の任期満了です。

2023年に黒田日銀総裁の任期満了

黒田日銀総裁は、2023年4月に任期満了し、新しい日銀総裁が誕生します。

報道では経済学者出身の植田和男氏が新総裁になると言われています。

次の総裁の最大のミッションは、アベノミクスから続いた日銀の大規模金融緩和からの転換であり、いよいよ利上げをする可能性が大いにあります。

すると、今まで日銀が金融緩和を続けていたから円を売ってドルを買っていた投資家たちが、一斉にドル売り円買いをするので、ドル円は急激に下落すると予想されます。

為替レートは2国間の経済関係などからレートが決まりますので、長期的に見れば上昇と下落を繰り返しています。

ドル円が1ドル150円から、200円、300円と上昇すると、日本人は円資産が目減りするので困りますが、米国人も輸出の競争力を失って困るわけです。

反対に、海外で物を売っている日本の輸出企業は、円安になればなるほど利益が増えるので競争力を増し、世界での存在感を高められます。

ただ、実際にはあまりにも急激なドル高は米国政府も嫌がるので、どこかでドル円の天井が訪れます。

それが、2023年4月の新日銀総裁の誕生である可能性が大いにあるのです。

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ドル円の為替予想・見通しのまとめ

ドル円は日米の金融政策の方向性の違いによる金利差拡大を背景に上昇トレンドが続いております。

米国の物価上昇はピークを越えたとみられるものの、依然として高い水準に留まっており、FRBは引き続き利上げを続けると予想されます。

一方で日本では徐々に物価は上昇しているもののコストプッシュ型の上昇であり、日銀は金融緩和策を維持すると強調しています。

つまり、日米の金利差拡大から、今後もドル円は上昇する可能性が高いと推測します。

ただし、現在の黒田日銀総裁の任期は2023年4月であり、新総裁の誕生とともに、いよいよ日銀も緩和から引き締めへと方向転換すると予想されます。

これにより、2023年以降のドル円はドル高円安圧力が弱まり、円高トレンドに転換すると考えています。

FXであれば買いからも売りからもドル円を売買して利益を上げられますので、日々の情報収集を欠かさず、変化に対応していくことが大切です。

※本記事は情報提供を目的としたものであって、投資行動の勧誘・助言を目的として記載しているものではありません。ユーザーの投資行動においては、ご自身の判断と責任において行うようにお願いいたします。



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