こんな疑問を解決!

  • 靴磨きの少年の話とは?
  • 靴磨きの少年はなぜ暴落のサイン?
  • 現代に当てはまる事例は?

相場が天井に近いことを示すサインとして「靴磨きの少年」の話があります。

靴磨きの少年が株の話をしていたら、近いうちに相場が暴落するかもしれない、と言った話です。

作り話とも思われる内容ですが、実は、時代が変わっても、現代の相場に当てはまるケースが多々あります。

今回の記事では、「靴磨きの少年」の話はどんな内容か?なぜ暴落の予兆となるのか?現代の事例は?などを解説していきます。

この話を知っておくだけでも、事前に暴落を回避することができますよ。

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役

  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
  • 東京工業大学大学院修士課程修了
  • 三井住友銀行の本店・香港支店にて為替ディーラー業務に従事し、投資家/経営者に転身
  • FXや米株インデックス、高配当株などで運用する億投資家
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など

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靴磨きの少年の話とは

「靴磨きの少年」の話は、株式市場の株価が天井圏にあり、近く暴落する可能性があることを知らせる内容です。

ジョセフ・P・ケネディ氏(ジョン・F・ケネディ米国大統領の父親)は、ウォール街で働き株式投資で財を成して政界に進出した人物です。

ある日、そんなケネディ氏がウォール街で靴磨きの少年に靴を磨いてもらった際に、その少年から「○○の株は買った方がいいよ」とすすめられたそうです。

プロ中のプロであるケネディ氏からすれば、一般大衆の、それも言い方は悪いですが靴磨きをするような少年が株の話をしている事に大変驚いたことでしょう。

ケネディ氏は、靴磨きの少年の話を聞いた後、近く株式市場が暴落するに違いないと判断し、保有していた株を全て売却しました。

その後、実際に大恐慌が起き(1929年10月)、米国株は大暴落し、事前に株を売却したケネディ氏は難を逃れることができました。

靴磨きの少年が暴落のサインの理由

靴磨きの少年の話が、なぜ暴落のサインとなったのでしょうか?

神話のような話ですが、実は相場の本質をとらえており、メカニズムはダウ理論から説明ができます。

ダウ理論によるトレンドの段階

ダウ理論は6つの原則から成り立ちますが、その中の1つに「主要なトレンドは3つの段階から形成される」があります。

① 先行期(第一段階)では、いわゆるプロが底値で買い、株価はゆっくりと上昇していきます。

② 追随期(第二段階)では、数々のファンダメンタルズ的な材料が発生し、普段から投資を行っている人も買いを入れ、トレンドは明確な上昇トレンドになります。

③ 利食い期(第三段階)では、メディアの報道も増えて、投資未経験の素人が参入し株価は更に上昇していきます。

しかし、もうお気づきかと思いますが、プロは利食い期ではゆっくり利益確定を行いこれ以上株価は上がる余力はないので、素人が参入した後に、最後は大暴落を迎えます。

靴磨きの少年が知るのは利食い期

相場は一直線に上昇することは基本無く、長期的な上昇トレンドであっても、上昇と下落を繰り返して形成されます。

ダウ理論の3つのトレンド段階からも分かるように、素人や初心者が「今後も株は上がる!」と話していたら、トレンドの最終段階が近いことを示します。

トレンドの最後の方で株を買ってしまうと、高値掴みとなり、最終的に大きな損失を被ってしまうのです。

 

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靴磨きの少年は現代では誰になるか

靴磨きの少年の話は1929年代に作られた話ですが、人間の本質は変わっていないので、同じ現象が現代にも当てはまります。

例えば、普段から株や投資を一切しないような、主婦、フリーター、高齢者などの方々が、株の話を熱心にしていたら要注意です。

特に、勉強をあまりせず、「株を買えばとにかく儲かる」「寝ていても儲かる」などの話をしていたら、トレンドは末期の状態に近いと言えます。

まさに、靴磨きの少年に該当するのが、現代では株や投資とあまり関わりのない職業や属性の方というわけです。

その後に訪れるのは、バブル崩壊のような株価の大暴落です。

未経験者が株を買うときは、たいていの場合、天井圏です。

その段階では、プロは一般大衆とは逆のことをしますので、ゆっくりと利益確定の売りをしているのです。

靴磨きの少年が当てはまる最近の事例

靴磨きの少年の話は、最近に発生した相場の暴落の状況にも当てはまります。

代表的な事例は以下2つです。

靴磨きの少年が当てはまる最近の事例

  • 2017年の仮想通貨バブル崩壊
  • 2021年の米国株価指数

2017年の仮想通貨バブル崩壊

靴磨きの少年の話にピッタリ当てはまるのが、2017年末に起きた仮想通貨の大暴落です。

代表的な仮想通貨であるビットコインは、2017年1月に10万円ほどの価格でしたが、その後は上昇が続き、暴落前の2017年12月には230万円までなんと20倍以上の上昇となりました。

ビットコインで大儲けした人が続出し、その噂は瞬く間に広がり、投資を一度も経験したことがない初心者が、大量に仮想通貨投資を始めたと言われています。

ワイドショーなども度々取り上げられ、「寝ているだけでお金が増える」と発言していた方もおり、まさに靴磨きの少年の話通りの状態でした。

結果は言わずもがなですが、230万円を付けた後、2018年に入りビットコインは暴落し、30万円近くまで下落する結果となっています。

2021年の米国株価指数

最近の事例(2022年1月時点)では、米株価指数が市場最高値を更新し続け、バブルの状態が懸念されています。

米株は右肩上がりで上昇し続けており、今後も長期的に見れば上昇する可能性は十分あるでしょう。

しかし、2021年くらいから、SNSを中心に「米株は永久に上昇するので持っていれば儲かる」と言った声が広がっており、初心者の参入が相次いでいます。

更に、レバレッジをかけた投資信託「レバナス」なども流行っており、過熱感が高まっている印象です。

米株に投資をするなら、短期的な暴落(調整)も計算に入れて、長期的な目線で取り組んでいきたいですね。

2022年11月追記

上記で米国株のバブルの懸念を説明しましたが、その後、世界的なインフレ加速と米国の金融引き締めにより、米株の代表的な指数であるS&P500は25%超も下落しました。

長期的に見れば再び高値を更新すると予想しますが、バブルで高値つかみしてしまった人は、しばらく含み損に苦しめられる事になります。

靴磨きの少年の話のまとめ

靴磨きの少年の話は、株価が天井圏にあり、近く暴落する可能性があることを知らせるストーリーです。

1929年代に作られた話ですが、内容は相場の本質をついており、現代にも通ずるところがあります。

普段から株や投資を一切しない人が、株に熱狂している時は、暴落を警戒していきましょう。



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