こんな疑問を解決!

  • 相場環境認識とは何?
  • FXで環境認識のやり方は?

FXでトレードをする際に、最初に行うべき分析は「相場環境認識」です。

相場環境認識をしないままトレードをすることは、相場の全体像を全くとらえていないままトレードすることと同じであり、勝率は大きく低下します。

今回の記事では、現役プロがFXの相場環境認識のやり方について徹底解説します。

相場環境認識をマスターすれば、FXのレベルは一気に向上するでしょう。

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役

  • 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
  • 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト

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相場環境認識とは

相場環境認識とは、一言で説明すると現在の相場がどんな状態であるのかを分析する最初のステップで、大きく以下の3つがあります。

相場環境認識の3つ

  • トレンドの認識
  • サポートとレジスタンスの認識
  • ファンダメンタルズの認識

 

相場環境認識について動画でも解説していますので、記事と一緒にご参考ください。

トレンドの認識

トレンドの認識とは、現在の相場がどのトレンドにあたるのかを認識することです。

上昇トレンド下降トレンド横ばい
相場環境 FXトレンド FXトレンド FXトレンド
取引買い売り様子見

その上で、上昇トレンドであれば「買い」、下降トレンドであれば「売り」、横ばいであれば基本的に「様子見」の選択肢を原則的に取ることになります。

ダウ理論によるトレンド判断の方法

トレンド判断の方法はいくつかありますが、代表的なものが「ダウ理論」です。

ダウ理論では、上昇トレンドは高値と安値がそれぞれ切り上がり、下降トレンドは高値と安値がそれぞれ切り下げる、と定義されます。

そして、一度発生したトレンドは「明確な転換シグナルが発生しない限り継続する」とみなします。

ここで言う明確な転換シグナルとは何でしょうか?

これは、上昇トレンドにおいて安値が切り下がる、下降トレンドにおいて高値が切り上がる、場合を指します。

つまり、上昇トレンドにおいて高値が切り上がる一方で安値が切り上がらず切り下がった場合、上昇トレンドが崩壊しレンジ相場になったとみなせます。

同様に、下降トレンドにおいて安値が切り下がる一方で高値が切り下がらず切り上がった場合、下降トレンドが崩壊しレンジ相場になったとみなせます。

参考書籍:クイズを解いて勝率アップ!FXチャート&資金管理実践トレーニング

サポートとレジスタンスの認識

サポートとレジスタンスの認識とは、トレンドの障害となるサポートラインやレジスタンスラインがどの価格水準に存在するかを認識することです。

例えば、現在のトレンドが上昇トレンドであったとしても、現在レートの少し上にレジスタンスライン(抵抗線)があった場合、買いエントリーは見送るかレジスタンスラインを上抜けした後に仕掛けた方が得策と言えます。

なぜなら、レジスタンスは価格上昇を阻む障害として機能するので、買いエントリー後にすぐ上のレジスタンスラインで反転してしまうリスクがあるからです。

サポートとレジスタンスの水平線については、以下の記事もご覧ください。

記事:水平線の正しい引き方とFXトレード手法を解説

ファンダメンタルズの認識

ファンダメンタルズの認識とは、経済指標や金融政策会合などのイベントスケジュールを把握することや、経済や金融政策などによる主要なトレンドを分析することです。

例えば、相場環境がリスクオフで円買い圧力が強まっている状況下、それらを全く認知せずに円売りを仕掛けるのは極めてリスクが高いと言えます。

記事:FXファンダメンタルズ分析で勉強すべき3大項目と役立つ情報源を紹介

上位足で環境認識をして下位足でエントリーを狙う

トレードの基本として、1種類の時間軸のチャートだけを分析してトレードをするのではなく、複数の時間軸のチャートを分析して戦略を立てる事が有効です。

この複数の時間足を分析することを「マルチタイムフレーム分析」と言い、多くのテクニカルトレーダーが使っています。

そして、トレードの流れは、①時間軸が長い上位足で相場環境認識を行い、②時間軸が短い下位足でエントリーポイントを探す、です。

環境認識で使う時間足

では、どの時間軸のチャートを使えばいいのでしょうか?

これはトレードスタイルによって分かれます。

絶対にこの時間軸でなくてはならないというルールはありませんが、下の表が各トレードスタイルに応じた上位足と下位足の目安となります。

4つのFXトレードスタイル
トレードスタイルトレード時間の目安上位足下位足
長期トレード数カ月以上月足
週足
日足
スイングトレード数日~数週間週足
日足
4時間足
1時間足
デイトレード数時間~1日日足
4時間足
1時間足
30分足
15分足
5分足
スキャルピング数秒~数分1時間足
30分足
5分足
1分足

ご自身の生活リズムやFXに費やせる時間などと相談し、ストレス無く取引できるトレードスタイルを確立していきましょう。

上位足で相場環境認識を行う

トレードの流れは上位足で相場環境認識を行い、その後、下位足に移ってエントリーポイントを探す「マルチタイムフレーム分析」です。

下図にように上位足と下位足を一緒にマルチタイムフレームで示して解説していきます。

まず、上位足がダウ理論でレンジまたは下降トレンドの時、下位足は「様子見」または「売り」をするエリアとなります。このエリアではそれ以外の選択肢は無く、買いは不可です。

それでは次に、高値aを抜けた時点で安値と高値がそれぞれ切り上がるので上昇トレンドとなり、「買い」を狙うエリアとなります。

ここで、上位足が上昇トレンドになったからと言って、闇雲にどこでもエントリーしていいわけではありません。

確かに上位足でその後にトレンドが続けば、どのポイントでエントリーしても最終的には利益が出ることになります。

しかしその反面、万が一予想が外れてトレンドが続かなった場合、適当な場所でエントリーしたトレードはエントリー価格も悪くなり、損切り幅も無駄に増えてしまいます。

上位足で上昇トレンドになったことを確認した上で、下位足で更に勝率の高いポイントを探ることで高勝率なトレードが実現できるのです。

下位足でエントリーを狙う

下位足でエントリーを狙うには、売買シグナルを見つけるテクニカル分析を使います。

テクニカル分析の種類は多数ありますが、おすすめは「ライントレード」です。

下図のチャートでは水平線を使って、5回の取引で+281pips(281銭)の利益を獲得しています。

面白いように水平に引いたラインで反転しているのが確認できますね。

ライントレードの事例1

  • 期間:2018年7月12日~2018年7月21日
  • 取引回数:5回
  • 合計利益:+281pips

 

なお、この記事で全部を解説はできませんので、実例の詳しい説明は、FX会社とのタイアップで口座開設にて無料プレゼントしている「ラインの王道」や「ラインの王道 刃」をご活用下さい。

相場環境認識のまとめ

相場環境認識とは、FXの取引をする前に、現在の相場がどんな状態であるのかを分析する最初のステップです。

相場環境認識には、トレンドの認識、サポートとレジスタンスの認識、ファンダメンタルズの認識があります。

時間軸が長い上位足で相場環境認識を行い、時間軸が短い下位足でエントリーポイントを探す流れを徹底することで、FXの勝率を大きく向上させることが可能です。



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