こんな疑問を解決!
- FXに必勝法や聖杯は存在するの?
- 必勝法を見つける方法は?
- 必勝法が存在しないならその理由は?
FXを始めたばかりの初心者は、確実に稼げる必勝法はないか探す傾向にあります。
本当にそのような「必勝法」は存在するのでしょうか?
結論から申し上げますと、FXで必ず勝てる必勝法は存在しません。
絶対に負けない手法のことを聖杯とも言いますが、いくら聖杯を探したところで見つかることはありません。
ただ、必勝法や聖杯が無くても、FXで稼ぐことは十分可能です。
そこで今回は、FXに必勝法が存在しない理由と、聖杯がなくても勝ち続けるために必要なことを解説します。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
FXに必勝法が存在しない3つの理由
FXに必勝法は存在しませんが、その理由は以下の3つです。
FXに必勝法が存在しない3つの理由
- テクニカルは勝率を上げるものに過ぎない
- バックテスト結果は将来を保証しない
- 必勝法が知れ渡ると優位性は消える
FXで勝ち続けて億万長者になる人が一定数いるため、FXに必勝法があると勘違いしてしまうのも無理はありません。
まずは、その誤解を解くために、FXに必勝法が存在しない理由を解説していきます。
テクニカルは勝率を上げるものに過ぎない
1つ目の必勝法が存在しない理由は、テクニカル分析はあくまで勝率を上げる道具に過ぎないという点です。
多くのテクニカル指標を組み合わせれば、正しいエントリーポイントを確実に見つけることができるのではないか?そう思う方は多いです。
しかし、そんなことをしても必勝法は見つかりません。
確かに、相場環境によって機能しやすいものや使い物にならないものなど、各テクニカル指標によって特徴は様々です。
お互いの苦手な部分を補完して、得意な部分の精度を高めれば、ひとつのテクニカル指標よりも効果を発揮することもあります。
ただ、そのようなテクニカルの組み合わせによる優位性は、決して聖杯になるようなものではなく、一定期間が過ぎれば機能しなくなります。
また、FXはテクニカル的な要因以外にも、企業などの実需の取引やファンダメンタルズでも相場が動くので、聖杯を見つけるために、いくらテクニカルのパズルを続けても時間の無駄です。
バックテスト結果は将来を保証しない
FXで必勝法が存在しない2つ目の理由は、バックテストはあくまで過去の成績で将来を保証しないという点です。
バックテストとは、システムトレード(売買ルール)の有効性を検証する際に、過去のデータを用いて、一定期間にどの程度のパフォーマンスが得られたかをシミュレーションすることです。
引用元: カブドットコム証券
過去のデータから最適解を見つけて、「これは素晴らしいバックテスト結果だ!」と必勝法だと勘違いしてしまう人も多いです。しかし、実際にその手法を運用してみると、十中八九散々な結果に終わります。
過去のデータを過剰に最適化することをカーブフィッティングといいます。このカーブフィッテイングをしても、なぜ必勝法を生み出せないのか?
その理由は、過去ある期間でたまたま機能していただけで、将来の運用では何の役にも立たない可能性があるからです。
相場の環境は日々変わっており、過去と現在とでは当然異なります。また、将来もどのように相場環境が変化するかは未知数です。
それにも関わらず、たまたま、バックテストした期間で上手くいった手法は偶然でしかなく、将来稼ぐ保証は一切ありません。
必勝法が知れ渡ると優位性は消える
FXで必勝法が存在しない最後の理由は、必勝法が知れ渡ると優位性は消えるという点です。
どうしてFXに必勝法が存在しないか?もっと、シンプルに考えてみましょう。
たとえば、FXの必勝法まとめのような記事に書いてある手法の中に、本当に必勝法があったらどうでしょうか?
多くの人が億万長者になるはずです。しかし、現実にそんなことは起こりえません。
百歩譲って、本当に必勝法があったとしても、多くの人が使用した瞬間に、市場での優位性は消えてしまいます。
全員が何の勉強もせずに経験も積まないで、楽して何億も稼ぐなんてことはあり得ません。そんなことが現実に起これば、世の中の人は、誰も働かなくなってしまいます。
高勝率な手法については、以下の「ラインの王道」教材(完全無料)をご利用下さい。
必勝法なしで勝ち続けるために必要な4つのこと
ここまで読んで、FXに必勝法がないことを理解していただけたと思います。
しかし、現実にはFXで勝ち続けている人は存在します。自分もそうなるためには、どうすればいいのでしょうか?
それでは必勝法がなくても勝ち続けるために必要なことを見ていきましょう。
必勝法なしでも勝てる方法4つ
- カーブフィッティングを避ける
- シンプルな短期アノマリーを優位性として利用する
- 複数の優位性に継続して少額ベットし続ける
- 機能しなくなった優位性は潔く捨てる
カーブフィッティングを避ける
過剰に最適化するのはよくありませんが、FXで稼ぐために過去のデータを検証する作業は必須です。
このとき、どうカーブフィッティングを避けるかが非常に重要になってきます。
カーブフィッティングを避ける方法はいくつかありますが、最も大事なことはただ単に結果が良くなるように総当たりでロジックを試すのではなく、なぜそうなるか仮説を立てて検証することです。
例えば、トレンドを順張りでとるためにどうすればいいか?トレンドが出ているとどうやって機械的に判断するか?押し目を機械的に判断するためにはどうすればいいか?など、仮説をもとにシンプルで汎用性の高い手法を確立させていけば、バックテストの結果だけをもとに数値を組み合わせた意味のない手法より、カーブフィッティングを避けることができます。
記事:FX検証の作業方法を初心者向けに分かりやすく解説【売買手法】
シンプルな短期アノマリーを優位性として利用する
優位性は大きく2つに分けられます。理由が明確で長期的にゆっくり効いてくるものと、理由は不明確だけと短期的に効果を発揮するものです。
前者はファンダメンタルズを利用した長期投資、後者は短期アノマリーを利用したトレードに使用されています。
企業業績をもとにした株式の長期投資は、優位性の恩恵を受けるのに非常に時間がかかります。
しかし、何千銘柄の中から複数銘柄を選んで投資することにより、手法自体の試行回数を増やして統計の偏りをなだらかにすることが可能です。
銘柄の少ないFXの場合は、前者よりも試行回数を増やしやすい短期アノマリーの方が相性がいいです。どの相場にも応用しやすい非常にシンプルな短期アノマリーを採用して、多くの期間でバックテストを試してみてください。
どの期間でもそれなりの結果を出せるのなら、余計な最適化はせずに採用しましょう。
あれこれロジックを組み合わせるのでなく、シンプルな短期アノマリーを多くの期間で試したほうが、間違いなくカーブフィッティングを避けやすいです。
複数の優位性に継続して少額ベットし続ける
シンプルな短期アノマリーをもとに作られた手法をいくつも作成します。そして、複数の銘柄ではなく、複数のストラテジーでポートフォリオを組み運用することが、必勝法がなくてもFXで勝ち続けるための秘訣です。
さらに、ひとつの手法に多くの資金を投入せず、各手法に少額ずつベットし続ければ、比較的安定した右肩上がりの資産推移が可能になるでしょう。
機能しなくなった優位性は潔く捨てる
実戦で運用していると、いつかは必ず優位性がなくなります。このとき、多少のメンテナンスは必要ですが、大幅に変更しなければいけない場合は潔く捨ててしまいましょう。
所詮は短期的なアノマリーです。あまりありがたがってはいけません。
聖杯はないのですから、一つの手法のメンテナンスに時間を割くより、ストラテジーのポートフォリオ全体のメンテナンスに力を入れるべきです。
速やかに新たに作成した手法と、機能しなくなった手法を入れ替えましょう。
FXに必勝法が存在しない理由のまとめ
FXに聖杯がないことを受け入れることで、攻略法を探す無駄な時間をなくすことができます。
また、攻略法がなくてもFXで勝つために努力を惜しまなくなるはずです。
カーブフィッティングを避けて、多くのシンプルな手法を生み出すためにも、FXの基礎的な知識の底上げを怠らないでください。また、バックテストだけでなく実戦の結果からも多くのことを取り入れてみてください。