こんな疑問を解決!
- FXトレードの検証は具体的に何をすればいいの?
- どうして検証をする必要があるの?
- 検証で売買手法を強化する方法は?
FXは「勝者は2割弱、敗者は8割強」と言われるほど、厳しい世界でもあります。
一度や二度であれば誰でも勝てるのですが、継続して毎月利益を重ねていくとなると、一部の一流トレーダーしか実践できていないのです。
勝者と敗者の差は何でしょうか?
結論から言うと、「検証をどれほど重要視しているのか」「どれだけ明確な検証ができているのか」が大きく関わっています。
そこで今回の記事では、具体的な検証方法についてお伝えしていきます。
一度も検証をしたことが無い人は、まずFXで稼いでいくのは難しいと言えますので、この記事をじっくり読んでみましょう。

鈴木 拓也
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
- 東京工業大学大学院修士課程修了(工学修士)
- メガバンクの本店・香港支店で為替ディーラー業務を経て投資家/実業家に転身
- 株式会社フィンテラス代表取締役
FXの検証が必要な2つの理由
「FXは検証が大切」とはよく耳にするものの、FX初心者であれば、具体的にどうすればいいのかよくわからないかもしれません。
まずは、FXの検証は何のためにするのかを明確にしていきましょう。
FXの検証が必要な理由
- 改善点を把握し精度を高めるため
- トレードルールを作るため
理由1:改善点を把握し精度を高めるため
1つ目の理由は、自分の改善点を把握し精度を高めるためです。
プロ野球選手は、自分のピッチングフォームやバッティングフォームを撮影しておかしな点はないか、改善すべき点はないか常に確認しています。プロゴルファーも同様です。スイングフォームの他、アドレスまで細かくチェックします。
自分のイメージと、実際の行動を客観的に見比べてみると、かなり違っている点があるのです。自分は理想通りにやっているつもりでも、実はグリップが下がっていて、しっかりミートできなくなっていたりします。
これは後からの振り返り、「検証」をしてみないと気づかないのです。そして検証することによって、よりブラッシュアップし、自分のスイングの精度を高めることができます。
FXでも同じことが当てはまります。
勝った、負けたで一喜一憂していても成長はできません。後からしっかり検証することで、自分がどんな場面で、どんなエントリーやエグジットをしていたのかを見つめ直し、成功や失敗した要因を把握することができます。感情的になってしまい、思わぬエントリーなどしているかもしれません。
こうして検証を繰り返し、トレーダーとして成長していくのです。
FXで勝てるようになるためには検証を欠かすことはできません。
理由2:トレードルールを作るため
2つ目の理由はトレードルールを作るためです。
FXの検証は、自分の癖や改善すべき点だけを見つけるだけでは不十分です。
「本当にエントリーすべきタイミング」「損失を最小限に抑えるためのタイミング」「利益を確定すべきタイミング」といったものは、過去の為替相場の動きを分析しなければ見えてきません。
つまり、過去の為替相場の動向も検証し、どんなトレードルールにすれば勝てるのかを考えていく必要があるのです。
もちろんFXに関する書籍やセミナーなどで、知識を蓄え、情報を得る機会は多くありますが、FXは実践も積まないと見えてこないものがあります。
ですからインプットだけでも、アウトプットだけでも成長できません。
インプットとアウトプットをバランス良く行い、さらに検証することで、「勝つためのトレードルール」が作られていきます。
これは自分の改善点と過去の為替相場の動向を両方加味したものです。このトレードルールに従って取り引きしていくことで、勝率は今までよりも安定していくようになります。
FXの検証方法
それでは、具体的なFXの検証方法についてお伝えしていきます。
「何を使って」「どこまで振り返るのか」ということがポイントです。
取引業者で提供しているトレードプラットフォームも有効活用していきましょう。
検証で使用するチャートとツール
まず、過去の為替相場を検証するためにはチャートソフトが必要です。
チャートは基本的に、過去一定期間の表示が可能であれば何でも大丈夫ですが、検証作業で特におすすめのチャートがMT4(メタトレーダー4)です。
MT4は、「ゴールデンウェイ・ジャパン」などのFX会社が提供しているもので、もちろん完全無料で使用することが出来ます。
その他チャート:FX初心者におすすめチャートソフトと取引ツール・アプリランキング
表示できる期間ですが、最低でも過去1年分は必要と言えます。
出来れば過去5年、10年もあれば越したことはないですが、世界情勢や金融環境は常に変化していますので、出来るだけ新しい記録に重点を置くようにしましょう。
チャートで確認するべき項目
チャートで確認するべき項目は主に以下の点です。
チャートの確認項目
- 高値、安値、終値はどう推移しているのか(トレンド)
- 売買シグナルはどこまで信頼できるか
- 時間帯や期間によって売買シグナルの信頼度は変わるか
ある程度確認していったら、共通する値動きも見つかります。
そうしたらその先のチャートを隠して予想してみることです。予想外の動きをしている場合もあれば、予想通りの動きもあるはずです。再現性の高い手法をトレードルールには採り入れていきましょう。
ここで、検証をする大前提として、自分の売買手法がある程度固まっている必要があります。
ゼロから検証で売買ルールを見つけるのは膨大な時間がかかり非効率なので、まずは本や教材で売買手法を学習しましょう。
テクニカル分析の学習をされたい方は、FX口座開設で無料プレゼント中の「ラインの王道」もご利用下さい。
その他、初心者の方は、いろいろなインジケーターがありますので、まずは有名なものをいくつか確認してみることです。
「移動平均線」は短期・中期・長期を組み合わせ初心者に人気の手法です。
他には「一目均衡表」や「MACD」「ボリンジャーバンド」などを確認し、売買のシグナルが出たところで実際にどのような値動きをしているのか見比べていくのです。
時間足によって通用するインジケーターのシグナルは変わってくるでしょう。そのあたりの見極めもとても重要になってきます。
どの時間足で、どのインジケーターが、どんな反応をしたときが売買のシグナルになっているのか地道に分析していきましょう。
検証の具体的なステップ
ここからはFXトレードの具体的な検証方法を解説していきます。
検証のステップ
- 自分のトレードを記録する
- 記録を振り返り改善点を探す
- PDCAサイクルを回す
ステップ1:自分のトレードを記録する
まずは、自分がどんな場面でトレードしたのか記録しましょう。
トレードプラットフォームの中にも発注記録は残されていますが、別途自分で記録しておくと振り返りにもなります。
ノートに記していくのでもいいですし、Excelに取り引き履歴や損益を入力していくのも効果的です。
Excelであればどの時間足を参考にしたのか、どのインジケーターを参考にしたのか、どのくらいのポジション量だったのか、どの価格でエントリーして、どの価格でエグジットしたのか、損益はどのくらいか、フィルターをかけて項目ごとに検証することが簡単にできます。
ステップ2:記録を振り返り改善点を探す
次に、記録を振り返り、改善点を徹底的に探しましょう。
記録をしただけで満足してしまう人が多いですが、それでは全く意味がありません。
改善行動をすることではじめて勝率は高まっていきます。
一流のトレーダーに一歩近づくことができるのです。
ステップ3:PDCAサイクルを回す
ステップ1と2が完了したら、後は「PDCA」サイクルを徹底的に繰り返すことです。
「PDCAサイクルを回す」ということは、何事を成功させるにも重要な要素です。
「Plan」(トレードルールを決める)→「Do」(トレードルールに則って実行する)→「Check」(検証する)→「Action」(改善行動をする)。
こうしてトレードルールはブラッシュアップされていきます。
ちなみに完璧なトレードルールを見つけ出すことは不可能ですので、そこは追い求めないようにすべきです。
8割の確率で勝てるのであれば立派なトレードルールと言えます。検証によって目標とすべきラインだと言えるでしょう。
ただし、損失幅と利益幅の比率であるリスクリワードには常に注意しましょう。
記事:FXのリスクリワードとは?勝率90%でも破産する理由をズバリ解説!
FXの検証で勝てるトレーダーを目指そう
未来において過去のチャートとまったく同じ値動きになることはありません。しかし、高い確率で同じような動きになるシグナルもあります。自分がそのチャンスにしっかりとエントリーできているのかどうか検証してみてください。
検証の結果、「こんなところでエントリーしているのだから負けて当然」ということがわかるだけでも大きな前進です。失敗は成功の基と言います。検証によって、トータルで勝てるトレーダーをぜひ目指してください。



とても参考になりました。
ありがとうございます。
自分では検証はしてるつもりでいましたが、具体的に教えて頂き自分の検証がかなり適当だったということがわかりました。
エクセルでの検証をやってみます。言われていた通り、自分の失敗をムダにはしたくないので。