多くのトレーダーに愛用されているテクニカル分析の手法に、「ボリンジャーバンド」があります。

一見複雑そうに見えるインディケーターの「ボリンジャーバンド」も、その使い方を覚えれば、トレードをするタイミングや利益確定のポイントを教えてくれる有益なツールとなります。

今回は、ボリンジャーバンドの基本的な見方から、実際のトレードでの使い方等について説明をしてきます。

1. ボリンジャーバンドの概要

ボリンジャーバンドは、米国の投資家であるジョン・ボリンジャー氏(1980年代)が開発したテクニカル分析手法の一つです。ボラティリティ(価格変動率)を示す標準偏差が利用されており、相場の方向性を示すだけでなく、ボラティリティの変化に応じてバンドが縮まったり広がったりする非常に優れたテクニカル分析ツールです。

1.1  ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドの基本構成ですが、下図のように標準偏差を利用して表示されたバンドが上下に3本ずつ(合計6本)表示されます。

真ん中の赤線は移動平均線であり、上側に+1σ、+2σ、+3σ、下側に-1σ、-2σ、-3σのバンドがそれぞれ引かれます。

ちなみに±1σ、±2σ、±3σの標準偏差の意味は、以下のパーセンテージでレートがそれぞれのバンド内に収まるという意味です。

1σ=68.26%
2σ=95.44%
3σ=99.74%

ここで、理論的には、ローソク足の68.26%が±1σのバンド内を推移し、95.44%が±2σのバンド内を推移するということになりますが、例えばレートがバンドの±2σに達したからといってそこで逆張りでエントリーをするのは危険です。

これは後ほど、詳しく説明しますが、ボリンジャーバンドには、レートが急激に動いた時には、そのままレートがバンド上を走るという性質があるからです。

1.2 ボリンジャーバンドの基本設定

ここでボリンジャーバンドの基本的な設定値について説明します。

最も一般的に使用されているパラメーターは、以下の通りです。

・真ん中の移動平均線は期間20の単純移動平均線
・バンド±2σ

移動平均線の期間はデフォルトでは20が設定されており、ほとんどの投資家がこの数値を使っていると思いますので、特に変更する必要はないでしょう。

また、ジョン・ボリンジャー氏が推奨しているバンドは、±2σと言われています。というのも、±1σのバンドは頻繁に到達してしまう他、±3σのバンドはほとんど到達しないため、最も使い勝手がいいのは±2σです。

1.3 ボリンジャーバンドによる逆張りは危険

ボリンジャーバンドでは、±2σのバンドには、95.44%の確率でレートがバンド内に収まることを説明しました。

ここで、単純にレートがバンドの上限に達したから売り、下限に達したから買い、と逆張りのトレードをすることは危険です。

なぜなら、実際のチャートではレートがバンドに到達した後、さらにトレンドが加速し、レートがバンドに到達したものの反転しないケースが相応にあるためです。

2. ボリンジャーバンドによるトレード手法

ここからは、ボリンジャーバンドを使った実際のトレード手法を説明していきたいと思います。今までボリンジャーバンドを使っていなかった方も、この使い方を覚えておくだけで、トレードの引き出しが増えますよ。

2.1 エクスパンションとスクイーズを使ったトレード

ボリンジャーバンドを使ったトレード手法の中でも、最も有名で勝率が高いと思われるのが、このスクイーズからエクスパンションが発生する際のトレードです。

「スクイーズ」とは、下図のように上下のバンドの幅が狭くなっている状態のことです。相場はトレンドが出ていないレンジ相場であり、ボラティリティ(価格変動率)が小さい状態であることを示しています。

そして、上下のバンドの幅が急拡大している状態が「エクスパンション」です。スクイーズで、相場は次なる大きな動きに向けてマグマをためている状態であり、何らかの拍子にその拮抗が崩れると、溜まっていたマグマが一気に噴き出すように、バンドが拡大し、レートが急激に動きだします。

では、スクイーズとエクスパンションを使ったトレード手法を説明していきます。

先ほど説明したように、スクイーズは次の爆発(レートが急に動き出す)前に相場がエネルギーを溜め込んでいる状態であり、ボリンジャーバンドでスクイーズが確認されたら、エクスパンションが起こる時を狙っていきます。

下図のチャートでは、最初、長いスクイーズの後、何かの拍子に拮抗が破れ、レートが急落しています。この時、ボンジャーバンドは上下にバンドが拡大していますので、このままレートが走る可能性が高く、ローソク足がバンドの外でクローズしたのを確認して、(1)で売りエントリーします。

 

そして、利益確定のタイミングは、バンドの反対側に着目し、反対側のバンドが反転したのを確認して利益確定をします。今回の場合ですと、上側のバンドも一緒に広がっていますが、(2)のポイントで広がったバンドが縮まりそうであり、ここで利益確定するのが、ボリンジャーバンドの定石です。

なぜなら、バンドが急拡大することは、ボラティリティが上昇しているので、一気にレートがその方向に加速する可能性を示唆しているのですが、バンドが縮むということはボラティリティが低下し、一旦そのトレンドも勢いが弱まる可能性があることを示しているからです。

上図の例では、その後、もう一度スクイーズが起きて、エクスパンションが発生しています。この時は、(3)でローソク足がバンドの外側でクローズしているのを確認して買いでエントリーし、(4)でバンドが縮まりかけているのを確認して売り決済をします。

その後、レートはじりじりと上昇していますが、バンドが縮まり反転するリスクもあるので、ボリンジャーバンドを使ったトレードではバンドの縮まりでクローズが一般的なのです。

スクイーズとエクスパンションによるトレード手法のまとめ
・スクイーズから、エクスパンションが発生するタイミングを狙う
・エクスパンションの時、ローソク足がバンドの外側でクローズしたのを確認してエントリー
・反対のバンドが縮まったのを確認して利益確定

 

2.2 ±1σを使ったトレード手法

±2σでのスクイーズとエクスパンションがボリンジャーバンドの最も有名なトレード手法ですが、±1σにも使い道はあるのです。

それは、±1σを超えたタイミングで順張りのエントリーをし、±2σで決済をするという手法です。

前述で、±2σは95%の確率でレートがそのバンド内に収まることを説明しましたが、エクスパンションなど、レートが一気に拡大することがありますので。逆張りでエントリーすることは危険だと説明しました。しかし、逆に、±2σもしくは±3σに到達したら、ポジションをクローズするということであれば、特にレンジ相場の場合など、±2σ、±3σは有効に機能します。

 

例えば、下図のチャートであれば、(1)のポイントで+1σのボリンジャーバンドを下から上へ突き抜けた時点で買いでエントリーをし、+2σか+3σへ到達した時点で売りの決済をします。

もちろん、意に反してレートが+1σを付けた後に反転する可能性もあるので、損切りもボリンジャーバンドの真ん中の移動平均線か反対の-1σに設定をしておけば、リスクは限定されます。

また、以下のポイントでのエントリーも出来ますね。

(2)売りでエントリー
(3)買いでエントリー
(4)売りでエントリー
(5)買いでエントリー

細かいエントリーのタイミングや、利食いのタイミングは、自分でルールを決めるところです。例えば、エントリーのタイミングでは抜けた瞬間にエントリーするよりも、ローソク足の終値が±1σの外側で確定した時点でエントリーする方が勝率はあがります(もちろん利幅は少なくなります)。そして、利食いも、例えば、±2σ、±3σに達した瞬間ではなく、それらの内側でローソク足の終値が引けたことを確認すれば、レートが勢いづき、バンドを外側を走る動きをとらえて利益を伸ばすことが出来ます。

※どのテクニカル分析手法でもそうですが、100%の確率で勝てる手法なんてものはこの世に存在しません。上記の手法ですと、非常にボラティリティが小さい時などは、レートが±1σ内でちょろちょろ推移していると、±1σ抜けで順張りでエントリーしても、その後レートは反転し、負けてしまうというリスクもあります。

ボリンジャーバンドで、例えば移動平均線の向きや角度など、そして他のテクニカル分析を組み合わせてフィルターをかけることで、より勝率の高いトレードが可能となるのです。

他のテクニカル分析の詳細はこちら

トレンドラインの引き方、役割、トレードの仕方|FXテクニカル分析[基本編]

移動平均線の使い方・見方・トレード手法・分析大全|FXテクニカル分析[基本編]

ダウ理論とは?使い方とトレード手法|FXテクニカル分析[基本編]

3. まとめ

以上、ボリンジャーバンドの見方と実際のトレード手法を見てきました。

ボリンジャーバンドを単純な逆張りのトレードで使うことは危険であり、スクイーズ(マグマが溜まっている)からのエクスパンション(爆発)をとらえてトレードすることが非常に有効です。

また、一般的には±2σが使われていますが、±1σや±3σをエントリーのタイミングや利益確定のタイミングに使用することも出来ます。

今回は説明できていませんが、ボリンジャーバンドとオシレーター(RSIやストキャスティックス)などのインディケーターを組み合わせてトレードをする手法も有効です。

今回紹介したトレード手法以外も、まだまだボリンジャーバンドの有効な使い方はありますので、是非使いこなせるようになりましょう。



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