こんな疑問を解決!
- なぜ外国為替相場は変動するの?
- 外国為替相場が変動する要因は何?
- 外国為替相場を予想する方法は?
今回はこんな疑問を解決していきます。
「外国為替相場ってそもそもどんな要因で変動するんだろう?」
FXをこれから始める人やビジネスで初めて外国為替(※為替とも言います)と関わる人にとって、為替がどんな背景で動くのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、メガバンクで為替ディーラーを経験し、外国為替市場の最前線を経験してきた筆者が、「為替相場がそもそもどうして変動するのか、その理由と要因」について初心者でも理解できるように説明していきます。
今回の記事を最後まで読めば、複雑そうに思える為替相場をスッキリ理解することが出来るでしょう。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
為替相場が変動する要因を動画で学ぶ
動画で為替相場が変動する要因について分かりやすく解説をしていますのでご覧ください。
動画が見れない方はスキップして、文章でも学んでいくことができますよ。
為替相場が変動する4つの要因
為替相場が変動する要因は挙げれば切りがありませんが、大きく分けると4つの要因が挙げられます。
為替相場の変動要因
- ファンダメンタルズ要因
- 実需要因
- 政治的要因(地政学的要因)
- テクニカル要因(心理的要因)
外国為替相場には世界中の数多くの参加者(プレイヤー)が存在しており、相場感もプレイヤーの数だけ分かれます。
例えば、為替の売買をして為替差損益を狙う機関投資家やヘッジファンド、輸出企業や輸入企業のいわゆる実需の企業、個人のFXトレーダー等々、さまざまなプレイヤーが存在し、彼らの為替の売買によって、相場が動いていきます。
それでは、それぞれの変動要因を詳しく見ていきましょう。
為替変動要因①:ファンダメンタルズ
ファンダメンタルズ要因とは、経済の状況や金融政策の動向によって為替が変動することです。
具体的には以下のような事例が挙げられます。
- 米国の景気が拡大→中央銀行が金融政策を引き締め→米ドル金利が上昇→米ドル買い
- 中国景気が減速→中国から資金を引き揚げる動きが加速→人民元売り外貨買い
基本的に、為替の大きなトレンドを決めるのは、このファンダメンタルズ要因だと考えていいでしょう。
というのも、為替相場のトレンドは、基本的に巨額のマネーを動かす機関投資家(生保や銀行等)やヘッジファンドなどの動きに左右されるものであり、彼らは何を重要視しているかというと、ファンダメンタルズ分析だからです。
短期筋の売買が相場を動かすこともありますが、その後、機関投資家やヘッジファンドなどが動かない限り、大きなトレンドは発生しないでしょう。
ファンダメンタルズについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:FXファンダメンタルズ分析で勉強すべき3大項目と役立つ情報源を紹介
また、経済動向を確認する方法として、各国から発表される経済指標のチェックが挙げられます。詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:FXで重要な経済指標10個と早く結果を知れるおすすめアプリ
為替変動要因②:実需
需給要因は、輸出企業や輸入企業など実需に絡む外国為替取引が相場に影響を与えることです。
例えば、以下のような具体例が挙げられます。
- 日本の輸出が拡大→外貨売り円買い取引の増加
- 日本企業によるM&Aが拡大→外貨買い円売り取引の増加
これは、例えば「ゴトー日(5と10が付く日。商習慣から日本企業の為替取引が集中)」や「仲値」、「月末や期末」などの時期は、実需に絡む取引が集中しますので、為替相場がいつも以上に動くことがよくあります。
為替変動要因③:政治的(地政学的)
政治的要因(地政学的要因)とは、各国の政変や紛争などが為替動向に影響を与えることです。
例えば、以下のような具体例が挙げられます。
- プラザ合意でドル高是正措置→ドル売り円買い
- アメリカでテロが発生→ドル売り
最近ですと、トランプ大統領が就任し、大規模なインフラ投資や大幅減税を掲げ、米国の景気回復期待が高まりましたので、それによってドルが相対的に強くなるということがありました。
また、北朝鮮がミサイルを発射すると、地政学的リスクが高まり、リスクオフから円高(円買い)が進みます。
なぜ、リスクオフで円高になるかについての詳細は、以下の記事で学習ください。
為替変動要因④:テクニカル(心理的)
テクニカル要因(心理的要因)とは、チャートポイント付近でそれを意識した投機的な動きが出ることです。
例えば、「ドル円がサポートラインを割り込んだ→ドル売り円買いの加速」などが挙げられます。
テクニカル的要因は、短期筋のトレーダーや投機家が意識しているポイントでしょう。
FXのテクニカル分析について詳しく知りたい人は、以下の記事ご覧ください。
関連記事:FXテクニカル分析とは?初心者におすすめ9種類を現役プロが解説
為替相場の変動要因のまとめ
以上を整理していくと、為替相場が変動する主な理由や要因は以下の4つが挙げられます。
為替相場の変動要因
- ファンダメンタルズ要因
- 実需要因
- 政治的要因(地政学的要因)
- テクニカル要因(心理的要因)
これらの要因が密接に絡み合って、為替相場が動いていますので、一つの要因だけ分析するのではなく、それぞれの要因を見極めた上で相場感を身に付けていくことが重要になってきます。
大きなトレンドの一番の影響がファンダメンタルズ要因ということなのでトレンドに確信を持つためにも情報をちゃんと理解できるように継続して情報を読み込む時間を作ろうと思いました。
いつも有益な情報ありがとうございます。
日本の輸出拡大で円買いになったり、日本企業のM&Aの拡大で円売りになる理由を教えてください
記事に記載している通り、日本の輸出が拡大すると、輸出企業は海外で物を売っている企業ですので、海外で得た外貨を売り円を買う取引が増加するからです。
M&Aも海外の企業を買収するためには外貨を用意する必要があるので、円を売って外貨を買う取引が増えるからです。