FX(外国為替証拠金取引)では、為替差益(キャピタルゲイン)を狙って、今後の為替レートを予想する方法は2種類に分けられます。

ひとつは、チャートを分析する「テクニカル分析」です。テクニカル指標となるインジケーターを有効活用していくことになります。

もうひとつは、景気動向や金利などの情報を活用する「ファンダメンタルズ分析」です。

基本的には、短期の展望はテクニカル分析で行い、中・長期の展望はファンダメンタルズ分析を用います。

ただし、重要な「経済指標」の発表時は、やや傾向が異なります。

わずかな時間でボラティリティが大幅に上がることがあるからです。

ボラティリティが上がる、つまり為替レートが大幅に変動するということは、大きく勝つチャンスでもあります。

ですから、トレーダーの中には、重要な経済指標時に合わせてトレードするというケースも多く見られます。

はたして、重要な経済指標の相場への影響はどれほどのものなのでしょうか。

FX初心者にとっても、経済指標発表時はトレードするチャンスなのでしょうか。

今回は、FX初心者が注目すべき経済指標は?という内容でお伝えさせていただきます。

米国の主要な経済指標の特徴

雇用統計とFOMC

各国で経済指標は発表されます。日本であれば、四半期ごとに発表される「全国企業短期経済観測調査」(日銀短観)が、最も注目を集める経済指標でしょう。「金融政策決定会合後の日銀総裁の記者会見」や「金融経済日報」も市場に影響を与えます。

また最近ですと、日銀の政策目標になっている消費者物価指数(CPI)の動向にも注意していく必要があります。

日本銀行が発表する経済指標以外では、内閣府が発表する「国内総生産」(GDP)や、「景気動向指数」などが重要視されています。

しかし世界経済の中心は米国です。米国の経済指標は、絶大な影響力を持っています。FX初心者もまずは、米国が発表する経済指標だけは必ずチェックする習慣をつけましょう。

その中でも、毎月第一金曜に発表される「雇用統計」は、「キング・オブ・経済指標」と呼ばれています。雇用統計の中では、「非農業部門雇用者数」(NFP)、「失業率」、「時間あたりの平均賃金」などが注目されます。

事前予想と大幅なズレが起きることが多く、「ポジティブサプライズ」、「ネガティブサプライズ」となって、ボラティリティが急激に上がります。100pips以上の変動があり得ると覚悟しておくべきです。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)によって、決定されるフェデラルファンドレート(FF金利)の誘導目標値の変動にも注目すべきでしょう。

金利がより高い国には通貨が流れる傾向があります。金利が上がれば、通貨が上昇傾向があるというのが基本的な考え方です

その他の重要経済指標

米国の経済指標には、上記以外にも重要な経済指標は多くあります。

四半期ごとに発表される「国内総生産」(GDP)は、特に速報値が発表される「4月」「7月」「10月」「1月」がポイントです。

全米供給管理委員会(ISM)が実施した製造業の購買担当役員へ実施したアンケート結果となる「ISM製造業景況指数」もあります。50%が景気拡大、景気後退の境とされていますが、比較すべきは事前予想との乖離です。

最近は特に米国のインフレ率を懸念する傾向がありますので、「消費者物価指数」(CPI)や、「生産者物価指数」(PPI)は、景気動向や今後の金融政策を見通すうえで大切な経済指標になります。

他にも雇用統計の先行指標とされる「ADP雇用統計」もあります。給与計算会社ADP社による統計なので、政府機関の雇用は含まれていませんが、雇用統計と共に市場への影響度は高い特徴があります。

ただ、雇用統計との相関はそこまで強いものではありません。ADP雇用統計が先に発表となりますが、こちらがポジティブサプライズでも、肝心の雇用統計はネガティブサプライズになる可能性がありますので、注意が必要になります。

ちなみに市場に影響を与える米国の経済指標は、100はあると言われています。「小売売上高」、「鉱工業生産指数」、「住宅着工件数」なども確認しておくべきです。

 

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の基礎について学びたい方は、以下の記事もご参考下さい。

記事:ファンダメンタルズ分析とは?|FX入門初心者講座

記事:テクニカル分析とは?|FX入門初心者講座

経済指標発表時はトレードのチャンスなのか?

発表時のトレードの難易度

米国の重要経済指標の発表時間は、市場が最も活発化する日本時間の夜にあたります。日本人の多くの人が仕事を終了して、帰宅している時間帯なので積極的に参加することができますね。

1円以上の変動があるのならば、1万通貨で1万円の利益を出すチャンスですし、10万通貨であれば10万円もの利益をわずかな時間で獲得することが可能です。

ただし、重要な経済指標の発表時は「トレードの難度がとても上がります」。

大きな問題は、情報の遅れです。とは言っても3分も遅れることはありません。秒単位の遅れになります。

プロトレーダーの機関投資家は高額な資金をつぎ込み、情報を0.1秒でも早く獲得できる設備を整えています。ここにFX初心者が対抗することは難しいです。

すると、発表直後の初動に惑わされることになるのです。発表の情報を入手できていない状態で、為替レートが急騰すると、上がりだと思ってエントリーすることになります。しかし、実際の経済指標は低迷しており、ここから急落したりするのです。ここでストップロス(損切り)となるケースが多くなります。急落したので下降トレンドになったと慌てて売りに出すと、今度は高騰し始めたりします。

しかも発表直後はスプレッドが極端に広がるため、エグジットしにくい状態になります。スリップページが発生したり、約定しにくいといったトラブルが発生しやすいのもこのタイミングです。

結果として激しい変動に振り回されて、損失ばかりを出すことになってしまいます。

発表後のトレンド形成には乗ろう

つまり、重要な経済指標の発表直後にトレードし、為替差益を生むことはFX初心者にとってとても難しいということです。

確かに1円以上の変動、(100pips以上の変動)は魅力的です。しかし、値動きが激しいことで、規定していた損切りラインをあっと言う間に突破するリスクも伴います。「ストップロス狩り」の標的にされてしまいます。

「リスク管理」の視点から見ると、「経済指標発表時のトレードは控える」べきです。

ただし、重要な経済指標の結果によって、トレンドが強まる傾向はあります。発表後、少し時間を空けて様子を見て、トレンドが強まっているようであれば、そこにはしっかり乗っかるというのが無難です。

発表直後の大きな変動がトレンド発生だと思い込むと、ダマシの可能性が高いので、焦らずにじっくりと状況を観察していきましょう。

まとめ

重要な経済指標の発表時のトレードは控えた方がいいとは言っても、確認は必ず必要ですし、市場の動きも注意してください。

事前予想を上回る経済指標の結果だったのに、市場は動意薄というケースもよくあります。これはそれ以上に関心を集めている要因が他にあるからです。それが地政学リスクなのか、貿易紛争なのか、トレードしていくても、そこまでしっかり分析を進めていきましょう。

これを毎日継続することで、「ファンダメンタルズ分析」の力を高めることができ、トータルで勝つことができるトレーダーに近づいていくことができます。

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鈴木 拓也

東京工業大学大学院卒。メガバンクの国内・海外支店にて為替ディーラー業務を経験後、独立。現在は、自己資金で投資を行う傍ら、FXを中心とした投資スクールを運営。日本証券アナリスト検定協会会員(CMA)。