こんな疑問を解決!
- FXの税金はいくらかかるのか?
- 税金を払わないとどうなるのか?
- 節税対策はどんな方法があるのか?
毎年年末になると、2月中旬から始まる確定申告の時期が迫ってきます。
「どうせバレないし、税金を払わなくてもいいか・・・」
そんなことを考えているあなたはかなり危険です!
FXの収益はFX会社から税務署に提出されているので、データとしてずっと残っています。
そして、税務署の人達は、誰が税金を払って誰が払っていないかなんて、簡単に調べることが出来るのです!
しかも、脱税をすると重加算税(追加で払う税)が課せられて、通常よりも更に税金を支払わなければならないので、デメリットしかありません。
今回の記事では、FXの税金はいくらかかるのか、節税対策はどんなものがあるのか、そして、確定申告のやり方等について解説をしていきます。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
FXの税金の仕組みについて
それでは、まずはFXの税金の仕組みについて詳しく説明していきます。
知らなかったでは済まされないポイントもあるので、しっかりと理解していきましょう。
FXでいくら稼いだら税金が発生するのか?
FXっていくら稼いだら税金が発生するの?
給与を受け取っている会社員か、自営業・フリーターなどによって申告が必要になる利益は変わるんだ!
FXの課税対象の例
- 会社員(給与が2,000万円以下)と年金生活者(年金収入額が400万円以下)は、20万円超の利益が出た場合
- 自営業・フリーター・学生・主婦などは、38万円超の利益が出た場合
FXは申告分離課税の対象です。申告分離課税とは、給与など他の所得とは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する課税方式のことです。
年収が2,000万円以下の会社員などがFXで20万円超の利益を得た場合には、確定申告して税金を納める義務が発生します。
一方、自営業や学生、主婦などの場合は、38万円超の利益から確定申告が必要になってきます。
FXの税率は国内FXと海外FXで変わる
FXの税率っていくらなんですか~?
国内のFX取引に課される税率は一律で20.315%だよ!でも、海外FXの場合は総合課税になるので、税率が変わるよ!
FXの税率は、使用しているFX会社が国内業者の場合と海外業者の場合で異なってきます。
利益が少ない場合には海外FX業者の方が有利な場合がありますが、利益が大きくなると一律20.315%である国内業者の方が断然有利となります。
国内FXと海外FXの場合の税率の違い
- 国内FXの場合:FX(外国為替証拠金取引)で発生した利益の税率は、一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
- 海外FXの場合:海外FX会社を使って得た利益の場合、上記の申告分離課税が適用されないので、総合課税が適用
海外FX会社を使用して場合、利益額によって税率が以下のように変わってきます。
課税所得金額 | 税率 | 税率内訳 |
---|---|---|
195万円以下 | 15% | 所得税5%+住民税10% |
195万円超~330万円以下 | 20% | 所得税10%+住民税10% |
330万円超~695万円以下 | 30% | 所得税20%+住民税10% |
695万円超~900万円以下 | 33% | 所得税23%+住民税10% |
900万円超~1,800万円以下 | 43% | 所得税33%+住民税10% |
1,800万円超~4,000万円以下 | 50% | 所得税40%+住民税10% |
4,000万円超~ | 55% | 所得税45%+住民税10% |
※2013~2037年まで、上記に加えて復興特別所得税(所得税×2.1%)が課されます。
FX利益の計算例
例えば、FXで年間利益が2,000万円発生した場合、国内FXと海外FXで税金は以下の通りになります。(簡略化のため、復興特別所得税は除く)
国内FXでは、2,000万円 × 20% = 400万円
海外FXでは、2,000万円 × 50% = 1,000万円
この場合、国内FXに比べて、海外FXでは600万円も多くの税金を支払う必要が発生します。
海外FXの場合、利益が1,800万円をこえると、税率が50%超になるんですね…
その通り!海外FXは高いレバレッジがかけられるから人気があるけど、稼げば稼ぐほど、税率が高くなる総合課税が適用されるんだよ~!1億円稼いでも、半分以上は税金で持っていかれる。でも、国内FXなら20%程度で済むからね!
国内FX業者と海外FX業者のその他の違いは、以下の記事をご覧ください。
記事:海外FXをプロが絶対おすすめしない理由と注意点やデメリット
FXで課税される利益について
ちなみに、決済していないポジションの評価益にも税金は発生するんですか?
未決済ポジションの評価益(含み益)やスワップポイントの利益は課税対象とならないよ。利益確定して初めて課税対象となるんだ!スワップポイントも同じだよ!
FXの課税対象となる利益は、決済して確定した為替利益とスワップポイントから、必要経費を差し引いた「所得」に対してかかります。
もし、12月31日をまたいでポジションを保有していた場合には、その含み益に税金は発生しません。未決済のスワップポイントも同様です。
※一部のFX会社では、評価損益も課税対象とするケースがありますので、税金対象の利益についてはご利用のFX会社にご確認下さい。
FXの税金対策4つ
では、続いてFXにかかる税金の節税対策について見ていきましょう。
節税対策をしっかりやるかどうかで手元に残るお金が変わってきますのでとても大切です。
主な節税対策は以下の4つがあります。
FXの節税対策
- 必要経費の計上
- 損失の繰越控除
- 他商品との損益通算
- 法人化
税金対策①:必要経費の計上
一つ目の税金対策は、必要経費の計上です。
税金の対象となる金額は、利益(為替利益+スワップポイント)から経費を引いた額が対象となります。
例えば、100万円の利益が出た場合の税金は、100万円×20%=20万円となります(簡略化のため、復興特別所得税0.315%は除く)。
しかし、必要経費が30万円あり、それを申請した場合の税金は、(100万円-30万円)×20%=14万円となります。
つまり、6万円も税金を安く押さえることが出来るのです!
経費を計上して税金を少しでも抑えるのが資産を増やしていくコツです。
FXの確定申告で認められる必要経費は以下のものがあります。
必要経費の種類
- 銀行間での振り込み手数料
- セミナー参加費用
- 交通費や宿泊費
- 投資同士の勉強会に関わる飲食代
- 書籍、新聞、情報媒体等
- パソコン購入代金
- パソコン周辺機器(プリンタ等)
- プロバイダ費用、通信費用
- スマホ代(FX取引で使用する分)
- 事務用品、など。
基本的に、認められる経費は、FXの取引をする上で必要になったもののみです。
かなり幅広い項目が経費として認められる可能性がありますが、地域の税務署によって見解が異なる可能性がありますので、詳細は税務署や税理士に確認をしてみましょう!
また、経費として申請するためには、証拠書類となる領収書の保存が必要となります。
1,000円のものでも200円、1万円になれば、2,000円、100万円になれば、20万円、の節税効果があります。
「塵も積もれば山となる」で、1年もすればかなりの額になると思いますので、経費になりそうなものがあれば、とりあえず領収書は保存して確定申告の際に税務署に確認してみましょう!
税金対策②:損失の繰越控除
二つ目の税金対策は、損失の繰越控除です。
損失の繰越控除では、年間で損が出た場合に確定申告することで、翌年の申告で利益からその損失を差し引くことが出来るのです。
通年(1月1日~12月31日)で損失が出た場合、確定申告を行うことによって、翌年以降3年間まで繰越控除を行うことが出来ます。
例えば、上図のように1年目で200万円の損失が発生した場合、確定申告を行います。もちろんこの時は、課税は発生しません。
そして、2年目に+40万円の利益が出た場合、繰り越された損失分と相殺されますので、+40万円-200万円=-160万円となり、2年目も課税は発生しません。
そして、翌年以降3年間、つまり、4年目まではこの繰越控除が有効なので、損失が無くなるまで利益と相殺し続けることが出来ます。
一方、もし損失が出たからと言って確定申告をしなかったら、損失の繰越控除は出来ません。
この場合、翌年利益が出たら、通常通りの税率が課せられてしまうのです。2年目以降に+40万円の利益が発生した場合には、それぞれ8万円(40万円×20%)の税金を払わないといけないんですね。
「損失の繰越控除」ってすごい便利ですね!?
もちろん損失しないに越したことはないけど、3年間はその損失が税金面で使えるんだ!負けをバネに逆転出来る仕組みがFXの世界には作られているんだよ!
税金対策③:他商品との損益通算
3つ目の税金対策は、他商品との損益通算です。
例えば、FXでは損失だけど、日経先物225取引では利益が出ている場合、これら全ての損益をくっつけて、確定申告することが出来ます。
FXで発生した損益に関しては、他の先物取引等との損益通算が可能です。
損益通算とは、確定申告により、FXやその他の先物取引等で発生した損益をひとまとめにして所得を計算する仕組みです。
なので、どちらかが利益でどちらかが損失であれば、それらを相殺することが出来ます。
また、損益通算をして損失が発生した場合には、FXのみの場合と翌年以降3年間に渡って損失を繰越控除することが出来ます。
ただ、FXと損益通算できる対象は決まっており、株や仮想通貨はFXとは損益通算出来ません。
FXと損益通算が可能な取引
- 日経225先物などの株価指数先物
- 金先物や原油先物などの商品先物
- TOPIXオプション取引
- CFD
今はやりの仮想通貨とは損益通算できないんですね!?
そうだよ!株はFXと同じ税率は一律20%だけど、仮想通貨は海外FXと同じ累進課税が適用されるから、4,000万円以上の利益が出たら税率55%もかかるんだよね。。。
税金対策④:法人化による節税対策
4つ目の税金対策は、法人化です。
法人化とは、FX取引を行うために会社を設立することを言います。
節税の他に、法人ならではの様々なメリットがあります。
法人化のメリット4つ
それでは、法人化するメリット4つを説明していきます。
(1)節税がしやすい
法人化の代表的なメリットは、やはり節税の手段が広がる事でしょう。
個人だと、大きな利益が出た場合には、経費で節税が出来るとは言え、その程度は限られています。自宅でFXをしている場合、家賃やパソコン代の一部しか計上することは出来ません。
しかし、法人を設立すれば、事務所の家賃を全て経費で落としたり、社用車も買えたり、更には節税用の保険等の金融商品などにも手を出すことが出来ます。
また、個人の場合には繰越控除は3年まででしたが、法人だと最大9年も繰越控除が出来るんですね。
専業トレーダーの方で、更に投資業を拡大した場合には、法人化を検討するのも一つの手でしょう。
(2)ハイレバレッジが可能
他の特徴としては、法人化で更に高いレバレッジでトレードすることが可能となります。
個人の場合には25倍が最大ですが、法人だと国内FXで50倍程度、海外ならば500~1,000倍までかけることが出来ます。
もちろん、レバレッジが高い分、リスクは大きくなりますが、トレードスキルに自信があれば、より大きな利益を狙っていくことも可能なのです。
(3)社会的な地位が向上
専業トレーダーの場合、いくら億を稼いでいても、職業は「無職」になってしまうので、社会的な地位はびっくりするくらい低いです。
家賃が100年分くらい払えるのに、マンション契約の審査に落ちたりします(笑)。また、金融機関からの借り入れ等の審査でも、相当信用は低くなるでしょう。
しかし、会社を設立し、代表取締役社長となれば、給与所得も得られますので、地位は一気に上がります。
これらの要因からも、法人化する専業トレーダーが増えているのです。
法人化のデメリット
じゃあ、FXで稼げるようになればすぐ法人化した方がいいですね~?
まあ、何事にもメリットがある反面、デメリットがあることを忘れてはいけないよ。法人化する際にもいくつか注意点があるからね。
(1) 設立・維持費がかかる
会社は2~3日でポンッと作れません。行政書士や税理士などの専門家も交えて、最初の設立時には費用が30万円程度発生します。
また、会社の決算は個人でやるにはかなり難しいので、税理士等に依頼する必要がありますが、その際にも顧問料などの費用が発生します。
(2) 税金への対応が必要
さらに、利益に課される税率は26%以上となり、個人投資家の一律20%と比較して、上がるのです。
なので、適切な費用計上などの節税対策をしっかりと行わない場合には、法人化したら逆に税金が増えた、なんて事態が起きてしまうこともあり得るのです。
やっぱり法人化はハードルが高そうですね~??
まずはFXで1,000万円以上稼いで、税金の支払いに苦しむようになってから法人化は考えればいいと思うよ~!
脱税はバレる!デメリットしかない理由を解説
ところで、少しくらい脱税してもバレないし、見つかるのは運が悪かったと割り切ればいいかな~!?
おいおい、目先の利益に目がくらんで全てを失ってもいいのか?脱税なんて当然だがデメリットしかない!データの証拠は永遠に残るし、しかも重加算税や延滞課税で利益が全て吹っ飛ぶどころか破産の可能性もあるんだよ・・・
脱税は重罪です。脱税をした場合には、当初払うべき税金に加えて以下のペナルティーが加わります。
- 重加算税
- 延滞税
- 無申告加算税
- 過少申告加算税
犯罪行為なので、知らなかったでは済まされません。
最悪、上図のように1億円稼いだにも関わらず申告をせず、翌年に9千円の損失が発生した場合には、2千万円の税金支払い義務は消えません。
ペナルティ―などの税金が課せられ2倍近くの税金を支払うことになり、最悪税金が払えなくて自己破産に追い込まれるケースもあるのです。
FX税金の確定申告について
FXで利益を出した場合、確定申告は毎年1月1日から12月31日までに得た全ての所得を計算して、翌年の3月16日までに各地の税務署にて行わなければなりません。
会社や様々な事業を行っている個人事業主であれば税理士に依頼するのが一般的ですが費用もかかってしまいますので、個人投資家であれば自分で書類を作成して提出する方が多いです。
確定申告の方法については、国税庁のホームページにマニュアルが記載されていますので、最新の情報を確認するようにしましょう。
参照ホームページ:国税庁トップ:http://www.nta.go.jp/
初めまして、Twitter、blog、YouTube等を閲覧させていただいています。
私事なんですが、パソコンを開いている余裕がほとんどありません。スマホでポチポチするぐらいのレベルなんです。
そんなレベルの者でも稼げますか?
また、無料トレーディングカレッジはスマホでも閲覧できますか?
はじめまして。スマホでポチポチだと数百円、数千円くらいの副業(お遊び)程度なら大丈夫だと思います。ただ、本格的に初心者がやるのは難しいですね。チャート分析が出来ないですから。 無料FXトレーディングカレッジはスマホでもご利用頂けます。
Fxでの収入がだいたいしか、わからないのですが?Fx会社で収入書類は、出してもらえますか?
ほとんどの国内FX会社では「年間取引報告書」を出力できますので、それらを利用することで簡単に確定申告が可能です。