こんな疑問を解決!
- フィボナッチエクスパンションとは?
- フィボナッチエクスパンションのMT4での引き方は?
- フィボナッチエクスパンションの使い方は?
FXで含み益が出たものの、どこで利益確定をすればいいのか、目安が分からない人も多いのではないでしょうか。
利確水準の決め方には色々やり方がありますが、その一つに「フィボナッチエクスパンション」があります。
今まで適当に利食いをしていた方も、フィボナッチエクスパンションを学べば、驚くほど一貫性を持って利益確定をすることができます。
今回の記事では、フィボナッチエクスパンションの引き方から使い方を徹底解説します。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
目次
フィボナッチエクスパンションとはを動画で学ぶ
フィボナッチエクスパンションとはを動画で解説していますのでご覧ください。
動画が見れない方はスキップして、文章でも学んでいくことができますよ。
フィボナッチエクスパンションとは
フィボナッチエクスパンションとは、現在継続中のトレンドがどこまで続くかを予想するテクニカル分析です。
つまり、トレンド方向に順張りでエントリーした際に、利益確定の目安に使用することができます。
もう少し詳しく見ていきましょう。
利益確定の目安として有効なツール
FXの王道的な手法である順張り(トレンドフォロー)では、上昇トレンドであれば買い、下降トレンドであれば売りでエントリーをします。
ここで、トレンド方向にエントリーしたものの、そのトレンドがどこまで続くのか予想できなければ、利益確定のタイミングを逃してしまうかもしれません。
そこで利益確定の目安を作るのに有効なのが、今回解説するフィボナッチエクスパンションです。
フィボナッチとは
フィボナッチエクスパンションには「61.8%」「100%」「161.8%」という数値が登場しますが、これはフィボナッチ数列から求められる数値です。
自然界では黄金比として知られており、実際に相場の世界でもそれらの水準でトレンドが反転することがよくあります。
フィボナッチ数列を使ったテクニカル分析には、トレンド中の押し目や戻り目の水準を予想する「フィボナッチリトレースメント」もあります。
フィボナッチエクスパンションはトレンドの拡大(エクスパンション)を予想するのに対して、フィボナッチリトレースメントはトレンドの戻り・押し(リトレースメント)を予想する点が異なります。
また、主にフィボナッチエクスパンションは利益確定、フィボナッチリトレースメントは新規売買のタイミングを計るのに利用されます。
フィボナッチ
- リトレースメント:トレンドがどこまで拡大するか予想
- エクスパンション:トレンドがどこで押し目・戻り目を作るか予想
MT4でフィボナッチエクスパンションの引き方
MT4でフィボナッチエクスパンションを引くやり方を解説します。
MT4(メタトレーダー4)は無料で使える高性能チャートソフトなのでおすすめですが、フィボナッチに対応していればどのチャートソフトを使っても引き方は同じです。
フィボナッチエクスパンションの引き方
- ステップ1:フィボナッチエクスパンションを選択
- ステップ2:始点から高値までクリックのまま動かす
- ステップ3:押し目(戻り目)を合わせる
ステップ1:フィボナッチエクスパンションを選択
まずはMT4でフィボナッチエクスパンションのインジケーターを選択します。
上部メニューから「挿入」→「フィボナッチ」→「エクスパンション」をクリックしましょう。
ステップ2:始点から高値までクリックのまま動かす
フィボナッチエクスパンションを選択したら、トレンドの始まりの安値(①)をクリックしマウスをクリックしたまま高値(②)まで動かしてください。
上手く引けない方は、マウスのクリックを①始点の安値で離していると思われるので、①から②への移動はクリックした状態のまま動かしましょう。
ステップ3:押し目(戻り目)を合わせる
最後に「③押し目の安値」に□マークを合わせましょう。
ステップ2で引いたフィボナッチエクスパンションをダブルクリックすると選択されますので、自由に始点の安値や高値を調整することができます。
必要に応じて調整をして下さい。
これで、フィボナッチエクスパンションがチャートに引けています。
今回は上昇トレンドに対してフィボナッチエクスパンションを引きましたが、下降トレンドの場合も全く同様です。
フィボナッチエクスパンションの使い方
フィボナッチエクスパンションの使い方は以下の通りです。
フィボナッチエクスパンションの使い方
- トレンドを認識しエントリーする
- フィボナッチエクスパンションを引く
- 利益確定の目安で分割決済を行う
トレンドを認識しエントリーする
FXの相場環境は「上昇トレンド」「下降トレンド」「レンジ」の3種類しかありません。
このトレンド状態を確認する作業を「相場環境認識」と言います。
上昇トレンド | 下降トレンド | 横ばい | |
---|---|---|---|
相場環境 | |||
取引 | 買い | 売り | 様子見 |
相場環境認識は、ダウ理論で現在がどんなトレンドの状況なのかを分析しましょう。
簡単にダウ理論を説明すると、高値と安値がそれぞれ切り上げれば上昇トレンド、高値と安値がそれぞれ切り下がれば下降トレンドです。
そして、トレンドを把握したら、水平線やトレンドライン、移動平均線などのテクニカル分析の手法でエントリーしましょう。
例えば下図のチャートでは、ダウ理論から高値と安値をそれぞれ切り上げており上昇トレンドと判断でき、上昇トレンドラインが引けるのでライン上で反発したタイミングで買いを狙えます。
記事:ダウ理論とは?FXで稼ぐ手法や使い方を分かりやすく解説
記事:トレンドラインで荒稼ぎする引き方とFX取引手法を現役プロが解説
フィボナッチエクスパンションを引く
次に、①始点の安値、②高値、③押し目の安値を結んでフィボナッチエクスパンションを引きます。
これにより、現在の上昇トレンドがどこまで続くのか、利益確定の目安を確認することができます。
利益確定の目安で分割決済を行う
フィボナッチエクスパンションでは、「61.8%」「100%」「161.8%」が利益確定の目安となりますが、より遠くで利確した方が利益は大きくなります。
しかし、最初から「161.8%」を狙うと、予想が外れた時にせっかく得られた利益を逃してしまう可能性もあります。
そこで有効な手段が、「61.8%」「100%」「161.8%」のそれぞれで分割決済をする方法です。
これにより、着実に利益を伸ばしていくことが可能です。
フィボナッチエクスパンションの応用
フィボナッチエクスパンションは、単発で利用するよりも、他のテクニカル分析と組み合わせて使うとより効力が高まります。
おすすめは水平にラインを引くサポートラインとレジスタンスラインです。
例えば、水平線とフィボナッチエクスパンションが重なった箇所では、一層反転する可能性が高いので、一旦全ての利益を確定するなどの判断ができます。
水平線に関して詳しく知りたい人は、FX会社とのタイアップで口座開設にて無料プレゼントしている「ラインの王道」や「ラインの王道 刃」でも説明していますので、そちらも合わせてゲットしてみて下さい。
フィボナッチエクスパンションのまとめ
フィボナッチエクスパンションは、現在のトレンドがどこまで拡大するのかを予想し、利益確定の目安を決めることができるテクニカル分析です。
同類のインジケーターにフィボナッチリトレースメントがありますが、こちらはトレンドの押し目や戻り目を予想するテクニカル分析です。
フィボナッチエクスパンションを学ぶことで、今まで適当に利益確定していた方も、自信を持って決済できるようになるでしょう。