こんな疑問を解決!
- プライスアクションとは?
- プライスアクションの種類と意味は?
- プライスアクションを使ったFX手法は?
プライスアクションとは、チャート上に表示されるローソク足の形状や、その前後のローソク足との関係・繋がりでその後の為替レートを予測するテクニカル手法です。
FXは値頃感だけで取引していると、上昇すると思って買ったのに下落した、下落すると思って売ったら上昇したという負けパターンに陥ってしまいます。
しかし、プライスアクションをしっかり分析することで、精度高く次の値動きを予測していくことができます。
今回の記事では、プロがFXで活用できるプライスアクション6種類を徹底解説します。
この記事を読むことで、初心者の方でもプライスアクションを理解し、もう一段高いレベルのFXが出来るようになります。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
プライスアクションとは
プライスアクションとは、ローソク足の動きを分析して、その裏に隠された投資家心理を読みとき、今後の値動きを予想する手法です。
記事でも説明しますが、動画でもアニメーションで解説していますので、ご覧ください。
動画が見れない方はスキップして、文章でも学んでいくことができますよ。
プライスアクションの前に、ローソク足のシグナルについて知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
プライスアクション一覧
プライスアクションにはたくさんの種類がありますが、中にはさほど重要ではなく、実践で使えないものもあるので注意が必要です。
FXで覚えておきたい重要なプライスアクションは以下の6種類です。
プライスアクションの種類
- ①毛抜き底
- ②毛抜き天井
- ③包み足(陽線)
- ④包み足(陰線)
- ⑤はらみ足(陽線)
- ⑥はらみ足(陰線)
これらのプライスアクションを知っておけば、根拠を持って買いや売りのエントリーができるようになります。
①毛抜き底
毛抜き底とは、陰線と陽線が並んでおり、その安値が同じになっている状態です。
安値がヒゲであっても、実体であっても同じ扱いになります。
毛抜き底は、もともと下落トレンドだったものが、上昇トレンドに転換するシグナルです。
では、なぜ毛抜き底だと上昇トレンドへの転換になるのでしょうか?
その背景について考えていきましょう。
毛抜き底のレート推移
まずは下位足で見ていきます。
1本目の陰線の始値と、2本目の陽線の終値から、為替レートが下落していく中で安値をつけて反発し、その後でまた同じ安値をつけていることがわかります。
そして最後に上昇していますので、一般的な反転パターンのダブルボトムを形成しているのです。
ダブルボトムは安値圏で発生すると、下落トレンドから上昇トレンドへの転換シグナルです。
つまり、毛抜き底になっているということは、同時にダブルボトムが発生していることを示しているのです。
毛抜き底のローソク足結合
それでは上位足ではどうなっているのでしょうか?
下位足が30分足で、上位足が1時間足だとします。
この2本を1本のローソクに結合すると、陰線の始値よりも陽線の終値が高いので1時間足のローソクは陽線となります。
ただし実体は短く、長い下ヒゲの陽線です。
長い下ヒゲのローソク足は、とても強い買い圧力がかかっていることを示しています。
毛抜き底=長い下ヒゲローソク足=買い圧力が強い、ということがわかりますので、毛抜き底は買いのシグナルとなります。
特に下落トレンドの終盤や、サポートライン付近で毛抜き底が発生したら、絶好の買い場のエントリーチャンスです。
②毛抜き天井
毛抜き天井は、まず陽線があり、その隣に陰線がきて、その2本のローソク足の高値が同じ状態です。
毛抜き底の真逆ですが、毛抜き底と同じようにそろった高値が実体であっても、ヒゲであっても問題ありません。
毛抜き天井は、上昇トレンドから下落トレンドへの転換を示すシグナルです。
こちらもなぜ上昇トレンドからの転換となるのか、その背景について考えていきましょう。
毛抜き天井のレート推移
下位足では、陽線の始値よりも次にくる陰線の終値が下になっていますので、上昇トレンドの中で一度反発して下落し、再度上昇して同じ高値をつけたものの、最終的に下落していったことを示しています。
二度に渡って高値を抑えられたということは、反転パターンであるダブルトップを形成しているということです。
ですから毛抜き天井は、上昇トレンドから下落トレンドの転換シグナルとなるのです。
毛抜き天井のローソク足結合
それではこの2本のローソク足を上位足で結合してみましょう。
1本目の陽線の始値よりも2本目の陰線の終値の方が低いので、陰線となり、長い上ヒゲの陰線のローソク足となります。
長い上ヒゲローソク足は、強い売り圧力を示していますから、下落トレンド発生となるのです。
つまり、毛抜き天井=長い上ヒゲローソク足=売り圧力が強い、ということですから、毛抜き天井は売りのシグナルということです。
毛抜き底と毛抜き天井のチャート分析
実際のチャートで確認していきましょう。
陽線の安値と陰線の安値がそろっているローソク足が確認できますので、こちらは毛抜き底です。
30分足ではこのような状態ですが、1時間足で確認すると結合されて下ヒゲの長いローソク足になります。
さらに短い期間のローソク足では、反転パターンのダブルボトムを形成しています。
強い買い圧力がかかっていますので、下落トレンドから上昇トレンドへの転換シグナルです。
たった2本のローソク足ですが、買いなのか、売りなのか、実に重要なヒントを示してくれているのです。
トレード戦略としては、毛抜き底が現れた次のタイミングで買いを狙っていきます。
このチャートではローソク足しか表示していませんが、もちろんその他に参考にしていきたい移動平均線やトレンドラインなど様々なインジケーターを組み合わせていくことで、より勝率の高いFX取引を実現することができます。
記事:『FXインジケーターのおすすめ6種類』を現役トレーダーが解説
③包み足(陽線)
包み足(陽線)は、最初小さな陰線があり、その後に長い陽線が発生し、ひとつ前の陰線の高値と安値を包み込んでいる形のことです。
ただし、陽線は陰線の始値を実体で超えることが条件で、ヒゲで超えているような状態であれば包み足とは呼びません。
包み足(陽線)がどのようなシグナルになるのかというと、もともと下降トレンドであったものが、上昇トレンドに転換することを示しています。
それではこの包み足(陽線)が発生する為替相場の背景を確認していきましょう。
包み足(陽線)のレート推移
まず下位足では、1本目の陰線の始値と2本目の陽線の安値・終値に注目していくと、一時的に下落したものの最終的に上昇し、陰線の高値を抜いたという動きをしています。
2本目の長い陽線の中で、安値と高値が切り上げられており、これは一般的にはダウ理論の上昇トレンドです。
包み足(陽線)のローソク足結合
続いて上位足ではどのようになっているのか確認していきます。
1本目の陰線と2本目の長い陽線を結合していくと、陰線の始値よりも陽線の終値が高いので陽線となり、長い下ヒゲの陽線のローソク足になります。
これは買い圧力が高まっていることを示していますので、包み足(陽線)=下ヒゲローソク足=買い圧力が強い、ということになりますから、包み足(陽線)は買いのシグナルなのです。
④包み足(陰線)
包み足(陰線)は、包み足(陽線)の逆で、最初に小さな陽線があり、その次に長い陰線が発生して、最初の陽線の高値と安値を包み込んでいる形になります。
条件は包み足(陽線)と同じく、最初の陰線の始値を次の陽線が実体で超えている必要がありますので、ヒゲで始値を超えている場合は包み足(陰線)とは呼びません。
包み足(陰線)は、もともとの上昇トレンドから下落トレンドへの転換シグナルです。
包み足(陰線)のレート推移
それではその背景にどのような為替相場の動きがあるのか確認していきましょう。
陽線の始値からスタートし、次の陰線の上ヒゲが示すように高値を更新し、そこから最終的に大きく下落していることがわかります。
これは長い陰線の中で、高値安値が切り下げられていることを示していて、ダウ理論の下降トレンドに当てはまります。
包み足(陰線)のローソク足結合
次に上位足で、この2本のローソク足を1本に結合してみましょう。
最初の陽線の始値よりも2本目の陰線の終値が安くなりますので、陰線のローソク足になり、上ヒゲが長くなります。
長い上ヒゲローソク足は強い売り圧力を示していますから、包み足(陰線)は上昇トレンドから下落トレンドへの転換のシグナルということです。
包み足のチャート分析
実際のチャートで包み足について見ていきましょう。
真ん中付近に陽線、それを包み込む陰線という包み足(陰線)を発見できます。
つまりここで上昇トレンドは終了し、下降トレンドに転換するシグナルということですから、絶好の売りエントリーのタイミングになります。
ちなみに上位足で確認した場合、このタイミングのローソク足は上ヒゲの長い陰線のローソク足になっています。
注意点としては、トレンドの反転パターンについては、もともとのトレンドが重要ですから、この包み足(陰線)の場合、上昇トレンドの中で出現していなければなりません。
もともとレンジ相場のもみ合いであったり、そもそも下落トレンドだった場合は、包み足(陰線)を見つけてもシグナルとは呼べないわけです。
チャートの先を見ていくと、安値圏で包み足(陽線)が見つかりました。
陰線の後の長い陽線の高値と安値が陰線の安値と高値を包み込んでおり、陰線の始値を陽線の実体が超えているのがわかります。
もともと下落トレンドの中で包み足(陽線)が発生したということは、下落トレンドから上昇トレンドへの転換シグナルです。
今度は絶好の買いエントリータイミングです。
⑤はらみ足
はらみ足は、もともと下落トレンドの中で長い陰線があり、その次の陽線の高値と安値を包み込んでいる状態で、2本目の陽線が陰線の中に収まっています。
包み足は2本目のローソク足が1本目のローソク足を包んでいるのに対し、はらみ足は逆に1本目のローソク足が2本目のローソク足を包みます。
条件としては、1本目の陰線の実体に2本目の陽線の実体が収まっていることで、陰線のヒゲに収まっているのははらみ足とは呼びません。
はらみ足は、もみ合いのレンジ相場を示していて、抜けた方向にトレンドが発生するという特徴があります。
これまではトレンドが反転するパターンばかりでしたので、買いでエントリーするべきか、売りでエントリーするべきか判断しやすかったのですが、このはらみ足については、どちらかはっきりしないので、抜けるまで様子見する必要があります。
もし、上に抜けた場合は上昇トレンドになる可能性が高いので買いでエントリーします。
逆に、下に抜けたら下落トレンドが発生する可能性が高いので売りでエントリーします。
はらみ足のレート推移
それではなぜそうなっているのか、為替相場の動きを確認していきます。
最初の陰線の始値と次の陽線の終値の関係に注目すると、一端高値をつけて下落し、安値で反発してまた上昇しており、これは買いと売りが交錯しているもみ合いの状態です。
より下位足で見ていくと、チャートパターンは三角保ち合いとなっているわけです。
はらみ足になった場合、一端は様子見した後、抜けた方にトレンドが発生しますから、その特徴を活かしてエントリーするのがお勧めです。
はらみ足のチャート分析
では実際のチャートで確認していきましょう。
ちょうど真ん中にはらみ足が見つけられます。
1本目が長い陰線で、2本目の短い陽線の実体が陰線の実体に収まっているのがわかります。
このチャートでは上方向に抜けていますから上昇トレンドの発生です。
つまり買いのエントリーチャンスということになります。
ローソク足3本の組み合わせ
これまでは2本のローソク足を結合するとどうなるのかについてご紹介してきましたが、ここからは、3本のローソク足を結合するとどうなるのかについて確認していきましょう。
まずは、陽線、陽線、長い陰線といったパターンです。
1本目の陽線の始値よりも3本目の陰線の終値が低くなっていますから、陰線となります。
後は高値と安値をヒゲで結びますので、陰線の長い上ヒゲローソク足になるのです。
これは売り圧力がとても強いことを示しています。
続いては、陰線、陰線、長い陽線といったパターンです。
1本目の陰線の始値よりも3本目の陽線の終値が低くなっていますので、陰線となります。
こちらも高値と安値をヒゲで結びますが、長い下ヒゲローソク足の陰線です。
下落トレンドから上昇トレンドに転換したように思えますが、あくまでも実体は陰線なので、反転したかどうかの判断はまだ早いと言えるでしょう。
プライスアクションのまとめ
今回お伝えしてきたように、ローソク足は投資家の売買の思惑が如実に反映されていますので、ローソク足の動きであるプライスアクションを分析することで、将来の値動きの予想が可能です。
さらに付け加えると、ローソク足のシグナルを丸暗記するだけでなく、その裏にどんな値動きをしているのか? ローソク足を結合するとどう見えるのか? まで分析するとより勝率は高まるでしょう。
より精度の高い分析にしていくためにも、今回お伝えした内容を繰り返し勉強してみてください。
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条件に関しては、FX会社によって取引が必要な先もありますので、詳細は口座申込ページに記載の注意事項をご確認ください。