こんな疑問を解決!
- 三角保ち合いってどんな形?
- どのような意味があるのか?
- 三角保ち合いのトレード手法は?
今回はこんな疑問を解決していきます。
頻繁に発生するチャートパターンの一つに、「三角保ち合い(三角持ち合い、トライアングル・フォーメーション)」と呼ばれる形があります。
実はこれ、発見できれば高確率で勝てる非常においしいチャートパターンなのです。
三角保ち合いのトレード手法は決まっているので、トレーダーの中には、三角保ち合いだけを使い荒稼ぎしている人もいるくらいです。
この記事では、三角保ち合いのチャートパターンを全て説明し、実際にどのようなトレード戦略があるのかを実例で説明をしていきます。
当記事で解説する全ての知識を吸収すれば、その時点でトレードスキルは飛躍的に向上しますよ。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
三角保ち合い(三角持ち合い)を動画で学ぶ
三角保ち合いとは何か?について動画で解説(約6分)していますのでご覧ください。
動画が見れない方はスキップして、文章でも学んでいくことができますよ。
三角保ち合いとは?3つの種類が存在する
三角保ち合いとは「2本のトレンドライン」、または「1本のトレンドラインと1本の水平線」を三角形上に引いたチャートパターンのことを言います。
レンジ相場のもみ合い時に発生し、為替レートの変動幅は次第に小さくなっていきますが、ある時点で三角保ち合いを抜けるとレートが抜けた方向に動く特徴があります。
三角保ち合いは、形に応じて以下の3種類が存在しています。
シンメトリカル(対称) | アセンディング(上昇) | ディセンディング(下降) |
---|---|---|
前のトレンドの継続 | 上昇トレンドの継続 | 下降トレンドの継続 |
シンメトリカル(対称)・トライアングル
シンメトリカル・トライアングルは、高値と高値、安値と安値を結んだトレンドラインが『上下対称』になるように引ける三角保ち合いで、前のトレンドの一時的な小休止を表し、抜けた後も前と同じトレンドの継続を示唆します。
よって、トレード戦略は、前のトレンドが上昇トレンドなら、トレンドラインの反発で買いを仕掛けていき、三角保ち合いをブレイクしたのを確認して買い増しを行います。
逆に前のトレンドが下降トレンドなら売りを仕掛けていきます。
ただし、教科書的にはシンメトリカル・トライアングルは、前のトレンドの継続ですが、実際のチャート上では、100%前のトレンドが継続するわけではないので、予想が外れた場合は早期撤退することが大切です。
あくまで「前と同じトレンドの可能性が高い」と認識しましょう。
アセンディング(上昇)・トライアングル
アセンディング・トライアングルは、上側は水平線(レジスタンス)、下側は上昇トレンドラインとなっている三角保ち合いです。
基本的に、安値が切り上げっていき(つまり上昇圧力がじりじり高まっていき)、最終的には上側のレジスタンスラインを突破し、再び元の上昇トレンドが起こる可能性が高いです。
トレード戦略としては、上昇トレンドラインの反発で買いを仕掛けていき、上側レジスタンスラインのブレイクを確認して新たに買いを入れます。
トレードの基本ですが、トレンドに逆らわずに押し目や戻りを拾うのが一番低リスクで、大きな利益を狙うことが出来ます。
間違っても、上昇トレンドに逆らい逆張りの売りでエントリーすることは避けましょう。
ディセンディング(下降)・トライアングル
ディセンディング(下降)・トライアングルは、上側は下降トレンドライン、下側が水平線(サポートライン)から成る三角保ち合いです。
これもアセンディングと同じ考え方で、高値が徐々に切り下がっており、売り圧力が次第に強まっていることを示します。
そして、サポートラインをブレイクすると、再び元の下降トレンドが発生する可能性が高いです。
トレード戦略としては、”トレンドには逆らわず”を基本に、売りを下降トレンドラインで仕掛けていくのが定石となります。そして、サポートラインのブレイクを確認し、更に売増しを行います。
上記トレード戦略は一般的なものですが、当然ダマしやトレンドが変わる時もあるため、常に値動きには注意する必要があります。
三角保ち合いを使った実際のトレード手法
それでは、最後に実際のチャートを用いて三角保ち合いを使ったトレード方法を見ていきます。
実際のチャートでは必ずしも上に描いたようなきれいな三角形になるとは限りません。
しかし、チャートをよく見てみると、三角保ち合いが頻繁に発生していることが分かりますよ。
三角保ち合いのブレイクを狙ったエントリー
以下は実際のチャート上に、シンメトリカル・トライアングルが発生しているケースです。
今回の場合、三角保ち合いでもみ合った後、最終的に上側へブレイクしており、保ち合いのブレイクを狙って買いでエントリーすることを狙っていきます。
実際に、三角保ち合いをブレイクした後は、今までの拮抗が崩れ、レートは加速的に上へ上昇しているのが確認出来ます。
大小さまざまな三角保ち合い
実際のチャート上には大小さまざまな三角保ち合いが存在します。
以下のチャートは1時間足のチャートですが、青字で記した(1)~(3)も下位足(時間軸の短い足)で見ると三角保ち合いの形をしており、短期トレードを行う場合は、これらのブレイクを狙ってエントリーをすることも有効なトレード手法となります。
三角保ち合いの類似系
三角保ち合いの類似系のパターンとして、「ペナント」、「フラッグ」、「ウェッジ」の3種類のチャートパターンがあります。
いずれもトレンド継続を示唆し、従来のトレンド方向へブレイクして完成となります。
また、ペナントは、三角保ち合いの小型版を指していますが、厳密な区別の定義はありません。
また、三角保ち合いと少し異なりますが、2本の水平線に囲まれた領域を上下し、抜けた方向へトレンドが発生する「ボックス」のパターンもあります。
三角保ち合い以外のチャートパターンやローソク足パターンについて学びたい方は、以下の記事をご覧ください。
記事:【鉄板】FXチャートパターン全16種類の一覧とトレード戦略
三角保ち合いのまとめ
三角保ち合いのパターンとして、シンメトリカル(対称)・トライアングル、アセンディング(上昇)・トライアングル、ディセンディング(下降)・トライアングルがあります。
シンメトリカル(対称) | アセンディング(上昇) | ディセンディング(下降) |
---|---|---|
前のトレンドの継続 | 上昇トレンドの継続 | 下降トレンドの継続 |
シンメトリカルは前と同じトレンドの継続、アッセンディングは上昇トレンド、ディッセンディングは下降トレンドがブレイク後に発生する可能性が高いです。
また、三角保ち合いは、各時間足(日足、4時間足、1時間足、30分足、15足、5分足など)においても、大小さまざまなものが発生します。これらを見つけて、狙いを定めてブレイクでエントリーをするだけでも、かなり高勝率のトレードを実現することが出来ます。
初心者の方は、最初は簡単に発見出来ないかもしれませんが、チャートにたくさん線を引いて練習してみましょう。
三角保ち合いと合わせて学習したテクニカル分析は、以下の2つです。
記事:トレンドラインで荒稼ぎする引き方とFX取引手法を現役プロが解説
記事:プロが教える水平線の正しい引き方とFXトレード手法【完全版】
上昇、下降のトライアングルの行き先は、トレンドラインの向きから、おおよそ見当はしやすく思いましたが、シンメトリカルトライアングルの行き先には、本当に判断が左右される、トレーダーの腕見せどころなんだろうと思っています。
形によって、どちらにブレイクするかを予想するのも良いですが、もっと単純に、ブレイクした方向に着いていくトレードでも勝てるのではないでしょうか?
アセンディングとディセンディングはトレンドフォローでエントリーするということは理解できました。
シンメトリーは最終的にどちらにブレイクするかわからないということなので、まずは三角持ち合い内でのエントリーを狙い、ブレイクした方向に乗っていき、自信がない場合は様子見する、という戦術がいいのかなと思いました。
上記の三角保ち合いはどのパターンもダウ理論の高値・安値が切り上がる、切り下がるに当てはまらないと思いますが、ブレイクしてすぐにエントリーして大丈夫でしょうか。ブレイクした後もダウ理論に限らず他のテクニカル分析と合わせて慎重にエントリーした方が宜しいでしょうか。