「スワップサヤ取りって稼げるの?」

FXスワップポイントの運用をしたいけど、為替変動リスクが怖いと感じる方は多いのではないでしょうか。

せっかく毎日コツコツとスワップを受け取っても、為替レートが逆に大きく動いたら一瞬で今までの利益が吹き飛ぶ可能性があります。

その最たる例は、2018年のトルコリラ円の急落でしょう。トルコリラ円でスワップ金利の運用を行っていた投資家の多くがこれで損を被りました。

そんな中、実は、為替レートの変動リスクを排除し、スワップポイントだけを受け取る裏ワザがあるのです。

この方法を使えば、理論上はリスクゼロで、スワップポイントだけを取ることが出来ます。それが、「スワップポイントサヤ取り(アービトラージ)」です。

今回の記事では、スワップポイントサヤ取りとは何か?実際に稼げるのか?注意点は何か?について分かりやすく解説をしていきます。

 

<この記事を読めば分かること>
・スワップポイントサヤ取りの仕組みが分かる
・サヤ取りの注意点が分かる
・実際に運用の手順が分かる

 

スワップポイントのサヤ取りを動画で学ぶ

まずは動画でFXのスワップポイントサヤ取りについて全体像を学びましょう。

スワップポイントの基礎を知る

まず基本的なところの説明ですが、スワップポイントとは2国間の金利差から受け取る利息のことです。

低金利通貨を売って高金利通貨を買うと、スワップポイントと呼ばれる利息を毎日受け取ることが出来ます。

例えば、金利が低い円を売って、金利が高い米ドルを買うと、その金利差分のスワップポイントを毎日受け取ることが出来るのです。

逆に、金利が低い円を買って金利が高い米ドルを売ると、今度はスワップポイントを支払う必要があります。

 

より具体的にイメージをつかむために、ドル円のスワップ運用をした場合を考えてみましょう。

今、1万通貨(1万米ドル)で1日80円のスワップポイントが受け取れるとすると、1カ月で2400円、1年間で29,200円の利息を受け取れます。
(※スワップポイントが変動しないと仮定しています)

FXにはレバレッジ(【レバレッジとは?FXは危なくない理由を元銀行員が分かりやすく解説】)があるので、もしレバレッジをかけずに100万円を預けて1万通貨で運用したら、利回りは年率2.9%です。

これでも十分高いですね。

そして、10万円をあずけてレバレッジを10倍くらいかけて運用したら、利回りも10倍になるので年率29%となります。

スワップポイント運用のデメリット

しかし、スワップポイント運用の注意点としては、為替が逆の方向にトレンドが出た場合、為替レートの変動による損が出てしまうということです。

例えば、下図はドル円の2008年の時のチャートですが、リーマンショック後にドル円は約40%下落しています。

この時、いくらスワップポイントで数%の利益を毎年取っていたとしても、為替レートの変動による損の方が圧倒的に大きくなるのです。

スワップさや取りの方法

「為替リスクを排除し、スワップだけを受取る方法はないか?」

そんな夢のような方法を実現したのが、「異なるFX業者間で両建てし、スワップの差額を獲得する」スワップポイントのサヤ取りです。

これはどういう方法かというと、スワップポイントはFX会社毎に異なるので、スワップポイントが低い会社で売り建玉を作り、スワップポイントが高い会社で買い建玉を作る方法です。

例えば、ドル円のスワップポイントが以下のようなA社とB社があったとすると、A社で売り建玉を作り毎日66円のスワップポイントを支払う一方、B社で買い建玉を作り80円のスワップポイントを受け取ることで、差額の14円がまるまる利益になります。

そして、売りと買いの両方の建玉を持つ両建てをしているので為替レートの変動による損は事実上ありません。

 

両建てについて詳しく知りたい人は、【FXで両建てしても意味あるの?両建てのメリット・デメリット】をご覧ください。

スワップサヤ取りにおすすめのFX会社

では本当にそんな夢のような運用方法があるのでしょうか?

以下は、2018年12月16日に時点に、スワップポイントが高いFX会社と低いFX会社の比較です。かなりFX会社によってスワップポイントに差があることが分かります。

ドル/円

買い:インヴァスト証券(+80円)

OANDA JAPAN(+79円)

 

売り:セントラル短資FX(-64円)

DMM FX(-66円)

豪ドル/円

買い:ヒロセ通称(+50円)

FXトレードフィナンシャル(+42円)

 

売り:DMM FX(-32円)

外為ジャパン(-32円)

南アフリカランド/円

買い:みんなのFX(+160円)

FXプライムby GMO(+160円)

 

売り:DMM FX(-120円)

外為ジャパン(-120円)

 

上記は比較的スワップポイントの差が付きやすい会社をピックアップしていいますが、スワップは日々変動するので、常にFX会社のレートがどうなっているのかをチェックする必要があります。

スワップサヤ取りの注意点

最後に、リスクなしで理論上は最高の投資のように思えるスワップポイントのサヤ取りですが、以下の3つのリスクがあります。

①スワップポイントは日々変動しており、差が無くなる可能性
②通常のスワップ運用に比べて、2倍の資金が必要
③ハイレバレッジの場合、強制ロスカットに合うリスク

まず、①ですが、スワップポイントは日々変動していますので、将来も絶対に差があり続けるとは限りません。気づいたら差が無くなっている可能性もあり、そうなればスワップサヤ取りは意味が無くなります。

次に②ですが、通常のスワップ運用に比べて売りと買いの両方のポジションを持つことになりますので、資金が2倍必要になります。よって、2倍の資金でしかも利回りは落ちますので、資金効率は悪くなります。

そして最後は、強制ロスカットに合うリスクです。レバレッジを高く設定すると、含み損をかかえたポジションの方が、耐えられずに決済させられる可能性があります。
この時、含み益の方のポジションを同時に決済すれば、プラスマイナスはほぼゼロになりますが、サヤ取りは一旦中断されるので、資金移動などをするなどを手間がかかります。・

スワップサヤ取りのまとめ

以上、スワップサヤ取りの仕組みと具体的な方法、注意点となります。

理論上はリスクがほとんどなくスワップポイントだけを得られる投資になりますが、いくつかの注意点もありますので、それに気を付けて運用をしていきましょう。



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鈴木 拓也

東京工業大学大学院卒。メガバンクの国内・海外支店にて為替ディーラー業務を経験後、独立。現在は、自己資金で投資を行う傍ら、FXを中心とした投資スクールを運営。日本証券アナリスト検定協会会員(CMA)。