こんな疑問を解決!
- ポーランドズロチ円とユーロ円のサヤ取りとは?
- サヤ取りのメリットとデメリットは?
FXは上がるか下がるかを予想して売買する投資ですが、リスクをほぼゼロにして安定して稼ぐ方法に「サヤ取り(アービトラージ)」があります。
通常のサヤ取りは同じ通貨ペアの両建てを行い、スワップポイントの差額を取る手法を指しますが、中には同系統の異なる通貨ペアでサヤ取りをする方法もあります。
それが今回紹介する、ポーランドズロチ円(PLN/JPY)とユーロ円(EUR/JPY)のサヤ取りです。
ポーランドズロチ円とユーロ円は値動きが連動する傾向があり、それでいて、それぞれでプラスのスワップポイントを得ることが期待できます。
この記事でやり方をマスターしましょう!
<追記 2021年11月3日>
当記事は2019年4月時点に執筆されたもので、現在はサヤ取りは出来ない状態となっております。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
サヤ取り(アービトラージ)とは
サヤ取りは「裁定取引(アービトラージ)」と呼ばれ、一言で説明すると同一商品で買いと売りを両方行い、リスクゼロで差額の利益を取る方法です。
裁定取引(アービトラージ)とは、同一の価値を持つ商品の一時的な価格差(歪み)が生じた際に、割高なほうを売り、割安なほうを買い、その後、両者の価格差が縮小した時点でそれぞれの反対売買を行うことで利益を獲得しようとする取引のこと。機関投資家などが、リスクを低くしながら利ざやを稼ぐ際に利用する手法です。
引用元: SMBC日興証券
FXにおけるサヤ取りは、スワップポイントのFX会社間の違いに着目し、スワップポイントの最も高いFX会社で買い建玉を保有し、まったく同じポジション量の売り建玉をスワップポイントの最も安いFX会社で保有するのです。
これにより、為替差損益をゼロにしたままで、スワップポイントの差額のみを毎日得ていくことが可能です。
ポーランドズロチ円とユーロ円のサヤ取り
通常のサヤ取りは同じ通貨ペア間で両建てを行いますが、実は、ある2つの通貨ペアの両建てをすることで、買いと売りの両方でスワップポイントを受取り、かなり高い利益が期待できるサヤ取りもあります。
そこで登場するのが、ポーランドズロチとユーロになります。
なぜポーランドズロチとユーロなのでしょうか?
ポーランドズロチ円とユーロ円の為替相場
ポーランドズロチとユーロは共に欧州圏の通貨であり、とても強い相関関係があります。
下図はポーランドズロチ円とユーロ円の為替チャートですが、同じような値動きになっていることが確認できます。
ここまで同じ動きをしているのであれば、売りと買いの両建てをすることで為替レートの変動リスクを相殺することが可能です。
つまり、同じ通貨ペアで、異なるFX会社間の両建てと同じ要領で、スワップポイントのサヤ取りを狙えます。
ポーランドズロチ円とユーロ円のスワップポイント
そして、更に、ポーランドズロチ円は買いでプラスのスワップポイント、一方のユーロ円は売りでプラスのスワップポイントなので、買いでも売りでも両方でスワップポイントの受け取りが発生します。
通常のサヤ取りでは、片方はプラスのスワップポイントで、もう片方はマイナスのスワップポイントとなりますが、ポーランドズロチ円とユーロ円では両方プラスなのです。
これはかなり大きなメリットと言え、利益を高めることが出来ます。
ポーランドズロチ・ユーロのサヤ取りでいくら稼げるのか
では実際にどのくらいサヤ取りで儲かるのでしょうか?
ユーロ円は売り建玉だとスワップポイントがプラスで、「DMM FX」が最高値の+13円をつけています。
一方でポーランドズロチ円は買い建玉だと「LIGHT FX」が最高値の+10円をつけています(※注)。
つまり、両方のポジションを合せて1Lotで23円の利益です。
それぞれ100Lot保有すれば毎日2,300円、30日間で69,000円、年間およそ82万円もの不労所得を得ることができます。強制ロスカットになるほどの急騰・急落がない限り為替差損はありません。
ポーランドズロチは100Lot、レバレッジ25倍で1,174,000円の必要証拠金になりますが、ユーロは100Lotでレバレッジ25倍を効かせても、必要証拠金は5,013,200円です。
同じ量のポジションとなると、ユーロの方がやはり高額な資金が必要になります。もちろん余剰金に余裕を持たせるのもユーロの方になるでしょう。
※注:2019年10月時点です。
サヤ取りでおすすめのFX会社
ユーロ円のショートポジションは、DMM FXがおすすめです。
当サイト経由で口座開設をされた方には、為替チャートにラインを引くだけで予想する、FXテクニカル分析の学習教材「ラインの王道」のアクセス権を無料でプレゼント!
ポーランドズロチ円のロングポジションは、LIGHT FXがおすすめです。
サヤ取りのメリットとデメリット
スワップポイントもサヤ取りも、儲かる可能性が高い訳であって、リスクが無いわけではありません。
ここからは、サヤ取りのメリットとデメリットを解説していきます。
サヤ取りのメリット
サヤ取りのメリットは、今ままで解説して通り、為替レートの変動リスクを排除して、スワップポイントの差益を得ることができる点です。
例えば米ドル/円(USD/JPY)でA社の買いスワップポイントが70円だとします。同じ業者であれば売りスワップポイントは同額分のマイナスか、それ以上のマイナスになりますので両建てしてもまったく意味がありません。
しかしB社の売りスワップポイントが-50円だとすると話は別です。A社でロングポジション、B社でショートポジションを保有すると1Lotで20円の利益になります。
為替差益がない代わりに、為替差損もありませんから、20円の利益は確定するわけです。
仮に100Lotを保有すれば毎日2,000円のインカムゲイン(利息)となるので、30日間で6万円の利益があります。特に売買をするわけでもなく、ただポジションを保有し続けるだけで、年間で70万円以上の不労所得があるのです。
ということは、100Lotで年間70万円だと、1万Lot保有して年間7,000万円になります。チャートを分析する必要も、システムトレードのツールを利用する必要もありません。何もしなくていいのです。とてつもなく効率的な不労所得を得る方法と言えるでしょう。
関連記事:『FXスワップポイントサヤ取り』とは?リスクゼロで稼ぐ方法を解説!
サヤ取りのデメリット
しかし、業者間での両建てにはデメリットもあります。それは「必要証拠金が膨大になる」ということです。
1ドル112円だと1万通貨、レバレッジ25倍で1Lot44,800円が必要証拠金ですから、100Lot保有するためには、448万円必要です。
さらに2つの業者で同じポジション量を保有するので単純に倍になります。つまり996万円です。
もうひとつは「為替相場の急騰、急落で証拠金維持率が強制ロスカットの水準を下回ってしまった場合」です。
100Lotを保有するということは、1円の円高円安で100万円の変動になります。
A社では100万円含み益でも、B社では100万円の含み損です。
含み益は問題ないのですが、含み損はどのくらいの余剰金があるのかで耐えられるかどうかが決まります。
リーマンショックのようなことがあって、もし1ドル112円から90円まで円高が進むと、2,200万円の含み損をどちらかの口座で抱えることになりますから、持ちこたえるのは厳しいでしょう。
このような不測の事態もあり得るということです。
強制ロスカットの仕組みについて知りたい人は、【FXロスカット・マージンコールとは?大損する前に理解は必須!】をご覧ください。
ポーランドズロチとユーロサヤ取りのまとめ
このようにポーランドズロチとユーロで業者両建てのような手法を行えば、安定してサヤ取りができるというわけです。
ただしその間、必要証拠金はまったく動かすことができなくなりますし、余剰金のことを考慮するとかなりの資金が縛られることにはなります。
またスワップポイントも固定ではなく、日々変動しますのでしっかりと確認していくことが重要でしょう。
資金さえあればかなり高い確率で順当に資産を増やすことができますので、スワップ・アービトラージに興味がある方はぜひ試してみてください。10Lotでも年間8万円ほど稼げる計算になっています。