こんな疑問を解決!
- RSIってどんなインジケーターなの?
- FXでRSIを使ったトレード手法はどんなの?
- RSIのダイバージェンスとは?
こんな疑問を解決していきます。
RSIはオシレーター系のテクニカル分析で、他のテクニカル分析と組み合わせることで勝率を一気にアップさせることが出来ます。
FXプロトレーダーの中には、RSIをメインで使って3カ月で6億円もの利益を上げた方もいます。
今回の記事では、RSIをこれから学ぶ初心者の方向けに、RSIの仕組み、RSIを使ったトレード手法、トレードの実例を解説していきます。
この記事をしっかりと読めば、誰でもRSIを使いこなすことができるでしょう。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
RSIの仕組みを動画で解説
RSIの意味や使い方について動画(約14分)で解説をしていますので、動画学習をしたい方はご覧ください。
動画が見れない方はスキップして、文章でも学んでいくことができますよ。
RSIとは?
RSIとは買われ過ぎ、売られ過ぎを示すテクニカル指標で、英語の「Relative Strength Index」の略であり、日本語では相対力指数と呼ばれます。
単純に買われ過ぎだから「売りエントリー」、売られ過ぎだから「買いエントリー」というRSIの使い方は完全に誤りですので注意してください。
それでは、詳しいRSIの見方や使い方を解説していきます。
RSIの見方
RSIは0~100%の範囲で表示され、70%以上が買われ過ぎ、30%以下で売られ過ぎを表します。
以下のチャートを見ると、赤塗箇所がRSI:70%以上の領域で買われ過ぎ、青塗箇所がRSI:30%以下で売られ過ぎのエリアとなります。
RSIの見方
- RSI=70%の時、買われ過ぎていることを示す
- RSI=30%の時、売られ過ぎていることを示す
RSIの仕組みと設定値
RSIの仕組みは、直近n期間の上昇幅の累計と下落幅の累計を合計し、その上昇幅の累計が全体の何%を占めているかを数値で示したものです。
計算式ですと、以下の通りとなります。
RSIの定義式
- RSI(%)=100×(直近n期間の上昇幅の累計)÷(直近n期間の上昇幅の累計+直近n期間の下落幅の累計)
この計算式からも明らかな通り、上昇トレンドで上昇幅が大きければRSIの数値は大きくなり、逆に下降トレンドで上昇している時が少ない相場であれば、RSIは0%に近い数値となります。
上記仕組みを知らなくてもRSIは使いこなせるので安心してください。
RSIで設定する数値は、期間(上記nの部分)です。
おすすめのRSIの期間は14であり、一般的に使われるメジャーな数値なので、それ以外の数値は使わない方がいいでしょう。
RSIの誤った使い方
RSIの使い方として、RSIが70%以上は買われ過ぎなので、反落を狙って売りでエントリー、RSIが30%以下では売られ過ぎなので反転を狙って買いでエントリーというような情報を見かけます。
しかし、これは完全に誤った使い方なので無視してください。
というのも、RSIが下から70%を超えてきたときは、強い上昇トレンドが発生している時であり、そのままRSIが70%以上に張り付いて、上昇が続くことがよくあるからです。
逆に、RSIが30%以下の時にも、強い下降トレンドが発生している時は、RSIが30%以下に張り付いた状態となり、そのままレートが下がり続ける時がよくあります。
なので、RSIを単に逆張りのサインとして使用してはいけないのです。
RSIの正しい使い方:ダイバージェンスとは?
では、RSIはどのように使えばいいのでしょか?
RSIに限らず、オシレーター系のテクニカル分析に共通していることですが、「ダイバージェンス」という非常に重要なトレンド転換のシグナルがあります。
「ダイバージェンス」とは、為替レートとRSIが逆行する現象のことを言います。
例えば下図のチャートにおいて、(1)では為替レートは上昇していますが、RSIは高値を切り下げて下落しており、為替レートとRSIがそれぞれ反対の方向に動いています。
また、(2)でも同様に、為替レートは下落していますが、RSIは安値を切り上げて上昇しており、こちらも為替レートとRSIがそれぞれ異なる方向に動いていますね。
では、このダイバージェンスは結局何を意味するのでしょうか?
ダイバージェンスはトレンド転換のシグナルであり、(1)のケースでは下降トレンドへの転換シグナル、(2)のケースでは上昇トレンドへの転換シグナルとなります。
つまり、ダイバージェンスを分析することで、今後相場がどう動くのかを予想することが出来るのです。
ダイバージェンスの特徴
- 上昇トレンドへの転換:為替レートは下落・RSIは上昇
- 下降トレンドへの転換:為替レートは上昇・RSIは下落
ダイバージェンスがトレンド転換を意味する理由
「どうしてダイバージェンスがトレンド転換のシグナルなの?」と疑問に思われた方もいるでしょう。
テクニカル分析のサインには裏に必ず理由があります。
逆に理由や根拠がないサインは何の役にも立たないので注意してください。
ダイバージェンスには、もちろんトレンド転換を示唆する理由があります。
さて、RSIの意味をもう一度よく考えてほしいのですが、RSIは買われ過ぎ・売られ過ぎを意味するインジケーターだと説明しました。
そして、相場が急に上昇している時は、RSIも一緒に急上昇して70%以上に到達します。なぜなら、計算式からも上昇幅の累計が占める割合が大きくなるからですね。
では、上昇の勢いが弱まってきたらRSIはどうなるでしょうか?
その時は、RSIも同様に上昇への勢いが弱まり、70%以下になるか、もしくは70%を超えていても、高値の切り下げが見られます。
要するに、レートが上昇しているにも関わらず、RSIが下降トレンドであるということは、上昇トレンドの勢いが弱まっているシグナルであり、トレンド転換の可能性を示すサインなのです。
下降トレンドの場合も全く同様に考えることができ、レートが下がっているにも関わらず、RSIの安値が切り上がっている場合には、下降トレンドの勢いが弱まっている証拠であり、近々トレンド転換が近づいていることのサインなのです。
RSIによるトレード実例
では、最後にRSIによる実際のエントリーポイントを考えてみましょう。
オシレーター系のテクニカル分析は単体で使うよりも、トレンド系のテクニカル分析と組み合わせた方がだましを回避できて有利です。
今回は、移動平均線と水平線(サポートライン・レジスタンスライン)を使い、エントリーポイントを探していきます。
下図のチャートはドル円の1時間足で、移動平均線(25、50、200EMA)を表示させています。
最初、(1)でレートは、下向きの移動平均線25と50を下回り、グランビルの法則(移動平均線の手法)から売りエントリーのシグナルが点灯しています。
その時、RSIもダイバージェンスが形成されていますので、トレンド転換が近づいていることを示しています。
加えて、赤線の水平線も下抜けしており、やや値動きが急な所を除けば、ここはかなり勝率の高い売りのエントリーポイントとなります。
(1) の売りエントリーの理由
- グランビルの法則:下向きの移動平均線25と50を下抜け
- 水平線を下抜け
- タイバージェンスの発生
また、(2)も同様に買いのエントリーポイントなります。これも同じように根拠を固めることが出来ますね。
(2) の買いエントリーの理由
- グランビルの法則:上もしくは横向きの移動平均線25と50を上抜け
- トレンドラインをブレイク
- タイバージェンスの発生
ちなみにこの記事の説明で使っているチャートソフトは、私含め多くのプロがおすすめしているMT4(メタトレーダー4)です。
MT4は対応しているFX会社の口座開設で無料で使用することが出来ます。
記事:MT4(メタトレーダー4)とは?ダウンロードから使い方をプロが解説
また、MT4でRSIを表示する方法について以下をご覧ください。
記事:MT4でRSIを表示する方法や最適な設定値・使い方を全て解説!
RSIのまとめ
RSIを30%以下で売られすぎ、70%以上で買われすぎを示すテクニカル指標です。
単純に買われ過ぎだから売り、売られ過ぎだから買い、というような使い方をしてはいけません。
相場に勢いがある時は、RSIが70%以上もしくは30%以下で張り付いた状態になることが相応にしてあり、注目するべきは「タイバージェンス」です。
ダイバージェンスは、RSIと相場の逆行現象で、トレンド転換を示唆するサインになります。
RSIは、移動平均線やボリンジャーバンドなどと組み合わせてトレードすると有効ですよ。
合わせて読みたい記事:FXで移動平均線の高勝率な使い方や設定と手法を公開【完全版】
合わせて読みたい記事:ボリンジャーバンドでFXの手法や使い方・見方を解説
説明が分かりやすく、目からウロコでした。質問ですが、例えばトレンド転換や利益確定ポイントを探す時に「RSIにトレンドラインを引け」と言う人がいますが、これは有効なのでしょうか。
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
RSIのトレンドライン自体に意味はないと考えますが、レートとRSIの逆行現象である「ダイバージェンス」に注目していると思われます。
RSIによるトレード実例で ”売り” 及び ”買い” のエントリー理由の ”比較” が分かりやすかったです。
1時間足や5分足のような、比較的短い時間足でも機能しますか?
テクニカル分析は特定の時間足限定、などはないので、基本的にはどの時間足でもは機能します。
ただ、経験則的にダイバージェンスはトレンド転換を示すので、長期足の方が重要度は高いです。
テクニカル分析は、苦手意識がありましたが、とても分かりやすい説明・解説を繰り返して読んでいると理解できてきます。
組合わせてどう読み解くかも解説いただき、根拠さえしっかりしていれば少しでも利益が出せる気がします。
いつもありがとうございます。
自分だったらと考えながらチャートを見ました。
RSIと移動平均線とラインとボリンジャーバンドを使って じっくり考えちゃう。
説明がわかりやすいので全部使いたくなりますw
テクニカル手法について、良く理解できました。
ありがとうございます。
早く実際に使用しながら、トレードしてみたいです。