こんな疑問を解決!
- FXの注文方法はどんな種類があるの?
- 注文方法の特徴や仕組みは?
- どんな場面で使い分けるの?
今回はこんな疑問を解消していきます。
FX初心者にとって、注文方法は見たこともない専門用語で最初は難しいと感じるでしょう。
しかし、FXの注文方法を知らずして、取引を始めることは出来ません。
それぞれの注文を理解し、トレードの目的に合わせて使うことで、利益を伸ばしたり損失を限定させたりすることができます。
そこで今回は、FX初心者・入門者の方向けに、FX注文方法のそれぞれの特徴と使い方について徹底解説していきます。
この記事をじっくり読んで、FX注文方法の全てを理解するようにしましょう。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
FX注文方法の種類と仕組みを動画で学ぶ
FX注文方法(指値、逆指値、OCOなど)の仕組みを動画解説(約16分)していますので、ご覧ください。
動画をご覧になった方も、文章で復習すれば理解が増しますよ。
FX注文方法の基本的な種類3つと使い方
まずは、FX注文方法の中で基本的な以下3つについて解説していきます。
基本的な注文方法3種類
- 成行(なりゆき)注文
- 指値(さしね)注文
- 逆指値(ぎゃくさしね)注文
記事後半の「FX注文方法の応用的な種類3つと使い方」で解説する応用的な3つの注文方法は、上記注文方法を組み合わせて作られたものです。
応用的な注文方法3種類
- IFD(イフダン)注文
- OCO(オーシーオー)注文
- IFDOCO(イフダンオーシーオー)注文
成行注文
成行(なりゆき)注文とは、どんな価格でもいいから買いたい、もしくは売りたい場合に出す注文方法です。
成行注文を出した時点ですぐに成約になりますので、例えば今すぐ取引を成立させたい時に使用します。
価格の急変動をとらえて利益を出すトレーダーは、この成行注文を使ったトレードが基本となります。
ただし、注意点として成約価格はいくらになるか分からないので、相場が急変動している最中に成行注文を使うと、「思っていたより悪い価格で成約した」なんてケースもあります。
為替は時々刻々と動いておりますので、注文ボタンを押してから処理されるまでのわずかな時差で価格が変動し、思っていた価格で成立しないことがあります。
成行注文の仕組み
- 成行注文はどんな価格でもいいので今すぐ注文を成立させたい時に使用
- メリット:相場が動いた時などチャンスを逃さない
- デメリット:成立した価格がいくらになるか分からない
指値注文
指値注文とは、現時点の価格よりも『有利な価格』で売買を希望するときに使用する注文方法になります。
例えば、「99円まで価格が下がったら新規で買いたい」という新規注文でも使えますし、99円でドル買い円売りのポジションを最初から持っていて「100円になったら利益確定の決済をしたい」という場合にも使えます。
価格が変動し、うまくいけば自分の希望していた価格で売買をすることが出来ます。
しかし、成約するかどうかは為替相場の動き次第なので、なかなか成約せずに結局、取引の機会を逃してしまうこともありますので、どの価格に指値の注文を置くかを見極めることがポイントとなります。
指値注文は、現在価格より「有利」な価格で売買したい時に使う注文方法ですね!
指値注文の仕組み
- 指値注文は現在価格より有利な価格で売買したい時に使用
- メリット:希望する価格で成約する
- デメリット:いつ成約するか分からない
逆指値注文
そして、基本的なFX注文方法の3つ目が、逆指値注文です。これは上記2つと比べて少し複雑なので、詳しく説明していきます。
逆指値注文とは、現時点の価格よりも『不利な価格』で売買をしたい時に使う注文方法となります。
例えば、価格が現時点よりも高くなったら「買う」、価格が現時点よりも安くなったら「売る」という注文方法です。
現時点の価格よりも『有利』な価格で売買をする指値注文とは「逆」になっていることから逆指値と呼びます。
逆指値注文では、現在価格より「不利」な価格で売買をするときに使います。
では、この逆指値注文はどのような使い方があるのでしょうか?
逆指値注文の使い方には、以下の3つがあります。
逆指値注文の使い方
- 損切り(ストップロス)
- 利益確定(利食い)
- 新規エントリー(ストップエンター)
① 損切り(ストップロス)
逆指値注文の最も一般的な注文は、この「損切り」です。
損切りは、ストップロスとも呼び、損失を限定させるために使う注文方法です。
例えば下図のように100円で買ったけど、その後価格が下がってきた時に、価格が99円まで下がったら諦めて売り決済をしたい、という場合に使用します。
ずっと相場を見ることが出来ない会社員などの方も、逆指値注文をセットしておけば、損失を限定してリスクを抑えることが出来るんですね。
② 利益確定(利食い)
そして、逆指値注文は損切り以外にも、利益確定(利食い)をする時にも使えるのです。
例えば、99円で買って一時は101円近くまで価格が上昇しましたが、その後下がってきて雲行きが怪しくなってきたケースです。
この時も、100円まで下がったら「売る」ということで逆指値の注文を置くことが出来ます。
この場合、買いの価格が99円なので、100円まで下がったら売るということは利益を守る利益確定(利食い)の注文ということになります。
もし混乱するようでしたら、もう一度以下の点を整理するといいでしょう
- 指値注文:価格が現時点の価格よりも高くなったら「売る」、価格が現時点の価格よりも安くなったら「買う」という注文方法
- 逆指値注文:価格が現時点の価格よりも高くなったら「買う」、価格が現時点の価格よりも安くなったら「売る」という注文方法
③ 新規エントリー(ストップエンター)
では、最後の使い方としては、新規エントリー(別名、ストップエンター)で使う事が出来ます。
ちなみに余談ですが、これは私が得意としているトレード手法の一つで、「ここまで価格が来れば一気に動くだろう」というポイントを探し当てて置きますので、決まればほとんど勝てます。また、プロの為替ディーラーも結構使っている人がいるまさに上級者向けのテクニックです。
どういうものかというと、例えば、価格が99円~100円のレンジで推移しており、「100円を上へ抜ければ一気に上昇しそうだ」という時に、「100円になったら買い」という逆指値の注文をセットしておくのです。
そうすると、予想通り価格が100円に到達した時に、買い注文が成約しますので、相場がそのまま上昇すれば、その波に乗ることが出来るのです。
逆指値注文の仕組み
- 使い方:損切り、利益確定、新規エントリーの3つの使い方がある
- メリット:損失を限定するだけでなく、利益を守ることや、新規のエントリーにも使用できる
- デメリット: 指定した価格と実際の成約価格にズレが生じる時あり
逆指値注文は、FXで最も重要な資金管理を行う上でも必須です。資金管理については、以下で学習できます。
関連記事:【知らないと破産!】FXの正しい資金管理とリスク管理方法を解説
FX注文方法の応用的な種類3つと使い方
基本的な3つの注文の種類(成行、指値、逆指値)が理解出来たら、次は応用となるIFD(イフダン)、OCO(オーシーオー)、IFDOCO(イフダンオーシーオー)の注文の種類を学びましょう。
応用的な注文方法3種類
- IFD(イフダン)注文
- OCO(オーシーオー)注文
- IFDOCO(イフダンオーシーオー)注文
IFD(イフダン)注文
IFD(イフダン)注文とは、「新規注文」と「決済注文」の2つをセットで出す注文方法のことです。
例えば、「99円になったら買い(新規)、100円になったら利益確定(決済)」といった注文です。
決済は利益確定だけではなく、損切りにすることもできるので、「99円になったら買い(新規)、98円になったら損切り(決済)」というやり方もできます。
決済は利益確定か損切りのどちらか1つしか選べないので、両方置きたい場合は後に説明する『IFDOCO注文』を使います。
ここでポイントはIFD注文では最初の注文が成約しない限り、二つ目の注文は発生しないということです。
もしIFDを使わずにバラバラに二つの指値を置いてしまったら、買ってもいないのに、二つ目の利益確定の売りだけが新規で成約してしまう可能性もあるのです。
IFD(イフダン)注文
- 使い方:新規と決済の注文をセットで出したい場合
- メリット:時間が無いサラリーマンでも使える有効な手段
- デメリット:二つ目の注文が利益確定もしくは損切りの一方にしか使えない
OCO(オーシーオー)注文
OCO(オーシーオー)注文は、利益確定と損切りの二つの注文を同時に出して、どちらかが成約したらもう一方はキャンセルになる注文方法です。
例えば、「100円で買ったポジションがあるとして、その後、101円になったら売り(利益確定)、逆に99円なったら売り(損切り)」という使い方をします。
相場をずっと見ることが出来ない人は、OCO注文を置くことで、相場が逆に動いたら損失も限定することが出来ますし、逆に相場が有利な方に動いたら利益を確保することも出来るのです。
OCO(オーシーオー)注文
- 使い方:利益確定と損切りの二つの注文を同時に置きたい時に使用
- メリット:時間が無いサラリーマンでも使える有効な手段
- デメリット: どの水準に注文を置くか見極めが必要
IFDOCO(イフダンオーシーオー)注文
IFDOCO(イフダンオーシーオー)注文は、その名の通り、IFDとOCOをセットにした注文方法です。
少し混乱してきた方も、一つ一つ整理していけば理解できるはずです。
具体例を見ると、下図のように「100円になったら買いたい」という注文に、それが成約したら「101円になったら売り(利益確定)、99円なったら売り(損切り)」をくっつけています。
もちろん、最初の「100円になったら買い」の注文が成約しない限り、後のOCO注文は発動しません。
IFDOCO(イフダンオーシーオー)注文の特徴
- 使い方:新規の買い(または売り)の注文が発動したら、自動的に利益確定と損切りの二つの注文を同時に置きたい時に使用
- メリット:時間が無いサラリーマンでも使える有効な手段
- デメリット:IFDやOCOよりも更に複雑であり、どの水準に注文を置くか見極めが必要
FX注文方法の6種類まとめ
今回はFX注文方法の6種類の特徴やその使い方に関して説明しました。
FX注文方法
- 成行注文
- 指値注文
- 逆指値注文
- IFD(イフダン)注文
- OCO(オーシーオー)注文
- IFDOCO(イフダンオーシーオー)注文
それぞれの注文方法をしっかりと理解して、適切な使い方をすることによって、FXの勝率をアップさせることが出来ます。
FX注文方法には、今回説明した6つがメインなので、いずれも100%理解を目指し、使いこなせるようにしていきましょう。
この次は、「テクニカル分析」の記事をご覧ください。
はじめまして!
最近、FXを始めようと基礎を勉強中の飯塚と申します。
いつも動画とブログを読みながらノートを取っているのですが
今回の注文方法の回で画像のリンクが切れていたので直していただけると
助かります。
今現在、まったく無知な状態なのでエントリーとは程遠いのですが、
チャートを検証してエントリーが出来るようになったら是非とも
スクールに入校して学ばせて頂きたいと存じます。
それまでは、T-yaさんのブログで勉強させていただきます。
FXを始めようと思う前にネット上の情報をいろいろリサーチしました
がT-yaさんのブログと動画が一番スマートでわかりやすく、このサイト一点ですべて学ぶのが最短で上達すると思えます。
今後ともよろしくお願いいたします。
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
是非、当コンテンツを有効に活用下さい。
ご要望の「画像のリンク切れ」ですが、当方で確認したところ特に画像は問題なく表示されておりました。
こちらはご利用の環境(ネット回線、デバイス)によっても変わる可能性があるので、今一度ご確認頂ければ幸いです。
ご提供頂いている動画等でFXについて勉強させて頂いています。
応用的な3種類の注文方法は、全てのFX会社で可能な注文方法なんでしょうか❓
よろしくお願いします。
応用的と言えど、いずれも一般的な注文方法と言えます。
全てのFX会社で使えるかどうかは、調べることは出来ないので、お答え出来かねます。
ここらあたりから、だんだんと難しい言葉が出て来出したけど、ここらが理解できないとFX自体を出来ないから、ここはじっくりと理解が必要ですね。 (・_・;
解説ありがとうございます。
ふと思ったんですが、流れを予想し、OCOまたは逆指値で条件入れれば、大幅な損することはないんじゃないでしょうか?
例えば、1ドル100円の時に買いエントリーしました。
OCOや逆指値で99円に損切りの売り予約しておけば、いいんじゃないでしょうか?確かに一晩で90円に下がるなどの非常事態があれば別ですが、損切りのストッパーをかけておけばほぼノーリスクで運用できるんじゃないでしょうか
よろしくお願いいたします。
逆指値注文の「損切り(ストップロス)」にて解説しておりますが、逆指値は損失を限定させることが出来ます。
一方で、ノーリスクになるわけではないので、再度、記事をご覧ください。
ストップエンターと指値注文の違いが分かりません。
僕は成り行き注文をデモトレードでほとんどの場合に行いますね
たまには指値や逆指値もチャレンジしてみようと思いました。
様々なFXの注文方法を試し、ご自身に合った注文方法を採用するのが良いと言えます。
こちらで学ばせていただきながらトレードもしています。
今のスタイルは、FX会社から発信される売買シグナルに頼って新規注文して、利益確定の逆指値をおいて、ほったらかしというスタイルです。
千通貨単位でのトレードなので、損が出ていてもロスカットはほとんど無いので薄い利益を積み重ねています。
テクニカル分析を早く自分のものとして、利益を伸ばして行きたいです!
こちらのご説明で逆指値注文の3番目の使用方法(ストップエンター)がようやく理解できました!
現在より上値で指値の買い注文を入れようとするとエラーになる意味が分からなくて困惑していました。先日それでトレード機会を逃し悔しい思いをして、もう一度この教材を復習したのですが、次回から活用できそうです!ありがとうございます!!
注文方法がすごく理解できました。
ありがとうございます。
そんな中で、一点質問があります。
IFDやOCOを使用して、例えば「買い」から入り、二つ目に「利確」では無く「売り」とした場合、二つ目が発動された後はポジションが継続されてるって理解であってますか??
有益な情報ありがとうございます。
成り行き注文でエントリーした場合、ローソクが動く度にドキドキするんで、損切りラインを決めるのが難しく感じます。