こんな疑問を解決!
- FXのロスカットって何?
- マージンコールの仕組みは?
- ロスカットやマージンコールを回避する方法は?
FXを始めたいけど、「ロスカット」「マージンコール」「証拠金維持率」の仕組みがよく分からないし怖い!という方も多いのではないでしょうか?
実は、これらのルールや用語はFX会社毎に微妙に違うので、初心者の方には非常に分かりにくい仕組みになっているのです。
ただ、初心者の方であっても、ロスカットやマージンコール、そして、証拠金維持率などの仕組みを理解しておくことは必須です。
そこで今回の記事では、FXを始めたばかりの初心者の方向けに、ロスカットやマージンコールとは何か?それらを回避するために何をすればいいのか?を分かりやすく解説していきます。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
FXのロスカットの仕組みを動画で学ぶ
ロスカットやマージンコール、証拠金維持率について動画で説明(約9分)していますので、こちらをご覧ください。
動画をご覧になった方も、以下の記事を読んで復習しましょう。
FXのロスカットとマージンコールとは
FXのロスカットとは、含み損がある一定以上になると未決済のポジションが強制決済になる仕組みのことです。
また、マージンコールとは追証(おいしょう)とも言ったりしますが、ロスカットまで行く前に含み損が一定の水準を超えると追加の証拠金を期日にまでに入れなければ強制決済になる仕組みです。
そして、厳密には、ロスカットとマージンコールは「含み損」ではなく、今から説明する「証拠金維持率」により判断がなされます。
FXのロスカットやマージンコールについて学ぶ前に、押さえておくべき大切なポイントが一つあります。
それは、ロスカットなどのルールはFX会社毎によって微妙に異なるということです。
これが初心者を混乱させる要因なのですが、ただ、ロスカットやマージンコールの大枠のルールは同じです。
異なるのは、「ロスカットになる数値」や「ルール説明に使われる用語」です。
なので、詳細は必ず各FX会社の公式サイトを確認して頂くことにし、今回は大枠のルールを説明していきます。
ロスカットとマージンコールの仕組み
- ロスカット:含み損が一定以上になると未決済ポジションが強制決済になる仕組み
- マージンコール:含み損が一定以上になると期日までに追加資金を入れないと強制決済になる仕組み
- 厳密には、含み損ではなく「証拠金維持率」で判定がなされる
証拠金維持率の仕組み
証拠金維持率は、以下の計算式で算出されます。
- 証拠金維持率(%) = 有効証拠金(純資産)÷ 必要証拠金 × 100
まず、有効証拠金というのは純資産とも言いますが、FX会社に預けている資金に評価損益を加味した金額のことを言います。
例えば、100万円預けていて含み損が20万円発生していたとすれば、有効証拠金は80万円になります。
一方、必要証拠金とは、保有しているポジションに必要な最低限の証拠金のことです。
例えば、100万円預けて1,000万円(1ドル=100円と仮定)の取引をしているとしましょう。
ここで、1,000万円の取引に必要な証拠金は、25(国内FXのレバレッジは25倍のため)で割って40万円と計算出来ます(または、取引額の4%でも計算できる)。つまり、40万円が必要証拠金に該当します。
この時、証拠金維持率は、有効証拠金80万円÷必要証拠金40万円×100=200%と計算できます。
関連記事:FXレバレッジとは何?危なくない理由を動画で分かりやすく解説!
ロスカットとマージンコールが起こる証拠金維持率
ロスカットとマージンコールが起こる証拠金維持率は、FX会社毎によって変わります。
大手の一角であるDMM FXの場合は、マージンコールは証拠金維持率100%以下、ロスカットは証拠金維持率50%以下で発動します。
また、その他のFX会社では、マージンコールが無く、証拠金維持率が100%以下でロスカットという仕組みの会社もあります。
例えば、ゴールデンウェイジャパンはその一つです。
ちなみに補足ですが、マージンコールやロスカットは、資産が全て溶けたり、逆にマイナスになったりするのを防ぐ仕組みです。
なので、ロスカットの仕組みはむしろ歓迎すべきものであり、それらを恐れる必要は全くありません。
ただし、急激な相場変動が起きると、ロスカットが間に合わず証拠金以上に損が出るケースもあります。
記事:FXで借金をする3つのケースと地獄を回避する対策とは?
ロスカットを回避する2つの対策
それではロスカットを回避する2つの方法について解説をしていきます。
以上の説明で分かる通り、証拠金維持率が低下しロスカットになるパターンは以下の2つです。
ロスカットになるパターン
- ①含み損が増えて有効証拠金が減少
- ②取引量が大きく必要証拠金が増加
つまり、ロスカットを回避するためには、上記とは逆のことをすればいいのです。
対策1:含み損を一定範囲に抑える
一つ目の対策は、含み損が大きくなったら、途中で手動で損切りを行うことです。
投資の世界では、損切り出来ない人は、ほぼ生き残れません。
負けをいかに小さくし、勝ちを大きく伸ばせるかが勝負なので、事前に損切り水準を決めておくことが大切です。
「待っていれば元に戻るだろう」なんて淡い期待を抱いてしまうと、どんどん含み損が膨らんで最終的に取り返しのつかない損失を出しかねないので注意しましょう。
対策2:取引量を一定範囲に抑える(レバレッジを抑える)
二つ目は、取引量を一定範囲に抑えてレバレッジを小さくすることです。
レバレッジ25倍で取引すると、必要証拠金が増えるので、証拠金維持率の計算式から分母が大きくなり証拠金維持率は低下します。
ここで、必要証拠金は取引量に関係しますので、Lotを小さくすれば、ロスカットを遠ざけることが出来るのです。
証拠金維持率の確認方法
最後に、証拠金維持率は自分で計算する必要はありません。
FX会社の取引システム上に「証拠金維持率」という箇所があるので、それを確認すれば済みます。
例えば、有名なチャートソフトMT4(ゴールデンウェイジャパン)の場合、下図のように証拠金維持率などの必要数値が表示されています。
記事:MT4(メタトレーダー4)とは?ダウンロードから使い方をプロが解説
まとめ
ロスカットとは含み損がある一定以上になると未決済のポジションが強制決済になる仕組みです。
また、マージンコールは含み損がある一定以上になると追加の証拠金入金を求める仕組みです。
これらの判定は、厳密には「証拠金維持率」により判断がなされます。
証拠金維持率などの仕組みを理解せずに取引することはかなり危険で、「気づいたらロスカットになっていた」なんてことも起こり得るので、事前にそれらの知識はしっかりと身に付けていきましょう。