こんな疑問を解決!
- ローソク足チャートとは?
- FXチャートはどんなトレンドに分けられるの?
- 為替レートの読み方は?買値と売値とは?
今回はこんな疑問を解決していきます。
これからFXを始める方の中には、「チャートって何?」「ローソク足?」「為替レート(買値・売値)ってどう読めばいいの?」と分からない方もいるでしょう。
そこで今回の記事では、FXを行う上で欠かせない、チャートの見方や為替レートの読み方について解説をしていきます。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
ローソク足と為替レートの見方を動画で学ぶ
ローソク足の見方と為替レートの読み方について動画(約11分)で解説をしています。
動画が見れない人は、この先の文章を読んでいけば大丈夫ですよ。
動画が見終わった方も、以下で復習をすれば効率的に学習できますよ!
FXローソク足チャートの見方
チャートとは過去の価格の推移をグラフ化したものであり、FXや投資をする上で欠かすことのできないツールです。
チャートには投資家の思惑が詰まっていますので、それらを読み解くことで、将来の値動きを予想することができます。
FXチャートの見方を理解する上で、ベースになるのが「ローソク足」と呼ばれるものです。
ローソク足の意味
チャートには、「ラインチャート」、「バーチャート」などの種類がありますが、最も有名でよく使われるのが「ローソク足チャート」です。
ローソク足って、聞いたことある?
聞いたことはあるけど、どういう意味かよく分かりません。。。
ローソク足が理解出来れば、チャートが読めるようになるよ!まずは、陽線と陰線の違いを理解しましょう!
ローソク足は1つで4つの意味を示します。
ローソク足の構成要素
- 始値(はじめね):一定期間内ではじめてついた価格
- 安値(やすね):一定期間内で最も安い価格
- 高値(たかね):一定期間内で最も高い価格
- 終値(おわりね):一定期間内で最後についた価格
ローソク足は、「陽線」と「陰線」の2種類からなり、陽線は始値より終値が高い場合、陰線はその逆で始値より終値が低い場合です。
例えば日足のローソク足で、その日100円で始まり(①)、99円まで下がり(②)、その後103円まで上昇して(③)、最後に102円で終わったのが右のローソク足です。
例えば日足のローソク足で、その日102円で始まり(①)、103円まで上がり(②)、その後99円まで下落して(③)、最後に100円で終わったのが右のローソク足です。
ローソク足が読めるようになると、そのローソク足の形により、今後の相場の方向性を予測することが出来ます。
ローソク足の時間軸はどれを使えばいいか?
ローソク足には、5分、30分、60分、日足、週足など様々な時間軸があります。
この時間軸とは、ローソク足ひとつ分の期間を示しており、例えば5分足であれば、ローソク足ひとつで5分間での値動き(始値・終値・高値・安値)を示します。
ここで、「結局、どの時間軸のチャートを見ればいいの?」と疑問に思う方もいることでしょう。
結論から言えば、使用するべき時間軸は、「ステップ8:トレードスタイル」で解説するトレードスタイル毎によって異なりますので、一概には言えません。
ただし、トレードのやり方として、必ず最初に期間が長い上位足チャートで相場の状態を確認し(相場環境認識)、期間が短い下位足チャートでエントリーポイントを探っていくことが重要です。
以下に、トレードスタイル毎によく使われるローソク足を記載します。
トレードスタイル | 上位足 | 下位足 |
---|---|---|
スキャルピング | 1時間足、30分足 | 5分足、1分足 |
デイトレード | 日足・4時間足・1時間足 | 15分足、5分足 |
スイングトレード | 週足、日足 | 4時間足、1時間足 |
長期トレード | 月足、週足 | 日足 |
記事:FXチャートは何分足を見るべき?ローソク足のおすすめ期間
ローソク足の形状で投資家心理を読む
ローソク足1つ取っても、その形状から相場に起きている変化の兆しや投資家の心理状態を読み解くことができます。
ここで、チャートによく発生する有名なローソク足の形状を取り上げます。
大陽線と大陰線
大陽線は始値=安値、終値=高値の形で、始値から一方的に買われたことを示しています。
一方、大陰線は大陽線の逆の形で、始値=高値、終値=安値で、売りの勢いが強いことを示します。
大陽線と大陰線のどちらも、今後も同じトレンドが継続する可能性を示すローソク足です。
トンカチとカラカサ
トンカチは長い上ヒゲが発生したローソク足の形です。
トンカチが上昇トレンドの中で、なおかつ天井圏で発生した時、買い勢力の力が尽きて、売り勢力の方が優勢になり、上昇トレンドから下降トレンドへ転換する可能性が高まっていることを示します。
一方、今度は長い下ヒゲが発生したトンカチの逆の形がカラカサです。
カラカサが下降トレンドの中で、さらに底値圏で発生したら、下降トレンドから上昇トレンドへ転換する可能性が高まっていることを示します。
例えば、下図はドル円の4時間足を示したものですが、赤塗の箇所のように長い下ヒゲが出ているところは「カラカサ(またはその類似形)」です。
一度下落したけれど強い買い圧力が存在していることを示しており、「反転のサイン」とみなせます。実際に、ドル円はその後に反転上昇していますね。
逆に長い上ヒゲが現れた場合は、強い売り圧力が発生していることを示しますので、その後の反落には注意する必要があります。
十字線
十字線は、買い勢力と売り勢力の力が拮抗している状態を示し、トレンド転換の可能性を示すローソク足になります。
上昇トレンドかつ天井圏で現れた時は「下降トレンドへの転換」の可能性、下降トレンドかつ底値圏で現れた時は「上昇トレンドへの転換」の可能性をそれぞれ示します。
チャートのパターンで相場の反転を予想するテクニックについては以下をご覧ください。
記事:ヘッドアンドショルダーとは?反転パターン5つとFXトレード手法を解説
おすすめのチャート・アプリについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
記事:FX初心者におすすめチャートソフトと取引ツール・アプリランキング
ローソク足のパターン全種類
ローソク足のパターンを更に詳しく知りたい人は、以下の動画をご覧ください。
チャートには3つのトレンドしかない
チャートを読む際に意識することは、今のチャートの状態が「上昇トレンド」「下降トレンド」「横ばい」の、どの状態にあるのかを正しく認識することです。
これを相場環境認識と言います。
FXでは、チャートの環境を認識したうえで、上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら売り、横ばいなら様子見、この3つの動作をするだけで利益を上げていくことが出来ます。
上昇トレンド | 下降トレンド | 横ばい | |
---|---|---|---|
相場環境 | |||
取引 | 買い | 売り | 様子見・何もしない |
現在の相場の環境認識(上昇・下降・横ばい)を判断する方法について勉強したい方は、以下の記事をご覧ください。
記事:『トレンド転換・継続』を見極めるたった5つの判断方法とは?
為替レートの読み方
次に為替レートの読み方について学んでいきましょう。
為替レートは左側と右側にレートがありますが、それぞれ意味が異なりますので、その違いをしっかりと理解するようにしましょう。
為替レートの買値と売値
為替レートの画面は見たことあるけど、何が何だかさっぱりです。。。
ポイントは、自分が買う時と売る時の値段が、右か左のどちらになるのかを理解すること!では詳しく説明するよ!
為替レートの見方について覚えましょう。
まず、為替レートは常に2つの国の通貨のペア(通貨ペア)で表示されています。
下の図で言うと「USD/JPY」(米ドル/円)ですね。
そして、どちらを買うか売るかは、常に通貨ペアの左側(先頭)の通貨を基準に考えます。
つまり、USD/JPYとは、USD(米ドル)という商品をJPY(日本円)で買ったり売ったりするということですね。
そして、その時の値段(レート)が図の下の数値です。
この数値は、「売る時のレート」と「買う時のレート」の2つが表示されています。
左側が「売値(BID)」と呼ばれ、ドルを円で売る(ドル売り円買い)をする時のレートが表示されています。
一方、右側が「買値(ASK)」と呼ばれ、ドルを円で買う(ドル買い円売り)をする時のレートとなります。
難しければ、買いから取引を始める時は右側のレート、売りから取引を始める時は左側のレートが最初に適用されると覚えましょう!
そして、売値と買値の差がスプレッドと呼ばれるもので、トレーダーの支払うコスト(手数料)となります。
ちなみに0.01円=1銭です。詳しくは『こちら』をご覧ください。
このスプレッドが広い程、トレードすればするほどコストが膨らんでいきますので、スプレッドが狭いFX会社の方が優位となります。
すごくよく分かりました!買う時のレートは右側で、売る時のレートは左側のレートが適用されるんですね!?
そうだよ!非常に大事なところなのでしっかりと理解しましょう!
為替レートの見方
- 左側の為替レートは、投資家が売る時のレート
- 右側の為替レートは、投資家が買う時のレート
スプレッドはFX会社を選ぶ際に最も大事なポイントです。FX会社毎でスプレッドの比較をしたい人は、以下をご覧ください。
ロングとショートの意味について
よく「ロング」と「ショート」って聞きますが、どういう意味なんですか??
「ロング」は買いからトレードすること、「ショート」は売りからトレードすることを言うんだ!詳しくみていこう!
ドル円の場合を例に取って説明します。
ロングとは、新規でドル買い円売りを行い、その後、決済でドル売り円買いを行い、損益が確定します。
ロングは単に「買い」とも言います。
ショートとは、新規でドル売り円買いを行い、その後、決済でドル買い円売りを行い、損益が確定します。
ショートは単に「売り」とも言います。
例えば、○○をロングした、○○を買った、などと言う場合は、通貨ペアの左側の通貨を軸にして考えるのが基本です。
- ユーロドルのロング(買い)は、ユーロ買い・ドル売りの意味
- ユーロドルのショート(売り)は、ユーロ売り・ドル買いの意味
なるほど~、つまり通貨ペアの左側の通貨が中心になるということですね!
その通り!ドル円だった、ロングはドル買い・円売りからトレードすることだけど、ユーロドルだったら、ロングはユーロ買い・ドル売りからトレードすることなんだ!
ロングとショート
- ロングは(左側通貨を)買いからトレードすること
- ショートは(左側通貨を)売りからトレードすること
pips(ピップス)とは?
最後にpipsについて学習しましょう。
pips(ピップス)とは、為替レートの基本最小単位のことです。
例えば、1pipsは以下の通りです。
ドル円やユーロ円など、円を含む通貨ペアの場合、1pips=1銭=0.01円です。
ユーロドルやポンドドルなど、円を含まない通貨ペアの場合、1pips=0.0001です。
円を含む通貨ペア | 円を含まない通貨ペア | |
---|---|---|
例 | ドル円の場合 | ユーロドルの場合 |
1pips= | 0.01円(1銭) | 0.0001米ドル |
ローソク足と為替レートの見方まとめ
チャートは過去の価格の推移をグラフ化したもので、テクニカル分析で相場を予想するうえで必須のツールです。
チャートを構成するローソク足は、始値・終値・高値・安値で構成されており、ローソク足自体も相場予測に使用できます。
為替レートを読むときは、通貨ペアの左側に表示されている通貨を基準にします。
レートは2つ表示されていますが、買うときは右側のレートで、売るときは左側のレートが適用されます。
今後、FXを始める上で、チャートや為替レートを正しく読むことは必須なので、今回で完璧に理解しておきましょう。
FX初心者の方は、以下の全8記事を読めば、FXで必要な知識を一通り学習できます。
一部新興国を除いて、スワップ金利は期待出来ないので、純粋に値動きで利益を上げていくしかありません。早く自分に合ったトレードルールを確立したいと思っています。
頑張っていきましょう!
初心者でもわかりやすくまとめていただき大変ためになります。
例えばユーロドルのロングで入る場合、取引所には円しか入金していなくてもポジションを作ることはできるのでしょうか?
取引する通貨と証拠金として入金する通貨の関係を教えていただけると助かります。
ありがとうございます^^
ご認識の通り、円だけをFX会社に入金すれば、それを証拠金として他のユーロや米ドルなどを最初から取引することが出来ます。
はじめまして!
ブログで書かれている、ローソク足や上昇トレンドの曲線はどのようなツールで書かれているか教えて頂けないでしょうか?パワーポイントでしょうか。
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
パワーポイントやillustratorのツールを使っています。
この記事で、今までわかってなかったpips が理解出来ました。
右が買うレートで、左が売るレートって事が1番重要だから忘れないように覚えないと。
1日に何回トレードするのが
ベストですか?
私は短期間でトレードを繰り返すので注文から決済までは短いです
ローソク足の事か、良く理解出来ました。
また、チャートが表してる事も。
もっともっと学習します。
ローソク足が理解できました。早くローソク足パターンを覚えて使いこなせるようになりたいです。
とてもわかりやすく勉強できます。ありがとうございます。
デイトレードの場合、1日に取引できる回数の上限はあるのでしょうか。
1日の取引回数の上限はありません。