こんな疑問を解決!

  • フラクタル構造とは?
  • FXでフラクタル構造を使った手法は?
  • フラクタル構造のメリットとデメリット

FXの勉強を熱心にされている方で、フラクタル構造について知った方も多いのではないでしょうか?

チャートは小さな波動が積み重なって大きな波動を構成しており、フラクタル構造を読み解くことで勝率を劇的にアップさせることが可能です。

今回の記事では、現役プロが、FXのフラクタル構造とは何か?フラクタル構造を使ったトレード手法は?などを解説していきます。

この記事を読めば、フラクタル構造をすっきり理解できますよ!

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役

  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
  • 東京工業大学大学院修士課程修了
  • 三井住友銀行の本店・香港支店にて為替ディーラー業務に従事し、投資家/経営者に転身
  • FXや米株インデックス、高配当株などで運用する億投資家
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など

詳しいプロフィールはこちら

 

FXのフラクタル構造を動画で学ぶ

FXチャートのフラクタル構造について、動画でもアニメーションを使いながら分かりやすく解説していますのでご覧ください。

 

鈴木拓也鈴木拓也

動画が見れない方はスキップして、文章でも学んでいくことができますよ。

フラクタル構造とは

フラクタル構造とは、「図形のどの部分を取っても、それが全体と同じ構造になっている」ことを意味します。

例えば、下図のように三角図形の一部を切り取ると、全体の三角図形と同じ構造が見られ、更に切り取った図形の一部を見ると、また同じ形になっている・・というものです。

このようにフラクタル構造は全体の形が、規則的に繰り返されているのが特徴です。

フラクタル構造は自然界の物体にもよく見られ、雪の結晶やブロッコリー、人間の血管などもフラクタル構造と言われています。

FXチャートはフラクタル構造

FXのチャートには、月足、週足、日足から1時間足、30分足、1分足など様々な時間軸のスケールがあります。

そして、チャートはフラクタル構造で形成されています。

例えば、日足がN字型の波形を描いている時、日足の一部を1時間足で拡大すると同じN字型の波形が確認でき、さらに1時間足の一部を5分足で拡大するとN字型の波形が確認できます。

このようにチャートの時間軸を拡大すると、異なる時間軸で次々に同じ形のチャートが繰り返されているのです。

チャートはスケールが小さい波が、1つスケールが上の大きい波を構成しているので、まさにフラクタル構造の概念が当てはまります。

記事:FXローソク足チャートの見方と為替レートの読み方

フラクタル構造を使ったFX手法

FXでフラクタル構造を確認してトレードするには、最低2つの以上の時間軸が異なるチャートを分析する必要があります。

これを、マルチタイムフレーム分析と言います。

今回は、FXの代表的なフラクタル構造であり、以下3つの手法を取り上げて解説していきます。

フラクタル構造のFX手法

  • ダウ理論
  • エリオット波動
  • チャートパターン
鈴木拓也鈴木拓也

マルチタイムフレーム分析は複数の時間軸を分析することを意味し、フラクタル構造は複数の時間軸に発生する同じ波形のチャートを分析することを意味します。

ダウ理論

ダウ理論とは、高値と安値がそれぞれ切り上げる「N字波動の上昇トレンド」、高値と安値がそれぞれ切り下がる「逆N字波動の下降トレンド」のことです。

N字波動と逆N字波動はチャートを構成する最も基本的なパターンなので、フラクタル構造となります。

 

例えば、下図のように日足チャートにて高値Aを更新した時点でN字波動の上昇トレンドと確認できます。

ここで、高値Aを更新した日足チャートの一部をスケールの小さい1時間足で確認すると、1時間足の中にも同じN字波動の上昇トレンドが確認でき、フラクタル構造となっています。

FXでトレードする際も、日足だけを見てエントリーするのではなく、日足が上昇トレンドとなり、更に、1時間足でもN字波形が描けて上昇トレンドとなった時点で買いエントリーすることで勝率を高めることができます。

ダウ理論についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

記事:ダウ理論とは?FXで稼ぐ手法や使い方をわかりやすく解説

エリオット波動

エリオット波動とは「上昇5波・下降3波のサイクル」で構成される一定の値動きのことです。

現在の為替レートがエリオット波動のどの波動に乗っているかを分析することで、将来の値動きを予想することができます。

エリオット波動もフラクタル構造となっており、例えば、日足でエリオット波動の1波、2波を確認したとします。

すると、4時間足へ拡大すると、日足の第1波の中に4時間足の第1波~第5波が確認できます。

また更に、15分足へ拡大すると、4時間足の第1波の中に15分足の第1波~第5波が確認でき、フラクタル構造となっています。

エリオット波動のフラクタル構造を確認することで、より精度の高いトレードが可能となります。

エリオット波動の詳細は以下の記事をご覧ください。

記事:エリオット波動のFX手法を公開!波動の3大ルールと特徴

チャートパターン

チャートパターンとはトレンドの転換を示す「反転パターン」や、継続を示す「保ち合いパターン」のことです。

反転パターンには、ヘッド&ショルダー、トリプルトップ(ボトム)、ダブルトップ(ボトム)などがあります。

ヘッド&ショルダートリプルトップ(ボトム)ダブルトップ(ボトム)
ヘッド&ショルダー トリプルトップ(ボトム) ダブルトップ(ボトム)
ヘッド&ショルダー トリプルトップ(ボトム) ダブルトップ(ボトム)

 

保ち合いパターンには、三角保ち合い(トライアングル)などがあります。

シンメトリカル(対称)アセンディング(上昇)ディセンディング(下降)
シンメトリカル(対称) アセンディング(上昇) ディセンディング(下降)
前のトレンドの継続上昇トレンドの継続下降トレンドの継続

 

チャートに頻繁に登場するこれらのチャートパターンも、フラクタル構造となります。

例えば、日足チャートにて上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示すダブルトップが形成されています(下図)。

ここで、日足チャートの一部を1時間足チャートに拡大してみると、1時間足チャートにもより小さなダブルトップが形成されています。

売りを狙う際には、日足チャートだけ見てエントリーするのではなく、日足に加えて1時間足チャートでダブルトップ形成を予想して売りエントリーすることで、勝率が高くなります。

記事:【鉄板】FXチャートパターン全16種類の一覧とトレード戦略

記事:ヘッドアンドショルダーとは?反転パターン5つとFXトレード手法を解説

記事:三角保ち合いは絶好のチャンス!必勝パターンの記憶は必須ですよ

フラクタル構造で見るべき時間足

FXチャートのフラクタル構造を分析する時、どの時間軸(スケール)のチャートを見ればいいのか?

これに対しては、絶対にこの時間軸を見るといった正解はありません。

なので、自分がどのようなトレードスタイルなのかで、使う時間足を選んでいくのがおすすめです。

例えば、短期売買のスキャルピングであれば、スケールが大きい上位足は1時間足や30分足などを見て、エントリータイミングを計る下位足では1分や5分足を見るのがおすすめです。

4つのFXトレードスタイル
トレードスタイルトレード時間の目安上位足下位足
長期トレード数カ月以上月足
週足
日足
スイングトレード数日~数週間週足
日足
4時間足
1時間足
デイトレード数時間~1日日足
4時間足
1時間足
30分足
15分足
5分足
スキャルピング数秒~数分1時間足
30分足
5分足
1分足

記事:FXトレードスタイル4つの種類と初心者に合う手法の見つけ方

フラクタル構造のメリット

FXチャートをフラクタル構造で分析するメリットは以下の通りです。

フラクタル構造のメリット

  • 主要トレンドに乗れる
  • だましのリスクが小さくなる

主要トレンドに乗れる

フラクタル構造を確認することで、1つ上の大きなスケールの時間軸を分析しますので、主要なトレンドに乗ることができます。

例えば、ダウ理論で上位足が上昇トレンドで、かつ下位足でも上昇トレンドの時にエントリーすることで、大きなトレンドに逆らうことなくトレードが可能です。

だましのリスクが小さくなる

大きなトレンドに乗るということは、同時にダマしのリスクを軽減できるということです。

例えば、5分足が上昇トレンドだと思って買いでエントリーしたものの、より上位の1時間足が下降トレンドだった場合、一時的な小さい上昇波で仕掛けていることになり不利です。

上位足と下位足が同じトレンドになった時点でエントリーすることで、損切りになるリスクを回避できます。

フラクタル構造のデメリット

フラクタル構造を使うことにもデメリットがあり、それが下記の2つです。

フラクタル構造のデメリット

  • フラクタル構造が必ずあるわけではない
  • 分析が複雑になる

フラクタル構造が必ずあるわけではない

FXチャートは一部の小さい波が集まって大きな波を構成しており、フラクタル構造であると説明しましたが、実際のチャート分析では必ずフラクタル構造が発見できるわけではありません。

例えば、エリオット波動の第1波を拡大して分析した時、下位足でエリオット波動が無い場合もあります。

同様に、ダブルトップの一部を拡大して分析しても、下位足でダブルトップが形成されない場合もあります。

なので、見つかったら絶好のチャンスくらいに考えておきましょう。

分析が複雑になる

複数の時間軸を分析するということは、その分、チャートの分析に費やす時間もかかり、分析が複雑になるデメリットもあります。

また、初心者の方は、実際のチャートでフラクタル構造を分析すると、難易度が高いと感じるかもしれません。

なので、フラクタル構造を使ったトレードは上級者向けの高度なテクニックなので、徐々に慣れていきましょう。

フラクタル構造のまとめ

フラクタル構造とはチャートの一部を切り取って拡大した時に、同じパターンになっている特性を言います。

自然界にもよく見られ、FXチャートではダウ理論のN字波動(逆N字波動)、エリオット波動、チャートパターンなどがフラクタル構造になっています。

フラクタル構造を認識することで、主要トレンドに乗れだましのリスクが減るメリットがありますが、分析負荷が増えるなどのデメリットもあります。



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