こんな疑問を解決!
- ハイレバレッジでFXは儲かるのか?
- ハイレバレッジは危険なの?安全なの?
- ハイレバレッジで稼ぐ方法は?
FXでは「レバレッジ」で証拠金の何倍ものトレードを行うことができます。
例えば、レバレッジが25倍であれば、トレードの為替差益で得られる利益も25倍になります。
そういった状況もあって、一攫千金を狙ってFXを始める人が続出しています。
ただし、ズバリ言うとハイレバレッジでFXをするのは危険で全くおすすめ出来ません。
ネット上には、「ハイレバレッジの方が安全」と言った情報もありますが、その真の意味を理解しないまま、鵜呑みにするのは大変危険です。
そこで今回の記事では、「ハイレバレッジが安全」とはどういう意味か?ハイレバレッジで稼ぐための心得とは?何倍くらいのレバレッジが適切なのか?についてお伝えしていきます。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
FXのレバレッジについて
基本的な部分ですが、レバレッジとはFX会社に預けた証拠金(預けた資金)より、大きな金額を取引できるしくみのことです。
最大レバレッジは国内FX会社と海外FX会社によって異なり、国内であれば最大25倍、海外FXであれば888倍などがあります。
また、レバレッジはレバレッジ自体を2倍、3倍と変更するのではなく、取引する通貨数量(取引ロット)を変更することでコントロールできます。
FXの基礎の部分ですので、この説明の意味が分からない人は、以下をご覧ください。
記事:FXレバレッジとは何?危なくない理由を動画で分かりやすく解説!
ハイレバレッジは『安全』か『危険』のどちらが正しいか
ハイレバレッジで預けた資金よりも取引金額が大きくなり、利益も損失もそれに応じて大きくなるのでハイリスク・ハイリターンと言えます。
一方で、ネット上には「ハイレバレッジの方が安全」という考え方もあります。
これはどういう意味なのでしょうか?
ハイレバレッジが安全な理由
例を出して考えてみましょう。
10万円の資金があったとして、レバレッジ25倍のFX会社で取引をしたとします。米ドル/円が100円だとすると、1万通貨を購入するのに4万円(1万×100円÷25)の資金(必要証拠金)が必要です。
1万通貨のロングポジションを持ちました。その後、米ドルは急落、95円まで下落したとすると、1円の円高が進むごとに1万円の含み損が発生しますので、5万円の含み損です。
ここで、10万円の資金から5万円の含み損を引いても5万円残るので、必要証拠金以上に資金があり、強制ロスカットまではまだ余裕がある状態です。
では次に、資金が25万円あって、レバレッジ5倍のFX会社(※分かりやすくするための例)で米ドル円のロングポジションを1万通貨保有しました。
この時、必要証拠金として20万円が必要で、余力は5万円しかありません。この場合、先ほどのように1米ドル100円から95円まで急落すると、5万円の損失がでますので、含み損で証拠金維持率が100%を下回ってしまい、強制ロスカットの危険性が高まります。
つまり、この比較から何が言えるかというと、ハイレバレッジが安全だというのは「余剰資金に余裕ができるので、もしもの時の大きな変動にも耐えられる」という話です。
証拠金維持率やロスカットについて詳しく知りたい人は、以下をご覧ください。
記事:FXロスカット・マージンコールとは?大損する前に理解は必須!
ハイレバレッジが危険な理由
上記の説明は一理あります。レバレッジが高いFX会社の方が、強制ロスカットまで余裕があるので、急変動の場合にも耐えられます。
現在、国内FX会社のレバレッジは最大25倍と法令で決まっています。一方で、海外FX会社は規制がないので、最大888倍のFX会社もあります。
100万円預けたら、8億8千万円の取引が最大で出来るので、買った場合のリターンはけた違いになります。
しかし、それは裏を返せば、負けた時のリスクもけた違いになるということです。
ハイレバレッジが安全というのは、あくまで「的確な量のポジションを持っていることが前提」になります。
例えば、最大25倍のFX会社を使って、5倍程度の取引数量でトレードをするということです。
おすすめのレバレッジは人によって異なりますが、最大10倍で、通常は5倍程度に抑えた方がいいでしょう。
なるほど、ハイレバレッジが安全とは、ただ「ロスカットされにくいから安全」ってことを言っているんですね?ハイレバレッジの状態で取引すれば、必然的にハイリターンだけどハイリスクになりますね。
その通りです!高いレバレッジで取引数量を増やせば、損失も何倍にもなるので、当たり前ですがハイレバレッジは危険との認識が正しいです。
ハイレバレッジで稼ぐための3つの心得
それでは続いて、ハイレバレッジで稼ぐための心得3つを見ていきましょう。
これを徹底しないと、一貫千金どころか、資金が溶けてなくなる可能性もあるので注意しましょう。
ハイレバレッジで稼ぐ心得3つ
- 自分の売買ルールを守る
- 損切りを必ず置く
- 国内FX会社を使う
心得1:自分の売買ルールを守る
1つ目の心得は、「自分の売買ルールを守る」ことです。
大切なのは、「許容できるリスク」や「許容しているリスク」をしっかり認識し、コントロールできるかどうかです。
FXのトレードで大損をしている多くの人が、ハイリターンを期待し過ぎるあまり、限界までレバレッジを高め、限界までポジションを抱えています。そうなると相場が予想の逆に動いただけですぐに強制ロスカットです。強制ロスカットに合うと、再起不可能なぐらいの損失を生み出す可能性があります。
稼ぎたい目標金額ももちろん大切なのですが、投資で一番重要なのは「リスク管理」です。
「どのくらいの資金でFXを始めるのか」、「どのくらいの損失までは許容できるのか」、という点を土台にして、計画を立てていきましょう。
「とにかくたくさん稼ぎたい」という気持ちが先行しているようでは、あっという間に資金が底を尽いてしまいます。
実際のトレードでは感情が邪魔をします。やってはいけないと事前に決めていたのに、含み損が増えているから焦ってポジションを増やしたり、ナンピンするといった行動は、さらに損失を膨らます危険性がありますので、我慢しましょう。
事前に自分で決めたトレードルールは、どんな時でも守るという強い意志が、「トータルで勝つ」ためには大切なのです。
資金管理については、以下の記事もご参考下さい。
心得2:損切りを必ず置く
2つ目の心得は「損切りは必ず置く」です。
強制ロスカットは、資金の大半を失うことになり、FXから退場することを余儀なくされます。それほどの致命傷です。ですから、そうなる前に損失を最小限に抑えられる習慣をつけましょう。
それが「損切り」(ストップロス)です。
損切りできるかどうかは、メンタル面がとても重要です。「為替レートが戻るかもしれない」、「トレンドが反転するかもしれない」という誘惑に打ち勝たなければならないからです。
小さな損失であればいくらでも補うチャンスはあります。逆に小さな利益は簡単に吹き飛ぶのです。「損小利大」の基本方針を崩さずに、トータルで勝てるトレーダーを目指しましょう。そのためには損切りは絶対に必要な手法になります。
リスクリワードについては、以下の記事もご参考下さい。
記事:リスクリワードとは?初心者がFXで負ける理由を徹底解説
心得3:国内FX会社を使う
3つ目の心得は「国内FX会社を使う」ことです。
レバレッジの規制が無い海外FXで一獲千金を狙う人が多いですが、レバレッジ25倍以上はもはや投資ではなくただのギャンブルです。
ギャンブル依存症になると、お金を稼ぐというよりも、増えるか減るかのスリルが快感となり、抜け出せなくなります。
最終的に行き着くのは破滅です。
そのような状態を防止するためにも、レバレッジが25倍に定められている国内FX会社を使うようにしましょう。
記事:海外FXをプロが絶対おすすめしない理由と注意点やデメリット
ハイレバレッジFXのまとめ
レバレッジだけで、FXが危険なのか、危険ではないのかを判断することは難しいです。大切なことは「資金」、「レバレッジ」、「損切り」のバランスをしっかりと把握し、コントロールできることです、
くれぐれも一攫千金を狙ったギャンブルトレードはやめておきましょう。FX初心者は、月利20%であれば、月利20%に向けてコツコツと勝てそうなタイミングでトレードを行い、利益を増やしていきましょう。
レバレッジやリスク管理についてもっと基本から学びたいのであれば、無料学習コンテンツ「FXトレーディングカレッジ」を有効活用してください。