こんな疑問を解決!

  • MACD(マックディー)はどんなインジケーターなの?
  • MACDの設定値は何がいいの?
  • MACDを使ったFXトレード手法は?

今回はこんなお悩みを解決していきます。

MACD(マックディー)はオシレーター系のテクニカル分析の一つです。

世界中のトレーダーに使用されている分析手法であり、MACDを使うことでトレンドの方向性を見極めることが出来るようになります。

つまり、MACDを使いこなせれば、FXでも株でも、仮想通貨でも、相場から利益を上げることが出来るというわけです。

今回の記事では、そんなMACDとはどんなテクニカル分析なのか?また、どのような使い方・手法があるのかをプロが全て解説していきます。

MACDを勉強したい人は、この記事を完璧に理解できれば驚くほどFXの実力を高めることが出来るでしょう。

この記事の執筆者
suzuki_gazou

鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役

  • 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
  • 東京工業大学大学院修士課程修了
  • 三井住友銀行の本店・香港支店にて為替ディーラー業務に従事し、投資家/経営者に転身
  • FXや米株インデックス、高配当株などで運用する億投資家
  • 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など

詳しいプロフィールはこちら

 

MACDの見方や使い方を動画で学ぶ

MACDの仕組みや使い方について動画で解説(約18分)をしていますのでご覧ください。

もし動画が見れない方も、記事で全て解説していますので、この後を読み進めていきましょう。

 

この動画で分かること

  • MACDの仕組み
  • MACDの売買シグナル

MACDとは

MACD(マックディー)とは、Moving Average Convergence and Divergenceを省略したもので、日本語では「移動平均収束発散法」と呼ばれています。

これだけ読むと意味不明だと思いますので、かみ砕いて解説をしていきますね。

MACDの仕組み

MACDの仕組みは非常にシンプルです。

MACDは、2つの期間の指数平滑移動平均線(EMA)の差をとった「MACDライン(以降、単にMACDと表記)」と、MACDラインの移動平均線である「シグナル線」から構成されています。

つまり、移動平均線をより発展させたものが、MACDなのです。

移動平均線の意味を理解したい人は、以下の記事で説明していますのでご参考下さい。

記事:FXで移動平均線の高勝率な使い方や設定と手法を公開【完全版】

 

以下のチャートでは、12EMA(青線)と26EMA(ピンク線)、そして、MACD(灰色)とシグナル線(赤線)を表示しています。

そして、MACDは単純に、26EMAと12EMAの差分を表示したものなのです。

また、シグナル線は、MACDの期間9の移動平均線を表示したものです。

MACDは26EMAと12EMAの差分を表示したもの

MACDの構成

  • MACDライン:2つの期間の指数平滑移動平均線の差分
  • シグナル線:MACDラインの移動平均線
鈴木拓也鈴木拓也

MACDの仕組みが理解できると、実は単純なテクニカル指標であることに気づくでしょう。

(※さらに、MACDとシグナル線の差をヒストグラムで表示させる場合もありますが、無くても問題ありませんので今回は掲載しません。)

MACDの設定値

MACDの設定値ですが、初心者の方におすすめの設定値は以下の数値となります。

MACDのおすすめ設定値

  • MACDライン:期間12と期間26
  • シグナル線:期間9

 

これ以外の設定値を使っても構いませんが、上記は一般的に使用されている数値であり、他の数値を使う場合には、自分で最適化(検証)をする必要があります。

最適化は非常に大変なので、一般的な数値で全く問題ありません。

なお、本記事のチャートは高性能で無料で使える「MT4(メタトレーダー4)」を使っています。

MT4でMACDを表示する方法は【MT4でMACDを使う方法や最適な設定値・2本線の表示方法】をご覧ください。

また、TradingViewというチャートでMACDを表示する方法は【TradingViewのMACD表示・設定方法と使い方を解説】をご覧ください。

MACDの4つの使い方(手法)

では、どのようにMACDを使っていけばいいのでしょうか?

MACDの主な売買シグナルには、以下の4つがあります。

MACDの売買シグナル4つ

  • MACDのゼロラインとのクロス(ゴールデンクロス・デッドクロス)
  • MACD自体の傾きの変化
  • MACDとシグナル線とのクロス
  • ダイバージェンス

手法①:MACDとゼロラインとのクロス

最初の使い方は、MACDとゼロラインとのクロスで売買することです。

先ほど、MACDは、12EMAから26EMAを引いたものであることを説明しました。

つまり、MACD=12EMA-26EMA=0になる時は、12EMAと26EMAが交差している時であり、それは移動平均線のトレード手法の一つである「ゴールデンクロス・デッドクロス」と同じシグナルであることを示しています。

下図のチャートのように、MACDが下から上へゼロラインと交差すれば、それはゴールデンクロスと同じであり、買いシグナルとなります。

一方、MACDが上から下へゼロラインと交差すれば、デッドクロスと同じであり、売りのシグナルとなるのです。

MACDとゼロラインとのクロス

MACDのゼロラインとのクロス

  • MACDが下から上へゼロラインを上抜けすれば買いシグナル
  • MACDが上から下へゼロラインを下抜けすれば売りシグナル
鈴木拓也鈴木拓也

一つ目の手法は、移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスと同じですね!

手法②:MACD自体の傾きの変化

二つ目の使い方は、MACD自体の傾きの変化を見る事です。

下図のチャートのように、MACDがプラスの領域にあり、かつ右肩上がりに上昇している領域(赤塗)では、短期EMAが長期EMAからどんどん離れている状態であり、上昇トレンドの勢いが強いことを示します。

つまり、押し目があれば、積極的に買いでエントリーしたい局面です。

一方、青塗の領域では、MACDが右肩下がりとなり、これは短期EMAと長期EMAの幅がどんどん狭くなっている状態であり、上昇トレンドの勢いが落ちて、レンジ相場に入りつつあることを示しています。

なので、この時であれば、トレンド転換のリスクを考える必要があり、買いエントリーは慎重になった方がいいと言えます。

MACDの傾き変化

上図では、MACDがプラスの領域、つまり上昇トレンドのケースを説明しましたが、これはMACDがマイナスの領域で下降トレンドの場合においても、そのまま当てはまります。

 

MACD自体の傾きの変化(MACDがプラスの領域)

  • MACDが上向きならば、上昇トレンドの勢いが強く、買いエントリー検討
  • MACDが下向きならば、トレンド転換のリスクを警戒

MACD自体の傾きの変化(MACDがマイナスの領域)

  • MACDが下向きならば、下降トレンドの勢いが強く、売りエントリーを検討
  • MACDが上向きならば、トレンド転換のリスクを警戒
鈴木拓也鈴木拓也

二つ目の手法は、MACDオリジナルの手法ですね。ポイントは、MACDがプラスなのかマイナスなのかと、向きを確認することです。

手法③:MACDとシグナル線のクロス

3つ目の使い方は、MACDとシグナル線のクロスです。

先に、売買シグナルを説明しますと、以下の通りとなります。

MACDとシグナル線のクロス

  • MACDがシグナル線を下から上へ抜ける時、買いシグナル
  • MACDがシグナル線を上から下へ抜ける時、売りシグナル

 

これは、移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスと似ていますね。

具体的には、下図チャートの場合、赤い印の箇所では、MACDがシグナル線を下から上へ抜けていますので、買いシグナルの部分になります。

一方、青い印の箇所では、MACDがシグナル線を上から下へ抜けていますので売りシグナルの部分です。

シグナル線とMACDのクロスのシグナル

手法④:ダイバージェンス

4つ目の手法は、為替レートとMACDの逆行現象である「ダイバージェンス」と呼ばれる手法です。

下図のように、為替レートは上昇しているが、MACDが下落している時、上昇トレンドの勢いが弱まっていることを示しており、下降トレンドへの転換シグナルとなります。

 

なお、為替レートが下落しているが、MACDは上昇している時、下降トレンドの勢いが弱まっていることを示し、上昇トレンドへの転換シグナルとなります。

ダイバージェンス

  • 為替レートが上昇している一方でMACDは下落
  • 為替レートが下落している一方でMACDは上昇

MACDの使い方まとめ

MACDは2つの期間の指数平滑移動平均線の差分である「MACDライン」と、MACDラインの移動平均線である「シグナル線」から構成されます。

MACDを使った売買シグナルは以下の4つがあります。

MACDの売買シグナル4つ

  • MACDのゼロラインとのクロス(ゴールデンクロス・デッドクロス)
  • MACD自体の傾きの変化
  • MACDとシグナル線とのクロス
  • ダイバージェンス

MACDもRSIやストキャスティクスと同様に、トレンド系のテクニカル分析と一緒に使うことでより勝率を高めることが出来ます。

MACDに合ったトレンド系のテクニカル分析は、以下がおすすめですよ。

一緒に読みたい記事1:ボリンジャーバンドでFXの手法や使い方・見方を解説

一緒に読みたい記事2:一目均衡表の使い方・見方・トレードの仕方



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