こんな疑問を解決!
- FXトレードの検証は具体的に何をすればいいの?
- FXの検証の目的は?
- 検証で手法を強化する方法は?
FXの世界では「勝者は2割、敗者は8割」と言われるほど、厳しいものでもあります。
一度や二度であれば誰でも勝てるのですが、継続して毎月利益を重ねていくとなると、一部の一流トレーダーしか実践できていないのです。
勝者と敗者の差は何でしょうか?
結論から言うと、「検証をどれほど重要視しているのか」「どれだけ明確な検証ができているのか」が大きく関わっています。
そこで今回の記事では、具体的な検証方法についてお伝えしていきます。
一度も検証をしたことが無い人は、まずFXで稼いでいくのは難しいと言えますので、この記事をじっくり読んでみましょう。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
FXで検証をする2つの目的
「FXは検証が大切」とはよく耳にするものの、FX初心者であれば、具体的にどうすればいいのかよくわからないかもしれません。
FXで検証をする目的は、「既にあるトレード手法の改善をするため」と「新しいトレード手法を作るため」の2つがあります。
FXの検証が必要な理由
- 既にあるトレード手法の改善
- 新しいトレード手法を作る
まずは、FXの検証は何のためにするのかを明確にしていきましょう。
目的1:既にあるトレード手法の改善
1つ目の目的は、自分の改善点を把握し精度を高めるためです。
プロ野球選手は、自分のピッチングフォームやバッティングフォームを撮影しておかしな点はないか、改善すべき点はないか常に確認しています。プロゴルファーも同様です。
自分のイメージと、実際の行動を客観的に見比べてみると、かなり違っている点があるのです。自分は理想通りにやっているつもりでも、実はグリップが下がっていて、しっかりミートできなくなっていたりします。
これは後からの振り返り、「検証」をしてみないと気づかないのです。そして検証することによって、よりブラッシュアップし、自分のスイングの精度を高めることができます。
FXでも同じことが当てはまります。
勝った、負けたで一喜一憂していても成長はできません。後からしっかり検証することで、自分がどんな場面で、どんなエントリーやエグジットをしていたのかを見つめ直し、成功や失敗した要因を把握することができます。感情的になってしまい、思わぬエントリーなどしているかもしれません。
こうして検証を繰り返し、トレーダーとして成長していくのです。
FXで勝てるようになるためには検証を欠かすことはできません。
目的2:新しいトレード手法を作るため
2つ目の目的は新しいトレードルール(つまり、手法)を作るためです。
FXの検証は、自分の癖や改善すべき点だけを見つけるだけでは不十分です。
「本当にエントリーすべきタイミング」「損失を最小限に抑えるためのタイミング」「利益を確定すべきタイミング」といったものは、過去の為替相場の動きを分析しなければ見えてきません。
つまり、過去の為替相場の動向も検証し、どんなトレードルールにすれば勝てるのかを考えていく必要があるのです。
もちろんFXに関する書籍やセミナーなどで、知識を蓄え、情報を得る機会は多くありますが、FXは実践も積まないと見えてこないものがあります。
ですからインプットだけでも、アウトプットだけでも成長できません。
インプットとアウトプットをバランス良く行い、さらに検証することで、「勝つためのトレードルール」が作られていきます。
新しいトレードルールに従って取引していくことで、勝率は今までよりも安定していくようになります。
FXの検証方法(準備編)
それでは、検証で使うチャートツールや検証項目の意味などについて解説します。
既存の手法の検証でも、新しい手法の検証でも、使うべきチャートや検証項目は同じです。
検証で使用するチャート・ツール
FXで手法の検証を行うためには、過去の為替相場を確認するためにチャートソフトが必要です。
様々なチャートがありますが、最低でも過去1年分は遡って検証できるチャートを選びましょう。
検証作業で特におすすめのチャートはMT4(メタトレーダー4)です。
MT4では1年以上も過去まで遡ってチャートを表示することが可能であり、また、シミュレーション機能なども充実しています。
MT4は、「ゴールデンウェイ・ジャパン」などのFX会社が提供しているもので、もちろん完全無料で使用することが出来ます。
MT4の使い方などは以下をご覧ください。
記事:MT4(メタトレーダー4)とは?ダウンロードから使い方をプロが解説
その他チャート:FX初心者におすすめチャートソフトと取引ツール・アプリランキング
検証するトレードルール(手法)
検証をする大前提として、自分の売買手法がある程度固まっている必要があります。
何も知識や手法が無いのに、ゼロから検証で売買ルールを見つけるのは膨大な時間がかかり非効率なので、まずは本や教材で売買手法を学習しましょう。
その後に、本当にその手法が有効なのかを検証で確認してみて下さい。
テクニカル分析の学習をされたい方は、FX口座開設で無料プレゼント中の「ラインの王道」もご利用下さい。
その他、FX初心者の方は、いろいろなインジケーターがありますので、まずは有名なものをいくつか確認してみることです。
「移動平均線」は短期・中期・長期を組み合わせ初心者に人気の手法です。
他には「一目均衡表」や「MACD」「ボリンジャーバンド」などを確認し、
どの時間足で、どのインジケーターが、どんな反応をしたときが売買のシグナルになっているのか地道に分析していきましょう。
検証時にチャートで確認するべき項目
検証する際にチャートで確認するべき項目は主に以下の4つです。
チャートの確認項目
- 売買シグナルの勝率
- 時間足毎の有効性の変化
- 通貨ペアによる有効性の変化
- 時間帯による変化
まずは、手法やルールの売買シグナルが、本当に予想通りの値動きになっているか確認しましょう。
ここで、100%の勝率は実現不可なので、勝率が50%以上であるかを一つの目安としましょう。
次に、時間足や通貨ペアによって、手法の有効性が変わるかも見ていきましょう。
ドル円では有効だけど、ユーロドルでは全然機能しない、なんてこともあり得ます。
また、トレードの時間帯によって差があるかどうかも確認した方がよいです。
FXの検証方法 3ステップ
ここからはFXトレードの具体的な検証方法を解説していきます。
検証のステップ
- 自分のトレードを記録する
- 記録を振り返り改善点を探す
- PDCAサイクルを回す
ステップ1:自分のトレードを記録する
まずは、自分がどんな場面でトレードしたのか記録しましょう。
トレードプラットフォームの中にも発注記録は残されていますが、別途自分で記録しておくと振り返りにもなります。
ノートに記していくのでもいいですし、Excelに取り引き履歴や損益を入力していくのも効果的です。
Excelであればどの時間足を参考にしたのか、どのインジケーターを参考にしたのか、どのくらいのポジション量だったのか、どの価格でエントリーして、どの価格でエグジットしたのか、損益はどのくらいか、フィルターをかけて項目ごとに検証することが簡単にできます。
トレードの記録方法は、以下の記事もご参考下さい。
ステップ2:記録を振り返り改善点を探す
次に、記録を振り返り、改善点を徹底的に探しましょう。
記録をしただけで満足してしまう人が多いですが、それでは全く意味がありません。
改善行動をすることではじめて勝率は高まっていきます。
一流のトレーダーに一歩近づくことができるのです。
ステップ3:PDCAサイクルを回す
ステップ1と2が完了したら、後は「PDCA」サイクルを徹底的に繰り返すことです。
「PDCAサイクルを回す」ということは、何事を成功させるにも重要な要素です。
「Plan」(トレードルールを決める)→「Do」(トレードルールに則って実行する)→「Check」(検証する)→「Action」(改善行動をする)。
こうしてトレードルールはブラッシュアップされていきます。
ちなみに完璧なトレードルールを見つけ出すことは不可能ですので、そこは追い求めないようにすべきです。
8割の確率で勝てるのであれば立派なトレードルールと言えます。検証によって目標とすべきラインだと言えるでしょう。
ただし、損失幅と利益幅の比率であるリスクリワードには常に注意しましょう。
記事:FXのリスクリワードとは?勝率90%でも破産する理由をズバリ解説!
FXの検証で勝てるトレーダーを目指そう
未来において過去のチャートとまったく同じ値動きになることはありません。しかし、高い確率で同じような動きになるシグナルもあります。自分がそのチャンスにしっかりとエントリーできているのかどうか検証してみてください。
検証の結果、「こんなところでエントリーしているのだから負けて当然」ということがわかるだけでも大きな前進です。失敗は成功の基と言います。検証によって、トータルで勝てるトレーダーをぜひ目指してください。
とても参考になりました。
ありがとうございます。
自分では検証はしてるつもりでいましたが、具体的に教えて頂き自分の検証がかなり適当だったということがわかりました。
エクセルでの検証をやってみます。言われていた通り、自分の失敗をムダにはしたくないので。