こんな疑問を解決!
- マルチタイムフレーム分析とは?
- マルチタイムフレーム分析のやり方は?
- FXでどの時間足を使えばいいの?
FXのチャートには、日足や4時間足から、5分足、1分足など様々な時間足がありますが、「結局、どの時間足を使えばいいの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
中には、1つの時間足だけみて取引する方がいますが、勝率が下がるためおすすめしません。
そこで登場するのが、複数の時間足を一緒に分析する「マルチタイムフレーム分析(MTM)」です。
この記事を読めば、マルチタイムフレーム分析が理解でき、FXトレードの勝率が格段にアップするでしょう。
鈴木 拓也
株式会社フィンテラス代表取締役
- 三井住友銀行で為替ディーラー業務を経験して独立
- 純資産4億円をFXや株で運用中|2023年利益+5,000万円超
- 著書「7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本」「世界一やさしい FXチャートの教科書 1年生」など
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
マルチタイムフレーム分析を動画で解説
マルチタイムフレーム分析とは何かを動画で詳しく解説していますのでご覧ください。
動画が見れない方も、文章で解説していますのでこのまま読む進めて下さい。
マルチタイムフレーム分析とは
マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足のチャートを分析して戦略を立てることを言います。
1種類の時間足だけしかチャートを見ないと、他の時間足のトレンドやレジスタンス・サポートに気づけませんが、複数の時間足を分析することで、広い視野を持ちながらトレードできます。
FXはトレンド方向に売買するのが定石
基本的なところですが、FXの相場環境は「上昇トレンド」「下降トレンド」「横ばい(レンジ)」の3つの種類しかありません。
上昇トレンド | 下降トレンド | 横ばい | |
---|---|---|---|
相場環境 | |||
取引 | 買い | 売り | 様子見 |
そして、個人投資家が取るべき選択肢は、上昇トレンドであれば買い、下降トレンドであれば売り、横ばい(レンジ)であれば様子見です。
この基本原則を徹底することで、FXでは面白いくらいに利益を上げることができます。
マルチタイムフレーム分析が必要な理由
なぜマルチタイムフレーム分析が必要なのか考えてみましょう。
今、1時間足チャートを分析して買いのチャンスがあったとしましょう。
ここで、1時間足よりも時間足が長い上位足を全く見ないでトレードすると何が起きるでしょうか?
1時間足チャートでは上昇トレンドだと思っても、相場の大きな流れである日足チャートは下降トレンドの場合、1時間足チャートの上昇は下降トレンドの中の小さな戻りとなり、その後すぐに下落していくリスクが高いです。
これは相場の全体像を全くとらえないままトレードしている状態です。
まさに、森を見ないで枝だけ見ている状態であり、相場の主要なトレンドの方向性も分からないですし、更には投資家に意識されるレジスタンスやサポートも把握しないままトレードすることになるので、圧倒的に不利になると言えます。
今度は、長い期間の日足チャートをしっかりと分析して主要なトレンドが上昇トレンドであると認識し、その次に下位足の1時間足チャートでタイミングを計ってトレードした場合をみてみましょう。
売買の方向が主要な上昇トレンド方向に沿っており、なおかつ下位足でも勝率の高いポイントでエントリーすることができるので、主要な上昇トレンドが続く限り、大きな利益が期待できます。
マルチタイムフレーム分析のやり方
マルチタイムフレーム分析のやり方は、次の通りです。
マルチタイムフレーム分析のやり方
- ①時間足が長い上位足で相場環境認識を行い
- ②時間足が短い下位足でエントリーポイントを探す
使用する時間足
マルチタイムフレーム分析で使用する時間足は、トレードスタイルによって分かれます。
トレードスタイルとは、1回の取引にかける期間に応じて、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードなどの種類があります。
絶対にこの時間足でなくてはならないというルールはありませんが、下の表が各トレードスタイルに応じた上位足と下位足の目安となります。
トレードスタイル | トレード時間の目安 | 上位足 | 下位足 |
---|---|---|---|
長期トレード | 数カ月以上 | 月足 週足 | 日足 |
スイングトレード | 数日~数週間 | 週足 日足 | 4時間足 1時間足 |
デイトレード | 数時間~1日 | 日足 4時間足 1時間足 | 30分足 15分足 5分足 |
スキャルピング | 数秒~数分 | 1時間足 30分足 | 5分足 1分足 |
記事:FXトレードスタイル4つの種類と初心者に合う手法の見つけ方
マルチタイムフレーム分析のイメージ
マルチタイムフレーム分析では、最初に上位足の相場環境認識を行います。
相場環境認識とは、一言で説明すると現在の相場がどんな状態であるのかを分析する最初のステップです。
下図は上位足と下位足をマルチタイムフレーム分析で一緒に示していますが、上位足がレンジであれば様子見、下降トレンドであれば下位足で優位性のある(勝率の高い)ポイントで売りを狙います。
一方で、上位足が上昇トレンドになれば、下位足で優位性のあるポイントで買いを狙います。
下図のマルチタイムフレーム分析の場合も同様です。
上位足がレンジであれば様子見、上昇トレンドであれば下位足で買いを狙います。
上位足が下降トレンドになれば、下位足の優位性のあるポイントで売りを狙います。
相場環境認識とエントリー手法
上位足で相場環境認識をする方法は、トレンド系のテクニカル分析を使います。
代表的なものは以下のものです。
また、下位足で高勝率なポイントを見つける方法は、以下の手法があります。
このどれが一番いいかは一概には言えませんが、大事なのは「自分で選んだ手法を一貫性を持って行う」ことです。
当サイトのおすすめはライントレードであり、下図チャートでは水平線を使って、5回の取引で+281pips(281銭)の利益を獲得しています。
面白いように水平に引いたラインで反転しているのが確認できますね。
ライントレードの事例1
- 期間:2018年7月12日~2018年7月21日
- 取引回数:5回
- 合計利益:+281pips
なお、実例の詳しい説明は、FX会社とのタイアップで口座開設にて無料プレゼントしている「ラインの王道」や「ラインの王道 刃」でも説明していますので、そちらも合わせてゲットしてみて下さい。
マルチタイムフレーム分析の実践練習
それでは、より理解を深めるために、マルチタイムフレーム分析の練習をやってみましょう。
下図は米ドル円の4時間足のチャートです。
4時間足の薄水色の箇所を15分足に拡大すると、下図のチャートです。
まずは4時間足で相場環境認識を行いトレンド判断とレジスタンス・サポートの位置を確認しましょう。
その後、15分足にラインを引いてエントリーポイントを見つけて下さい。
なお、本練習問題は、当サイト監修者の書籍「クイズを解いて勝率アップ!FXチャート&資金管理実践トレーニング」より抜粋しております。
上位足の4時間足を分析する
4時間足は、高値b→d、安値a→cとそれぞれ切り上げているので、ダウ理論から上昇トレンドが発生しています。
その後も、安値eを付けた後、高値fまで安値を切り下げることなく上昇しているので、上昇トレンド継続となり、買いを狙うエリアとなります。
また、108.503円の水準に引ける水平線(A)と、安値aを起点として安値c、eを結んで上昇トレンドライン(B)が引けます。
以上で上位足のトレンド判断とレジサポ認識の相場環境認識が完了となりますので、下位足を拡大してエントリーポイントを探っていきましょう。
下位足の15分足でエントリーを狙う
まず、上昇トレンドライン(C)が引けますが、Eの反発箇所はすぐ上に4時間足のレジスタンスとなる水平線(A)がありますので、エントリーは避けるべきです。
レジスタンスを上に抜けた後にエントリーを狙った方が、より高勝率のトレードとなります。
なので、絶好の買い場は、水平線(A)を抜けた後の、レジサポ転換後の第二波です。
そして今回、買いのポイントは水平線(A)と上昇トレンドライン(C)が交わり、1つの根拠だけではなく、2つも根拠が発生しています。
このように複数のラインが交わり根拠が2つ以上ある場合は、更に反転する確率が上がるため、強力な反転ポイントとなるのです。
上の解説が難しい方は、YouTubeでも分かりやすく解説していますので、ご覧ください。
マルチタイムフレーム分析のまとめ
マルチタイムフレーム分析とは、1種類だけではなく複数の時間足のチャートを分析することを言います。
マルチタイムフレーム分析では、上位足で相場環境認識を行い、下位足でエントリーポイントを狙います。
使用するべき時間足は、各トレードスタイルで異なります。
上位足の相場環境認識はダウ理論で行い、下位足のエントリーポイントの選定はライントレードで行うがおすすめです。
ライントレードの手法は、無料教材「ラインの王道 刃 -YAIBA-」も非常に参考になりますので、ご活用下さい。
何かと用事があり、なかなか長時間集中できないのが難点ですが、とにかくがむしゃらに学習させていただいております。ありがとうございます!!
非常にわかりやすい説明でとても勉強になります。ラインの王道欲しくてFX口座開設しましたが、いつごろいただけますか?待ち遠しいです
ラインの王道は各FX会社が定める条件を満たされた後、1カ月前後で配布となります。
詳細は口座申込ページに記載の注意事項をご確認ください。
毎度、理解しやすい教材を提供して下さり、ありがとうございます。
一点だけ疑問が浮かんだのですが、マルチタイムフレーム分析は複数の時間足チャートを分析することだと本教材では解説されてますが、分析する時間足チャートは多ければ多い程、有効に働くのでしょうか?
例えば、日足、8時間足、4時間足の3つの時間足で水平線ラインや反転パターン等を描いて、トレンドを識別して、30分足チャートでエントリーポイントを探す等